離乳食

にんじん(人参)の離乳食……初期・中期・後期別の進め方

赤ちゃんが離乳食で食べるにんじん(人参)は、初期のにんじんペーストから始まり、みじんぎり、手づかみスティックタイプ……と月齢が進むにつれて固さや大きさ・量を調整してあげる必要があります。初期・中期・後期別離乳食の量や固さ、保存のポイント、レシピなどを解説!

執筆者:All About 編集部

離乳食のにんじん(人参) 初期・中期・後期別進め方

初期・中期・後期別にんじん(人参)の離乳食

離乳食の初めての野菜はにんじんにしてみても。初期はにんじんペーストにして赤ちゃんが食べやすいようにしてあげましょう

離乳食を始めて5日あたりの米粥に少し慣れてきたら、野菜にチャレンジしてみましょう。そろそろ野菜をあげてみたいけど、何の野菜からあげたらいいんだろう?と悩む方もいるかもしれません。そんな時はまず、にんじん(人参)からスタートしてみるのもオススメです。というのも、離乳食を始めたての赤ちゃんはミルクや母乳のようにほのかに甘味のあるものを好みやすいのです。また、鮮やかなオレンジ色が視覚的にも赤ちゃんの好奇心をくすぐります。
 
<目次>
 

離乳食で人参などの野菜はどう進める?

離乳食とはミルクや母乳だけを飲んでいた赤ちゃんが、1年ほどの時間をかけて、液体状のものを飲み込む食事から、固形物を噛んで飲み込む食事へとステップアップしていく、食事の練習期間です。赤ちゃんの体、歯、噛む力などの状態に合わせて、月齢ごとに食べ物の形状や量を変えていく必要があります。

離乳食を始めたての初期は喉で飲み込む練習をする「ゴックン期」。飲み込むのに慣れたら、次は上あごと舌でみじん切りやマッシュをつぶしながら食べる「モグモグ期」。そして、豆腐くらいの固さのものを歯茎で噛んで食べるようになる「カミカミ期」を経て、肉団子ほどのものを噛める「パクパク期」を迎えると、卒乳し始める赤ちゃんも出てきます。これが大まかな離乳食の流れです。

その中でも、野菜はビタミンやミネラルの源になる食材です。主食のエネルギー食品の吸収を助けたり、皮膚や粘膜を保護して体の調子を整える働きをします。また、鮮やかな色や楽しい形で赤ちゃんの好奇心をくすぐり、食事の時間をより楽しく演出してくれます。赤ちゃんの月齢や離乳食の進みに合った的確な調理を心がけることが、離乳食における重要なポイントになります。
 

離乳初期はにんじんペーストに

離乳初期「ゴックン期」はにんじんペーストに

離乳初期「ゴックン期」はにんじんペーストに

離乳初期のゴックン期は、なめらかにすりつぶした、トロトロのペースト状に調理しましょう。にんじんの皮をむき、箸や竹串がスッと入るくらい柔らかくなるまで茹でます。この時、茹で時間を短縮したいからといって細かく切った状態で茹でてしまうと、栄養が逃げてしまう上に、食感も悪くなります。なるべく大きな塊のまま茹でるのがポイントです。

ゆであがったにんじんをすりおろしせばにんじんペーストのできあがり! すりおろしただけだとベタベタのジャム状の場合もあるので、そういう時はゆで汁や湯冷ましでゆるめて、トロトロのポタージュ状にしてあげましょう。徐々に飲み込むことに慣れてきたら、水分量を少しずつ減らして、ジャム状に近づけていきます。

白菜なども葉物の中では繊維が少なく食べやすい食材です。こちらの調理方法を参考に、白菜にもぜひチャレンジしてみてください(「離乳食レシピ 白菜ペースト(5~6ヶ月)」)。

