DIY・日曜大工

押入れをDIYで子供部屋に改造する方法!収納スペースを活用しよう

押入れをDIYで改造して、子供部屋スペースを作りましょう。DIY初心者でもチャレンジできるように、中段を外さずに行う方法をお教えします。壁紙の貼り方、床の補強の仕方、はしごや柵の作り方を、画像つきで詳しく解説します。

番匠 智香子

執筆者:番匠 智香子

DIY・日曜大工ガイド

押入れをDIYで子供部屋に! 初心者でもできる改造方法

押入れが子供部屋に変身! DIY初心者でもチャレンジできます

押入れが子供部屋に変身! DIY初心者でもチャレンジできます


和室の押入れは意外と奥行が深く、広い空間です。お布団をしまうには便利なスペースですが、しまうものが少ない場合は、他の活用を考えてみましょう。

今回は押入れをDIYで子供部屋に改造し、活用する方法をご紹介します。中段を外してスペースを作る方法もありますが、今回は初心者の方もできるように、中段を外さずに行います。
   
<目次>
 

手順1:まず、設計を考える

改造前の押入れ。ここが子供部屋に生まれ変わります

改造前の押入れ。ここが子供部屋に生まれ変わります

例えば、上の段を遊ぶスペース、下の段は収納スペースというように、使い方を決めましょう。そしてテーマカラーや、どういった雰囲気に仕上げるかも考えておきましょう。どのように使うかによって、DIYの方法が変わってきます。小スペースですが子供の部屋なので、お子さんと相談しながら雰囲気を考えてもいいですね。

押入れの中はたいてい、ベニヤ板が貼ってあります。ベニヤ板には塗料を塗ったり、壁紙を貼ったりすることができるので、よりお部屋らしく改造することも可能です。

原状復帰をしたい場合は、壁紙を両面テープやステープラー、タッカーを使って貼りましょう。布を使う場合もタッカーを使うと後から取り外すことができます。塗装をしたい場合は別のベニヤ板に塗ってからそのベニヤ板を両面テープやタッカーなどで貼ってもいいでしょう。

今回は上の段を女の子スペースに、下の段は男の子スペースをテーマに制作します。上の段には、間口から落ちないようにするために、柵を取り付けます。
押入れ子供部屋を前から見た図面

押入れ子供部屋を前から見た図面(単位はmm)

 

手順2:押入れの壁を改造する

押入れを男の子の遊びスペースに改造した例

男の子の遊びスペースに改造した際の、壁紙の例

今回はより簡単に壁紙を貼れるよう、正面はステープラー、側面は両面テープを使います。ステープラーや両面テープは、しわやたわみが出るなど、のりを使って貼る場合に比べてきれいに貼ることはできませんが、貼り直しや模様替えが手軽にできるメリットがあります。子供と遊び感覚で行うには、とても楽しい作業になると思います。
 

■壁紙を貼る道具・材料

  • 壁紙(今回は、国産壁紙のりなしを使います)
  • ステープラーまたはタッカー(ステープラーは開くタイプのものを使ってください。開かないととめることができません)
  • 両面テープ
  • 押しピン
  • カッター
  • はさみ
  • カッター用定規(地ベラなどがあるとより作業しやすいです)
ステープラーundefinedタッカー

上がステープラー。下がタッカー

ステープラーundefined壁紙貼り

ステープラーは開くタイプを!

 

■壁紙の貼り方
まず、貼りたい面の高さを測ります。それよりも10cmほど長めにカットしておきます。押入れの幅に合わせて必要枚数を用意してください。

寸法undefined壁紙

押入れ内壁の寸法を測ります

柄がある場合は、柄が合うようにカットしておいたほうが見た目がきれいなので、長めにカットしてください。そして国産壁紙を使う場合は、両側に印刷されていない部分があるので、先にはさみかカッターでカットしておきましょう。
押入れundefined壁紙

輸入壁紙はそのままでOK


■壁紙の貼り方・両面テープを使う場合
できるだけ、壁の四隅に両面テープを貼ります。そして40cmほどの間隔で内側にも貼りましょう。両面テープは貼り直しがきかないので、貼りすぎると貼るときも難しくなります。そして後で剥がすときにも大変になります。

押入れ改造

両面テープを隅に貼ります

まず上側の両面テープの裏紙を剥がし、上側が5cmほどはみ出すように壁紙を貼ります。そして、壁紙裏になる縦の両面テープの裏紙を少しずつ剥がし、壁紙の上から押さえるように貼っていきます。
押入れ改造

両面テープを剥がしながら貼っていきます

上下にはみ出したところはプラスチック定規や指先などでしっかりと折り目をつけて、定規をあててカッターでカットします。
押入れundefined壁紙

カッターの刃はよく切れる状態にしておきましょう


■壁紙の貼り方・ステープラーを使う場合
上側が5cmほどはみ出すように壁紙をあて、押しピンでとめていきます。しわが出やすいので、しっかりと引っぱりながらとめるようにしましょう。まずは上側からステープラーでとめていきます。20~30cmほどの間隔で、たわみをみながら増やしていきます。あまり増やすと、取り外すとき大変になるので、様子を見ながらとめてください。
押入れundefined壁紙

