こだわりの逸品ぞろい!信頼のおけるドイツブランド
ドイツのブランドといえば何を思い浮かべますか?
メルセデスやポルシェなどの自動車、Miele やBoschに代表される家電、ライカのカメラ、シュタインヴェークのピアノ……などなど各分野の最高峰とされる工業品や工芸品は数えるときりがありません。確かな技術と伝統に裏打ちされた「メイド・イン・ジャーマニー」は、「間違いなく信頼できるブランド」として世界中で愛されています。
ドイツ生まれのブランドはそれぞれに歴史や物語を持っています。見た目の美しさだけではなく、品質も機能性も妥協しないマイスター制度によるモノづくりが受け継がれてきたドイツ。クラフトマンシップの誇りを持って生み出されたこだわりの逸品たちは長く大切に使いたいものばかり。
ここでは自分へのお土産にしたくなるドイツブランドを厳選し、その歴史とともにご紹介します。
ドイツブランド1:リモワ
世界中の旅行者から支持されている、憧れのスーツケースといえば「リモワ」。日本でもおしゃれな人の旅行に欠かせないアイテムとして絶大な人気を誇っていますよね。リモワの歴史は古く、ポール・モルシェック氏によって最初のスーツケース工場がドイツ西部の街、ケルンに設立されたのは1898年のこと。それまで木製が主流だったスーツケースの軽量化を目指し、1937年には世界で初めてアルミニウム性のスーツケースを販売し話題に。1950年には耐久性の高いアルミニウム合金を使用した「トパーズ」を発表し大ヒット。現在も定番の人気シリーズとなっています。
リモワのスーツケースは決して安くはありませんが、耐久性が抜群なうえに5年間の修理保証付きなので半永久的に使うことが可能。使い込むほどにできる傷さえもかっこ良くみえてしまうデザイン性の高さも魅力です。
ドイツではケルン本店やフランクフルト、ミュンヘンの直営店のほか、大手デパートや主要空港内に店舗があります。
■RIMOWA公式サイト
ドイツブランド2:マイセン
世界的に名高い高級磁器マイセン。そのふるさとはドイツ東部ドレスデン近郊の古都マイセンにあります。マイセン磁器工場が誕生したのは300年以上も前の1710年のこと。当時ヨーロッパでもてはやされていた中国や日本の磁器をなんとか作りたいと熱望したのが、熱狂的な美術蒐集家でもあったアウグスト強王でした。この王様は宮廷に仕えていた錬金術師のベトガーを監禁してまで白磁の製造に成功し、ドレスデンに王立磁器工場を設立。こうしてヨーロッパ初の硬質磁器が誕生し、マイセンの名が世界中に広まっていったのでした。現在工場に併設された体験ワールド「マイセンハウス HAUS MEISSEN」内には博物館と見学用工房があり、1710年から現在までの歴史的なコレクションを見たり製造過程を見学することができます。ショップやアウトレット、マイセンの食器で食事ができるカフェ&レストランも併設。見て、買って、食べて楽しめる「マイセンのテーマパーク」として人気を集めています。
詳細記事>>>マイセン磁器のすべてがわかる!博物館の全貌公開
■MEISSEN公式サイト
ドイツブランド3:ツヴィリング
中世から刃物の街として知られるゾーリンゲンに本拠地を置く「ツヴィリングJ.A. ヘンケルス」の創業は1731年。世界で最も歴史あるブランドのひとつといわれています。現在は日本をはじめ世界各国に店舗があるので、双子(ツヴィリングの意味)のマークを見たことがある人も多いのではないでしょうか。包丁の最高峰と名高いツヴィリングですが、キッチンの便利グッズとして有名な万能料理ばさみや鍋など様々な商品を展開しています。ツヴィリングは、じつはキッチン用品だけでなくネイルケアやピンセットなどのビューティー用品も評判なんです。とくにおすすめなのが爪切り。私も長年愛用しているのですが、切れ味の良さはもちろんのこと、折り畳み式で6cmというコンパクトさなので持ち運びにも便利。もう他の爪切りは使えないほど気に入っています。高級感のある革製のケース付きで、贈り物にも喜ばれること間違いなしですよ。
■ZWILLING J.A. Henckels AG公式サイト
ドイツブランド4:シュタイフ