初めて野菜を食べさせるときは、1さじから。2日ずつ1さじ、2さじ、3さじと増やして10gほどまで増やしていきましょう。
 

離乳中期のにんじんはみじん切りに

離乳賞中期のにんじん(人参)はみじん切りに

離乳賞中期のにんじんはみじん切りに

離乳中期の「モグモグ期」を迎えたら、すりおろすのをやめて、少し食べごたえのあるみじん切りに調理方法を変えましょう。基本的に、茹でるところまでは初期と同じです。なるべく大きな塊で、スッとお箸が通り、指で軽くつぶせるくらいの柔らかさに。

中期の最初はなるべく細かくみじん切りにします。出来上がりは絹ごし豆腐くらいのふわふわさを目指してみてください。慣れてきたらみじん切りを少しずつ粗くしていきましょう。心配だからといっていつまでもすりつぶしや細かすぎるみじん切りだと、だんだんと赤ちゃんも食べごたえを感じなくなってきます。

お粥なども順調に食べれていれば、この頃、野菜は20gほどあげられるといいですね。ただ、離乳食の量の増え方は本当に十人十色。食べるのが大好きな子もいれば、のんびり増えていく子もいるので、赤ちゃんが気持ちよく食べられる量に合わせてあげましょう。
 

にんじんのみじん切りは少しずつ粗目に

にんじんのみじん切りも離乳食が進むにつれて粗めに

にんじんのみじん切りも離乳食が進むにつれて粗めに

指でスッとつぶれるくらいのみじん切りが上手に食べれるようになってきたら、もう少し粗目のみじん切りにチャレンジしましょう。離乳食後期~完了期になると、上あごと舌だけではつぶせない物も、口の端に寄せて歯茎で上手につぶすようになってきます。この頃には完熟バナナや木綿豆腐など、指でつぶせる固さではあるものの、ちょっと歯ごたえのある固さでも食べられるようになってきます。粗めのみじん切りから、1cm角の角切りへと進めていきましょう。この頃の量の目安は30g。直径3.5cm×1cmの厚みくらいの輪切りが目安です。

また、赤ちゃんの「自分でやりたい! 自分で食べたい!」という意思が現れ始めるころです。ママが持っているスプーンをつかもうとしたり、お皿の中に手を入れて、お粥をぐちゃぐちゃして口に運ぼうとしたりし始めます。それは食べることが気持ちよく、楽しくなってきた証拠。どんどんその意欲を伸ばしてあげましょう。

手つかみ食べは手と口の協調運動。脳の発達の証でもあります。やがて自分でスプーンやお箸を使って食べるための大切なステップなので、毎日のご飯に積極的に取り入れてあげましょう。やわらかく茹でたにんじんなら、スティック状にしても噛みきることができるようになっています。ママが食べさせてあげる離乳食のほかに5cmほどのにんじんスティックを2~3本用意してあげて、自由に食べさせてあげます。ママは様子を見守りつつ、離乳食を食べさせてあげてください。
 

味付けレシピはにんじんのだし煮がおすすめ

離乳中期ごろになってくると、遊び食べが始まったり、中だるみしてしまったりで離乳食の食べが悪くなってくる子もいます。そんな時は、ごく少量の調味料を使って、味付けをして変化をつけてみましょう。大人にはわからないほどの醤油1滴や、ほんの少しの砂糖や塩でも赤ちゃんの舌には大きな変化です。調味料の旨みが加わって、ぐっと食欲が上がる子もいます。

また「にんじんのだし煮」などもおすすめです。塩分糖分を加えなくてもおいしく感じる、動物性のだしで煮ることでうまみがひきたちます。



調理がしやすく、甘みがあって赤ちゃんにも大人気のにんじん(人参)の離乳食の基本をご紹介しました。すりおろしから手づかみ用のスティックまで、にんじんは離乳食中大活躍する食材の1つなので、調理法を抑えて活用するとママも便利で赤ちゃんも大喜び間違いなし! 優しい甘みと楽しいオレンジ色で離乳食を彩ってあげましょう!

監修:川口 由美子 

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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