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読書感想文のコピペは厳禁!丸写しがとても危険な訳

読書感想文が書けないと悩んだ子供、また保護者の方が「受験勉強の時間を確保したい」などという理由でコピペサイトの利用が増えています。読書感想文のコピペ利用のリスクや、丸写ししなくてもできる書き方基本、親のサポートのコツをご紹介します。

高橋 真生

執筆者:高橋 真生

子育て・教育ガイド

読書感想文、コピペをしてはいけない3つの理由

読書感想文のコピペは厳禁!リスクを知ろう

読書感想文のコピペをする前に、そのリスクについてまず考えてみてください

夏休みの宿題の定番、読書感想文。書けずに悩んだ子どもやその保護者が、読書感想文のコピペサイトを利用することも増えているようです。

けれど、コピペ(コピーしたものをそのまま貼り付けること)は、絶対にしてはいけないことなのです。それはなぜか、また、丸写ししなくても読書感想文が簡単に書けるコツを見ていきましょう。
   

1.読書感想文コピペは、先生にすぐ「バレる」から

先生は、子どもの文章をよく知っています。ことばの選び方、漢字とひらがなの割合、句読点の打ち方、言い回しなど、文章にはその人の癖や特徴があるもの。ましてや先生は、普段子どもと接しながら、その考え方や感じ方も見ています。

ですから、丸写しされた読書感想文を一読すれば、本人が書いたものでないことは分かります。

そもそも、これほどコピペサイトが話題になっているのに、先生が見ないとは考えにくいでしょう。同じサイトを見ていれば、「パクリ」だとすぐに見抜かれてしまいます。また、コピペを簡単に見つけられる、コピペチェックツールも存在します。
 

2.同じコピペ感想文が提出される可能性があるから

先生は、1クラスだけでなく、同学年、他学年、過去の子どものものと、膨大な量の感想文を読んでいます。中には、同じサイトの同じ文章を丸写ししてあるものが出てくることがあります。どちらかが、コピペサイトの文章を多少リライトしていても、元々同じ文章だったことはやはり分かるものです。
 

3.コピペ感想文が、コンクールに出される可能性があるから

「自由にコピペしてください」「パクリOK」と謳っているサイトでも、たいていは「学校提出に限り」著作権フリーと記しています。これは、コンクール応募目的には使えない、ということですが、学校によっては、提出作品は全てコンクールに応募するということもあります。

もしコピペサイトを使って書いた読書感想文が受賞した場合は、新聞やインターネット上のサイトに全文掲載されることもありますから、コピペ・盗作騒動に発展する場合もあるでしょう。

コピペするのであれば、人生を左右する大事件になりかねないことも覚悟しておきましょう。

 

読書感想文のコピペに気付いたとき、先生はどうする?

読書感想文のコピペに気付いたとき、先生はどうする?

読書感想文のコピペに気付いたとき、先生はどうする?

読書感想文のコピペが分かった場合の先生や学校の対応は、それぞれです。再提出させる、成績や内申書に反映する(夏休みの課題は評価の対象外とする学校もあります)、ほめたり皆の前で読んだりして自分から謝りたくなるようにする、などなど。

ただし、覚えておきたいのは、成績は挽回できても、信頼を取り戻すのはとても困難だということ。読書感想文コピペサイトによくある「提出しないよりは、コピペでも出した方がいい」ということばが本当なのかは、よく考える必要がありそうです。

 

でも、やっぱり困る読書感想文、親は手伝っていいもの?

低学年になればなるほど、読書感想文に親のサポートは必要です。特に小学校1年生は、まだ文章を書いたことのない子も、「読書」の意味を知らない子も、決して珍しくありません。原稿用紙を初めて見るという子も多いのです。

読書感想文を書くためには、読む力、書く力、考える力などが必要になります。読書感想文は、一生使える大切な能力を育成するチャンス! 高学年になっていても、苦手な子には上手に手を貸してあげてください。

 

4つのまとまりを意識すれば、1日で読書感想文ができあがる!

読書感想文の基本的な流れは、「本を選ぶ」「本を読む」「書く」「見直す」です。ここでは、「書く」部分について簡単にご説明します。

読書感想文の書き方のバリエーションは無数にあるのですが、ベーシックなのが4つにまとめること。時間がないとき、感想文に慣れておらず何から手をつけていいのか分からないときにおすすめです。
  1. 書き出し(本との出会い・あらすじなど)
  2. 気になるポイント(面白かったところ・つまらなかったところ・登場人物など)
  3. 気になる理由
  4. おわり(本を読んで変化したこと・登場人物へのメッセージ)

ちなみに、4つのまとまりを最もシンプルに4つの段落に落とし込んだ例がこちらです。
  1. 書き出し一段落 あらすじ・要約
  2. ポイント二段落 特に心に残った登場人物やその行動
  3. 理由三段落 登場人物と自分との比較
  4. おわり四段落 これからの希望や目標
1~4を同じ配分にする必要はありません。特にこの例の場合は、1と4は自然と短くなるはずです。

読書感想文があらすじを延々書くだけで終わってしまうという人は、「この本は○○が○○した(になった)物語です」とひと言で要約してみるといいですよ。

 

読書感想文ビギナーには、まず親がインタビューしてみよう!

低学年や文章を書くのが苦手なお子さんには、インタビューがおすすめ。まずは「誰が出てきた?」「誰が好きだった?」「それはどうして?」など聞いてみるといいですよ。
読書感想文コピペ・丸写しのリスク

慣れない文章を書くだけでも疲れるもの。インタビューはあくまで楽しく、リラックスして!

また、親も同じ本を読んでおいて、お子さんに逆インタビューしてもらうと、読みが深まりますし、話している間に新しい発見があることも。同じ本を媒介に楽しく話すことで、「本を読むっていいな」と思えるかもしれません。

なお、この方法なら読書感想文完成まで1・2日で仕上げることもできます。慣れてきたら、書き出しに本文を引用したり、気になるポイントを「一つめは~、二つめは~」と列挙したり、お手紙形式にしてみたりとあれこれアレンジしてみてくださいね。

 

子は親の背中を見ている!読書感想文の取り組み方に出る、子育ての姿勢

親が率先してコピペサイトの丸写しをさせたり、感想文を購入したりするのは、「読書感想文に割く時間がない」「子どもの受験勉強の時間を確保したい」という子どもを思う切実な親心なのかもしれません。

けれど、それは、危険なことでもあります。

特に低学年の場合、コピペで苦手なことを免れた経験は、強く残ります。大事な場面で、ズルをしてしまうことになるかもしれません。また、お子さんが、読書感想文の丸写しを内心で悪いことだと思っていたら、親を信用できなくなることだってあるでしょう。

子どもは大人が思うよりもずっと、身近な人の影響を受けるもの。それが大好きな親御さんであれば、なおのことです。ですから、一時しのぎための小手先の技術より、表現する楽しさや、苦労しても自分で何かを生み出すこと・物事に真摯に向き合うことの大切さを、伝えていただきたいと思います。


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