ドイツのギーンゲンで洋裁店を営んでいたマルガレーテ・シュタイフが作った小さな象のぬいぐるみ(針刺し)が評判を呼び、1880年に創業したシュタイフ社。あの有名な熊のぬいぐるみが誕生したのは1902年のこと。当時のアメリカ大統領、ルーズベルトの晩餐会のディスプレイに使われたこの熊は、彼のニックネームにちなんで「テディベア」と呼ばれるようになり一大ブームを巻き起こしました。それ以降、シュタイフのテディベアは世界中に熱狂的なコレクターを増やし、家庭では何世代にも渡り受け継がれ愛され続けています。動物が本来持っている可愛らしさを大切に、デザイン、素材、縫製すべてにこだわって作られるテディベア。そのクラフトマンシップの証として、すべてのベアの耳にはトレードマークの「ボタン・イン・イヤー」が付けられています。シュタイフのテディベアは現在も職人が一体ごと手作りしているため、同じ品番でも1つとして同じ顔立ちはありません。だからこそ愛着がわき、一生の友だちとして子どもから大人まで愛されているのでしょうね。
ドイツでは直営店や土産物店、デパートのおもちゃ売り場などでシュタイフ製品を買うことができ、現地でしか買えない限定品もたくさんあります。ギーンゲンにあるシュタイフ・ミュージアムでは毎年違う色で限定ベアが登場。ここでしか買えないプレミア品となっています。
■Steiff 公式サイト
ドイツブランド5:ビルケンシュトック
最近日本にも直営店ができて話題の「ビルケンシュトック」は、なんと240年以上もの歴史をもつドイツの靴メーカー。足のアーチを考慮して作られる靴は、足にほどよくフィットして使うほどに自分の足になじんでくるのが実感できます。ドイツでは医療用やスポーツ用のコンフォートシューズで知られていたため長い間「健康サンダル」のイメージがありましたが、近年はデザインに力を入れ、有名スターとのコラボ商品を展開するなどしてイメージを一新。本国ドイツよりも日本を初めとする海外での方が「おしゃれ」なイメージが定着しているようです。
ドイツ各都市に直営店があるほか、デパートや靴専門店でも取り扱いがあります。
■BIRKENSTOCK公式サイト
ドイツブランド6:トリッペン
1992年にデザイナーのアンゲラ・シュピースと靴職人ミヒャエル・エーラーが、ベルリンの小さなギャラリーで発表した木靴のコレクションから始まった靴のブランド「トリッペン」。「生産者は環境、消費者、労働者、全てに責任を持つべきである」という理念を掲げ、今も一つ一つ手作業で作られています。多くの賞を受賞したデザインは飽きがこず、人間工学に基づいて作られるので履き心地が抜群。履けば履くほど味がでてくるので、何度でも修理しながら長くつきあいたい靴です。ベルリンの観光名所ハッケシャー・ホーフ内にあるフラッグシップストアにはレディース、メンズの全コレクションが勢揃い。クロイツベルク地区にはアウトレットショップもあります。
詳細記事>>>一生モノの靴を探しに、ベルリンのトリッペンへ
■Trippen公式サイト
誰もが知ってるあの2大スポーツメーカーも、じつはドイツ生まれなんです。両社の間にはある特別な関係があって……
ドイツブランド7:アディダス
世界で活躍するトップアスリートも愛用する「アディダス」のシューズは、スポーツ愛好家ばかりか、おしゃれなアイテムとしてストリートでも絶大な人気を誇っています。ですが意外にも、ドイツ生まれのブランドだということはあまり知られていないよう。アディダスの誕生と歴史を語るには、創業家の複雑な家族関係に触れないわけにはいかないでしょう……。アディダスの歴史は、バイエルン州の小さな村、ヘルツォーゲンアウラッハに生まれたルドルフ(兄)とアドルフ(弟)のダスラー兄弟が1924年に設立した「ダスラー兄弟製靴工場」に始まります。がしかし、ことあるごとに対立した兄弟は1948年に分裂し、弟ダスラーが「アディダス」、兄ルドルフが「プーマ」を設立。その後も対立関係を続けつつ、両社それぞれに発展していったのでした。
「世界で最も売れたスニーカー」としてギネス登録されているスタンスミスをはじめ、マニア垂涎の復刻版など数々のヒットシューズを生み出しているアディダスですが、靴だけでなく服やバッグなどアパレル商品も幅広く展開中。有名デザイナーとのコラボシリーズも要チェックです。
