朝から長時間にわたり暮らしとテクノロジーの熱い議論が!
最新のテクノロジーを活用して、日々の暮らしにある数々の課題を解決しようという趣旨で開催されているLivingTechカンファレンス。昨年はVRやIoT、Fintechなど、最新技術の暮らしへのマッチングに関して意見交換や議論が行われたカンファレンスだったが、今回はそれらを踏まえ、さらに早いスピードで進化しているスマートホーム戦略やシェアリングエコノミー等にスポットが当てられた。朝の10時からスタートした数々のセッションは、ネットワーキングランチを挟み午後のセッション、また19時からのパーティーまで、長時間にわたり行われ、最新テクノロジーと暮らしの融合について昨年以上に鋭く熱い議論がなされた。
今年のテーマは「POST2020」
「POST2020」。これがLivingTechカンファレンス2018が掲げるテーマ。2020年といえば東京オリンピック、パラリンピックが開催され、そこへ向けて日本全体が盛り上がりを見せているが、LivingTechカンファレンス2018では、その5年後となる2025年に目を向け、人口減少や少子高齢化に影響されるであろう生活上の社会問題を最新のテクノロジーで解消することを主題として進行した。シェアリングの現在進行形は?セッションを一部紹介!
最新のテクノロジー開発に実際に携わっている方々も登壇するのがLivingTechカンファレンスの特徴。今回も官民問わず幅広い分野より多数のパネリストが登壇し、未来生活にいかにテクノロジーが貢献するかを議論した。その中で1つ、LivingTechカンファレンスらしいセッションを紹介。ここで紹介するのが「Sharing Economyが変えるリビング空間と住まい」と題されたセッション。この1、2年で宿泊や自動車・自転車分野で一般的にも認知度が高くなったシェアリングサービスだが、すでにそれら既成のジャンル以外にも、さまざまなモノ・コトに関わるシェアリングサービスがスタートしており、最新テクノロジーを活用して、誰でも便利に気軽に利用しやすいシステムが構築されつつあることが語られた。
モデレーターはレンタルスペースマッチングサイト「スペースマーケット」代表の重松大輔氏。スピーカーとして、家具レンタルサービス「クラス」代表の久保裕丈氏、YKK AP経営企画室部長の東勝紀氏、ワンストップで内装デザイン・工事を提供する「ユニオンテック」の韓英志氏といった新たな分野でシェアリングビジネスを展開するキーパーソンが登壇した。
満席となった会場で進められたこのセッションでは、家具・空間・内装・住設という4領域を「シェアリング」の文脈で議論。YKK AP開発の未来ドア「UPDATE-GATE」の紹介からスタートしたセッションは、モノやサービス、技術のシェアを通して、消費者が不都合なく、より自由に、可動性を持って暮らしていける時代が現在進行形で進んでいることを明らかに。ビジネス的な小難しい話だけではなく、「昔の寄合みたいに町内でモノや貸し借りする時代がまた来るよね」とか「不動産は動産になって、現実的に家にタイヤがつくかも?」など、ざっくばらんな議論も多く、登壇者・傍聴者の両方が楽しめる時間になっていた。
2020年以降、暮らしはどうなっていく?
LivingTechカンファレンスは、リノベる(東京都渋谷区)含むLivingTechカンファレンス実行委員会が主催しさまざまな分野の企業が協賛している。カンファレンス後、LivingTechカンファレンス実行委員である上野純平氏(リノべる)に、次の時代の暮らしについて語ってもらった。
「テクノロジーが当たり前になって気づかない、近い将来そういう時代になるでしょう。例えば、掃除はルンバが、食器洗いは食洗機が、日常の買い物や家事はAmazonエコーが意識せずとも手伝ってくれる。暮らしの中のテクノロジーが当たり前になることで、私たちが『しなくてはいけない時間』が減り、『したい時間』が増え、より豊かな暮らしになっていくはずです。豊かな暮らしを実現するためにも、LivingTech実行委員としては、次のカンファレンス開催までに分科会や合宿形式を実施しながら交流・議論の機会をもっと増やし、カンファレンス自体はテクノロジーで暮らしを豊かにするための具体的な成果を発表できる場にしていきたいですね。なんと言ってもLivingTechはひとつのコミュニティですから」(上野)
LivingTech2018、当日の様子はfacebookで公開中