ステープラーが入るか事前に確認しておきましょう

押しピンを抜いた後に穴が目立つことがあるので、押しピンを外した跡にステープラーをとめると、空いた穴が目立たなくなります。横に2枚目の壁紙を貼る場合は、継ぎ目に両面テープを貼って壁紙同士を貼りましょう。そして、余分な壁紙をカッターでカットします。
押入れundefined壁紙

両面テープは一気に剥がさず少しずつ剥がして貼ります

 

手順3:床を補強する

押入れの下段はたいてい、薄いベニヤ板がひいてあり、人が乗るには強度不足です。ベニヤ板を上から敷いておきましょう。

■床を補強する道具・材料
  • ベニヤ板
  • クッションタイプのフロアマット
  • スベリどめシート(両面テープでも代用可)
  • カッター(またははさみ)

■床を補強する方法
大きいベニヤ板を運ぶのは大変なので、半分に切ったベニヤ板を並べて敷いています。押入れの内寸をしっかりと測り、ホームセンターのカットサービスを利用すると便利です。

ベニヤ板を敷いた上に、柔らかいクッションタイプのフロアマットを敷いています。カッターで簡単にカットすることができます。
押入れ下段undefinedベニヤ板

押入れ下段にベニヤ板を敷いたところ

押入れundefined下段undefined改造

クッションタイプのフロアマットはカッターでカットできます

上段にはクッションフロアを敷いています。裏側は交換が簡単にできるようにスベリどめシートを貼っています。両面テープでとめることもできます。
押入れundefined改造undefinedクッションフロア

貼るだけのスベリどめ材

クッションフロアははさみでもカッターでもカットできるので、押入れの中の形に合わせたカットも簡単です。
押入れundefined改造undefinedクッションフロア

形に合わせてハサミやカッターでカット

 

手順4:柵を作る

押入れ子供部屋を前から見た図面

押入れ子供部屋を前から見た図面(単位はmm)

上段を子ども部屋にする場合、一番最初に考えておかなければならないのは安全です。子どもが昇って間口から落ちる可能性がありますので、安全対策をしっかり行いましょう。間口から落ちないようにするために、柵を取り付けます。
 

■柵の道具・材料(図面と同サイズの場合)

押入れ改造

右側柵材料:上から2×2材、1×2材、1×1材、4mm厚ベニヤ板


<左側部分>

  • 2×2材(38×38mm)450mm・2本
  • 1×2材(19×38mm)300mm・2本
  • 1×1材(19×19mm)412mm・2本、262mm・2本
  • 4mm厚ベニヤ板 410mm×298mm・1枚
  • 75mm細ビス・8本、30mm細ビス・8本、15mmの極細ビスか木ネジ・8本
  • 壁紙 450mm×350mm

<扉>
  • 2×2材(38×38mm)300mm・2本
  • 1×2材(19×38mm)300mm・2本
  • 1×1材(19×19mm)262mm・2本、262mm・2本
  • 4mm厚ベニヤ板 260mm×298mm・1枚
  • 蝶番・1組
  • 75mm細ビス・8本、30mm細ビス・8本、15mmの極細ビスか木ネジ・8本
  • 壁紙 300mm×350mm

<右側部分>
  • 2×2材(38×38mm)710mm 2本
  • 1×2材(19×38mm)300mm 2本
  • 1×1材(19×19mm)672mm 2本、262mm 2本
  • 4mm厚ベニヤ板 670mm×298mm 1枚
  • 75mm細ビス 8本 30mm細ビス8本 15mmの極細ビスか木ネジ8本
  • 壁紙700mm×350mm
 
  • 両面テープ
  • 紙やすり(180、240番)
  • 電動ドライバードリル
  • 刷毛


■柵の作り方
今回の設計は真ん中にはしごを作り、両脇に柵を取り付けます。柵の片側には昇りやすいように扉を取り付けます。押入れ内側のビスをとめられる幅の寸法を測り、柵の寸法を決めていきましょう。

押入れ改造

左からはしごの右側柵、左側柵と扉

2×2材と1×2材で四角を組み立てます。2×2材にビスをとめるための下穴を開けます。下穴を2カ所ずつ開けてください。75mmという長いビスを使うので、なるべく垂直に開けるようにしましょう。
押入れ改造

電動ドライバードリルはホームセンターでレンタルサービスも

次に、接着剤を塗ってから75mmのビスをとめます。四角い枠ができあがりました。
押入れ改造

2×2材で制作した枠

そして、枠の内側に1×1材を30mmのビスでとめます。背面になるほうに合わせて四方にとめてください。
押入れ改造

内側に1×1材をとめたところ

枠の組み立てができた後に、組み立て方によっては寸法通りいかないことがあるのでベニヤ板が入るか確認します。壁紙を巻き込んで貼るので、少し余裕があるくらいの大きさに調整します。
押入れ改造