■adidas公式サイト
ドイツブランド8:プーマ
弟のアドルフが「ダスラー兄弟製靴工場」改め「アディダス」を設立した一方、会社を退いた兄のルドルフは彼の名のRuとダスラーのDaをつなげたルーダ社(Ruda)を設立。そのすぐ後に改称され「プーマ(Puma)」社が誕生しました。ペレやマラドーナほか、プーマのスパイクを履いた多くのアスリートたちがオリンピックの陸上競技やワールドカップで大活躍。プーマは世界的なスポーツブランドとして確固たる地位を築き上げました。プーマは史上初めてスポーツとファッションを融合させたブランドでもあり、ジル・サンダーやミハラヤスヒロといったデザイナーとのコラボレーションを展開。その後もファッション性の高い商品を次々と発表し話題を集めています。
■PUMA公式サイト
ドイツブランド9:ブリー
1970年にブリー夫妻によって設立された「ブリー」は、デザイン性と機能性を兼ね備えた人気のバッグブランド。ブリーの代名詞といえば、使い込むほどに味わい深い飴色に変化するヌメ革のシリーズです。そのほかにも革製のビジネスバッグや軽いナイロンや布製のカジュアルバッグまで豊富なラインナップ。私自身もトートバッグにポシェット、財布など様々なブリー製品を愛用していますが、シンプルでどんなファッションにも合わせやすく、とにかく「使える」のが魅力。そのうえ良心価格なのも嬉しいところです。■BREE公式サイト
ドイツブランド10:ジル・サンダー
ドイツを代表するファッションデザイナー、ジル・サンダー。彼女がハンブルクにブティックをオープンしたのは1967年のこと。バウハウスのミニマリズムに影響を受けたというシンプルなデザインは、それまでのフェミニンで装飾的な女性ファッション業界にとっては革命的でした。引き算の美学ともいうべきジル・サンダーの服は、一見して派手さはないものの、身に着けてみるとカッティングやディティールが細やかで、こだわりぬいて作られているのがわかります。それだけに値も張りますが、近年はユニクロとのコラボレーションなどで身近に感じられるようになりました。■Jil Sander公式サイト
ドイツブランド11:モンブラン
高級万年筆の代名詞「モンブラン」は、1906年にハンブルクの文具商と銀行家、ベルリンのエンジニアによって起業された万年筆メーカーが起源です。モンブランの代表モデル「マイスターシュテュック( MEISTERSTÜCK)」(マスターピースの意味)のキャップの先には、欧州最高峰モンブラン山頂の氷河を図案化したという、白い星形のシンボルマークがきらり。艶のある黒いボディ、18金のペン先に刻まれたモンブランの標高をあらわす4810……まさにひとつの芸術品ともいえる逸品は世界中の著名人に愛され、数々の歴史的瞬間に立ち会ってきました。なかでも印象的なエピソードが1963年のケルンでの出来事。署名の際に自分の万年筆が見つからなかった西ドイツのコンラート・アデナウアー首相に、ジョン・F・ケネディが差し出した愛用の万年筆。この万年筆こそが「マイスターシュテュック149」でした。
本場ドイツで、一生の相棒になってくれるイッポンを探してみてはいかがでしょうか。
■MONTBLANC公式サイト
ドイツブランド12:ラミー
デザイン性の高さで世界中に多くのファンを持つ「ラミー」の本拠地は、美しい古都ハイデルベルク。1930年の設立から現在までラミー製品はこの自社工場で作られています。バウハウスの理念を具現化し機能美を追求した筆記具は数々のデザイン賞を受賞。1966年に発表し革新的なデザインで話題となった「ラミー 2000」は、世紀をまたいで今も新しさを感じさせる名作です。日本でも人気沸騰中なのが、万年筆界の革命児ともいえるカジュアル万年筆「サファリ(safari) 」。軽くて丈夫な樹脂製のボディ、正しくペンを握れるように設けられたくぼみ、デニムのポケットにもしっかりグリップできる大型のクリップなど、とことん使いやすさを考えてデザインされたサファリは初めての万年筆に最適の1本です。
■LAMY公式サイト
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