XC60のディーゼルモデルに試乗した
ボルボ(スウェーデン)は世界的に赤丸上昇中である。安全性だけでなく、ここ数年でデザインや走りの味が大幅にレベルアップ。今回紹介する『XC60』などはヨーロッパやアメリカのカー・オブ・ザ・イヤーだけでなく、高額な輸入車にとって極めてハードルが高い日本のカー・オブ・ザ・イヤーまで受賞したのだから驚く。試乗したのは、やっと日本に入ってきたディーゼルエンジン搭載モデルである。最近の輸入車の売れ筋といえば燃費が良くてパワフルなディーゼルターボモデル。特に車重のあるSUVの場合、ヨーロッパだけでなく日本もディーゼルがメインになっているほど。価格だってガソリン車と変わらない。果たしてどんな乗り味だろうか?
ちなみにXC60から新しい世代のディーゼルになっており、排気ガスの浄化に尿素SCRシステムを採用している。触媒だけを使うタイプと違い『アドブルー』(2000km程度に1リッター消費/約100円)という尿素水溶液を補給しなければならない反面、幅広い運転域で安定して排気ガスの浄化が可能。環境への影響はガソリン車と変わらず。
快適だしパワフルだったディーゼルモデル
スペックを見ると190馬力/400Nmで、最高出力こそ2500ccガソリン車と同等ながら、最大トルクは4000cc車に匹敵する(ガソリンエンジン搭載のXC60を選ぶと、それぞれ254馬力/350Nm)。前置きとして、追加されたディーゼルターボモデルの概要を紹介させて頂いた。Dレンジをセレクトして試乗と行きましょう。走り始めのエンジン音は「少し賑やかなガソリン」といった程度。クルマに詳しい人でも情報無ければディーゼルだとはわからないと思う。アクセルを踏むとすぐに過給が始まり(回転上がると振動はなくなる)、大柄なボディをグイグイ走らせる。ATは信頼性の高い日本のアイシン製8速。これまたスムースに変速するため、ひたすら快適だ。
絶対的な動力性能やいかに? 今回試乗したXC60 D4に速度無制限のドイツでも試乗したのだが、その時は余裕で180km/h巡航出来た。日本の制限速度である110km/hまでならグイグイ加速していく。全く問題無し。むしろパワフルな部類に属すと思う。アップダウンの多いワインディングロードだって軽々走って行く。
実はライバル達よりリーズナブルなのだ
乗り心地&ハンドリングは先行販売されているガソリン車のXC60と基本的に同じ。グレードによってタイヤサイズが異なり、18インチを選ぶと上質かつ穏やか。19インチはスポーティ&シャープという設定になっている。好みで選べば良いと思う。試乗車は大きいタイプで19インチだったけれど、十分に乗り心地良かった。価格は自動ブレーキや、対向車や斜め後方の死角に居る他車を自動的に避けてくれたりする機能などのフル安全装備やナビ、電動シートが標準で599万円スタート。競合するレクサスRXやBMWのX3、アウディQ5などと比べてリーズナブルだ。このクラスを考えているならショッピングリストの最上位に載せたらいいと思う。