ベニヤ板は2mmほど小さいサイズに

次に、柵の枠の内側に貼るために、ベニヤ板を用意します。そして、ベニヤ板に壁紙を両面テープで貼ります。これは塗装したり、マスキングテープや包装紙などを貼ったりしてもよく、自由に楽しんでください。
押入れ改造

壁紙を足す場合は継ぎ目に両面テープを

ベニヤ板に貼り終わったら、枠にはめて極細ビス15mmで固定します。扉は枠を固定しないのでそのままビスでとめてください。ベニヤ板をビスでとめてから壁紙やペイントもおこなえますので先に組み立てても大丈夫です。
押入れ改造

ベニヤ板を貼ってから壁紙を貼る方法もあります

 

手順5:はしごを作る

■はしごを作る道具・材料(図面と同サイズの場合)
押入れ改造

はしごの材料

  • 2×2材(38×38mm)1765mm・2本、220mm・14本
  • 75mm細ビス 56本
  • 木工用接着剤
  • 電動ドライバー

■はしごの作り方
押入れの寸法を測り、はしごの寸法を決めます。はしごは倒れると危ないので、今回は上までの通し柱にし、上下と中段にビスでとめる構造にします。
押入れ改造

下穴をしっかり開けます

カットした木材を組み立てます。75mmの長いビスでとめるので、下の穴を2カ所開けます。

接着剤を塗り、ビスでネジをとめます。先に両端をとめましょう。あとは間隔を測って短い2×2材をとめていきます。反対側をとめるときに垂直になっているか、確認しながらビスをとめていきましょう。
押入れ改造

はしごのできあがり!

 

手順6:柵とはしごを塗装する

組み立てができた後に塗装します。今回は、枠とはしごを同じ白色の塗料を塗ります。

■柵とはしごを塗装する道具・材料

  • 塗料
  • 刷毛
  • 紙やすり(180、240番)

■柵とはしごを塗装する方法
まず、180番の紙やすりで木材のささくれや角を削り危なくないように仕上げます。そして240番の紙やすりを全体的にかけて表面を滑らかに仕上げます。仕上げのやすりがけは木目に沿って行いましょう。
 
削った粉を拭いたら、塗装を行います。きれいに塗るコツは、刷毛をなるべくストロークを長く動かすことです。
押入れ改造

塗料のつけすぎに注意しましょう

 

手順7:柵とはしごを取り付ける

■柵とはしごを取り付ける道具・材料
  • 幅30mm×10mm×長さ100mm程度の板(雑巾摺りの高さを確認)(ベニヤ板でも可)
  • ビス(75mm・20本程度、40mm・10本程度
  • 電動ドライバー

■柵とはしごを取り付ける方法
押入れundefined壁紙

枠を押入れ内側にビスでとめているところ

右側の枠を押入れの内側と中段に38mm板厚は75mm、19mm板厚は40mmのビスでそれぞれ固定します。押入れの内側には、雑巾摺り(ぞうきんずり)と呼ばれる薄い板が貼ってあります。内壁に固定する場合はその分浮いてしまうので、同じ厚さで幅30mmほどの板を用意して枠の下に挟みましょう。とめた後は、しっかり固定されているか確認してください。

同様に左側の枠も固定します。雑巾摺りの手前に柱があり、とめられる場合はこの補助板は不要です。今回の場合、左枠は柱に固定しています。

そして、はしごも上下と中段に固定します。フロアマットは、はしごの形に合わせてカットしてください。そして、はしごと右側枠も75mmのビスでとめて、しっかり固定させます。
押入れ改造

はしごはしっかりとめてください

扉部分には蝶番を取り付けます。下穴をあけて付属のネジをとめていきます。マスキングテープでとめておくと、作業しやすくなります。そして左側枠に扉の蝶番をとめます。
押入れ改造

扉などは自由に考えてみてください

今回の扉幅は30cmにしました。そして子どもがはしごに乗ったまま扉を開けられるので、蝶番は外開きになるように取り付けてあります。中にいろいろと物を置いても広く使えるようにしてあります。扉を開けっぱなしにしているとぶつかってしまったりするので、扉を内開きにする方法もあります。状況に応じて扉の付け方や大きさを考えてみてください。

雑巾摺りのすき間を開けずにとめる場合は、扉下にベニヤ板の余りなどを挟んですき間をあけてとめると開閉がスムーズです。

以上で、完成です!

* * * * *

私が子供の頃、押入れに入るのが楽しかった記憶があるので、子供はきっと喜んで遊んでくれると思い、DIYしてみました。実際、5歳の娘はお気に入りのおもちゃを持ち込んで飾って楽しんでいます。弟に邪魔されずに自分の世界に入れるところも気に入っているようです。

押入れは多少ラフな仕上がりになっても、部屋よりも目立たないところなので、遊び心を持ってDIYを楽しめると思います。壁紙の種類も豊富にあるので、デザイン面でも楽しみながら、子供部屋に改造してみてはいかがでしょうか?

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