ミュージカル/注目のミュージカルレビュー・開幕レポート

2019年1~3月の注目!ミュージカル(4ページ目)

2019年、皆さんはどの演目からご覧になりますか?今年は『ナターシャ・ピエール&ザ・グレート・コメット・オブ・1812』『キューティ・ブロンド』はじめ、注目の舞台が続々登場。少しずつ記事を更新していきますので、どうぞお楽しみに!

松島 まり乃

執筆者:松島 まり乃

ミュージカルガイド

 

予想を裏切る⁈“大人の歌遊び”『KAKAI歌会2019』

3月8~17日=三越劇場
 
『KAKAI歌会2019』の見どころ
『KAKAI 歌会2019』稽古より。(C)Marino Matsushima

『KAKAI 歌会2019』稽古より。(C)Marino Matsushima

2013年に三越劇場で初演以来、上演の度に観客を魅了してきたミュージカル・レビューが、4度目の上演。今回はシリーズ史上最多の9名(泉見洋平さん、出雲綾さん、今井清隆さん、田村良太さん、畠中洋さん、原田薫さん、原田優一さん、愛加あゆさん、宮島朋宏さん 五十音順)の出演で、華やかに開催されます。
 
構成・演出をつとめるのは原田優一さん。『マリー・アントワネット』のルイ16世役が記憶に新しい彼ですが、『bare』等で演出家としての手腕も発揮。本シリーズでは徹底したサービス精神で毎回、客席を大いに沸かせてきました。今回は9名ものミュージカルスターが集ったことで、ミュージカル・レビューの枠を超えた⁈趣向のショーとなる模様。百戦錬磨の実力派たちが、壮大な“歌遊び”を魅せてくれそうです。
 
構成・演出・出演 原田優一さんミニ・インタビュー「大いに笑っていただきつつ、感動が残る歌会を目指しています」
『KAKAI 歌会2019』稽古より。(C)Marino Matsushima

原田優一 82年埼玉生まれ。『ミス・サイゴン』『レ・ミゼラブル』『マリー・アントワネット』『道化の瞳』『CLUB SEVEN』『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』等のミュージカル、『招かれざる客』『瀧廉太郎の友人、と知人とその他の諸々』等のストレートプレイで活躍。近年『bare』や『KAKAI歌会』等、自ら演出も手掛ける。(C)Marino Matsushima

――『KAKAI歌会』はどのように始まったショーでしょうか?
 
「はじめはミュージカル俳優たちが歌いたい曲を歌い繋ぐコンサートととらえていたのですが、今井清隆さん、樹里咲穂さん、和音美桜さんと僕が集ったとき、意外にも稽古で一同、笑い方面に力が入ってしまったんです(笑)。以来、笑いの要素も大切にしつつ、音楽的にも様々なジャンルの曲でメドレーを歌ったり、ミュージカルをジャジーに歌ったり、ショーの最後には名物の“マッシュ”と言って、いろんな大曲を一人ずつ歌い継いで最後には一つの曲に纏めてしまうといった、様々な“大人の音遊び”をやってきました」
 
――今回は9名のご出演。ご自身以外の8名について、一言ずつコメントをいただけますでしょうか。
『KAKAI 歌会2019』稽古より。(C)Marino Matsushima

『KAKAI 歌会2019』稽古より。(C)Marino Matsushima

「今井清隆さんは”隊長“のような存在で、常に皆に囲まれているイメージですね。たまにぶれることもありますが(笑)、それも楽しんでいただいています。泉見洋平さんはいつも熱いものを持っていらっしゃる方ですが、今回皆さん、“こんなに動いている泉見さんを見るのは久しぶり”と思われるんじゃないでしょうか。畠中洋さんは全力の人です。真っ直ぐな目が印象的な方で、「稽古場は恥をかいていい場所なんだ!」とあらゆる挑戦をしていただき、自ら体を張ってくださるので、ありがたいです。
 
(田村)良太君は天然素材、同い年ながらこんなにも純粋な人がいるんだなぁと思います。歌にも芝居にも、全てにストレートに向き合う人です。宮島(朋宏)君は新星、こういう人がミュージカル界を背負っていって欲しい人です。歌唱力もあるし、僕が大切にしてるユーモアを持っていて、物事をいろんな視点から見ることが出来る方です。
『KAKAI 歌会2019』稽古より。(C)Marino Matsushima

『KAKAI 歌会2019』稽古より。(C)Marino Matsushima

女性陣では、まず(原田)薫さんは今回のショーの秘密兵器です。昨年、薫さんと一緒にショーをやらせていただいたのですが、なんとこの人の破壊力は強いんだろうと思ったんですね。どう行っても全くぶれない。任せていればズドンと強力なアタックを打って下さる方です。出雲(綾)さんは宝塚で組長さんだったので、周りを見ているし、的確なアドバイスをしてくれるし、あたたかくみんなのお姉さんになってくれています。そして愛加あゆさんはプリンセス。出てくるだけで空気が変わるし、可憐なイメージを持っていらっしゃる。でも今回の舞台に関してはそのイメージを崩そうという意気込みも持っていて、観ていて面白いなと思っています」
 
――今回はどんな趣向をお考えですか?
 
「今回はこのメンバーが集まっていることもあり、いっそミュージカルを作ってしまおう、といろいろアイディアを書き出していたら、最後に『桃太郎』に行きつきました(笑)。みんな知っている話で、ゴール地点もわかっている。そこに皆さんがご存知のミュージカルナンバーをいろいろ入れて、“この曲を入れて来たか”という意外性を盛り込んだら面白い、と思って構成していったら、30数曲入りの約1時間の大作になってしまいました(笑)。これが一幕。二幕はどーんと歌をお聞かせします。もちろん笑いの要素も忘れずに……」
 
――玉野和紀さん構成・演出の『CLUB SEVEN』シリーズの“歌”版といったイメージでよろしいでしょうか?
 
「そうですね、僕も『CLUB SEVEN』に出させていただいたことがあり、ものすごく勉強になったこともあります。でも玉野さんと僕とでは表現スタイルが全く違うと思います」
 
――どんなショーに仕上がりそうでしょうか?
『KAKAI 歌会2019』稽古より。(C)Marino Matsushima

『KAKAI 歌会2019』稽古より。(C)Marino Matsushima

「今のところ、まるで動物園のようなショーになっています(笑)。それぞれ個性、キャラクターが強烈な人たちが集まっているので、すごくお任せ出来るんですよ。皆さんが出してきた素材を自分は纏めるだけという状況です。
 
今まで作ってきたKAKAIとはまた違ったわくわくが生まれていて、皆すごく楽しんでやってくださっているので、それはきっとお客様にも伝わると思います。おもちゃ箱をひっくり返したようなコンサートになればいいなと思いますし、最後に、先ほどお話したマッシュで感動していただいて、“すごく笑ったけど最後のマッシュで感動できた”と言っていただけたらとても嬉しいです」

*次頁で『DOWNTOWN FOLLIES』をご紹介します!
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