腰痛

腰痛を招く「筋力不足」…簡単で効果的な筋トレ法

自覚症状に関する調査で男性1位、女性2位に入っている「腰痛」。上半身の重みは体重の約60%を占めるため、日常のあらゆるシーンでこの重さを支えている腹筋や腰背部の筋肉には、高い負荷がかかります。筋力不足から腰痛を招かないために、腰痛予防に有効なお腹と背中の筋力トレーニングを始めてみませんか?

檜垣 暁子

執筆者:檜垣 暁子

カイロプラクティック理学士 / 肩こり・腰痛ガイド

男性1位・女性2位! 男女共に多い「腰痛」の自覚症状

国内における「自覚症状」では、腰痛の訴えは高順位となっています

国内における「自覚症状」では、腰痛の訴えは高順位となっています

よくある体の痛みの中で「腰痛」。厚生労働省による「平成28年度国民生活基礎調査の概況」の「自覚症状」においても、男性1位、女性2位と、前回調査と同様の高い順位にランクインしています。男女ともに、腰の調子が気になる人、腰痛で困っている人は、かなり多そうだとわかります。

それだけ、日常生活の中に、腰痛を招く要素が多くあるということでしょう。

日常生活の中の何が腰痛の原因となっているか、自分で分析して明確にするのは意外と難しいかもしれません。ぎっくり腰のような予期せぬ腰痛もあれば、慢性的に不調を感じている人、時々腰が痛く感じることがあるという人など様々です。たとえ軽度な腰痛であっても、腰が気になり始めると、日常動作も制限しがちになったり、心理的なストレスになったりするため、無理なくできる腰痛予防に取り組んでいくことが大切です。

気付かないうちに腰への負担が増す生活に?

腰痛予防を始めるタイミングも、よくわからないという人もいるかもしれません。腰に不調を感じなければ、特に予防を考えることもなく、忙しく毎日を過ごしてしまうものです。実は日常生活の中で、腰に無理を強いるような生活をしていたとしても、自覚できずに仕事や家事などをこなしている人も多いでしょう。

無理を続けていると、上半身の重さを支える腰背部の筋肉が、しっかり働かなくなってしまうことがあります。また、腹筋の働きが弱くなっている場合も、腰背部の筋肉とのアンバランスが影響し、腰部への負荷が増すことで腰痛を招いてしまうこともあるのです。

腰痛予防に大切な筋力アップ

上半身の重みは、体重の約60%を占めます。腹筋や腰背部の筋肉は、日常のあらゆる動作や姿勢において、この重さを支えているのですから、負担が大きいのも当然です。まして、姿勢のバランスを崩した状態では、腰部にかかる負荷がかなりのものになることが想像できると思います。

通常の立位では、腰部へは体重の1~1.2倍の力がかかるため、あらゆる姿勢をとることで腰椎を支点としてより負荷が生じることになります。荷物を持ち上げようとした時に腰に痛みを感じたという人は、腹筋・腰背部の筋肉の働きの低下がみられるかもしれません。腰の不調が本格的に現れる前の段階で、腰痛予防として筋力アップを目指してはいかがでしょうか。

腰痛予防のための腹筋・脊柱起立筋トレーニング

上半身の重みをしっかりと支えることができるよう、まずは腹筋と背部にある脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)の筋力トレーニングに挑戦してみましょう。すでに腰痛がある人や腰に不安を感じている人は無理に行わないでください。動作により腰痛が誘発されるケースもあるため、途中で腰に違和感が生じた場合は中止して下さい。

■腹直筋を鍛える腹筋トレーニング
この姿勢を保持するだけ藻プルプルしてしまう人は、このポーズのキープからトレーニングしましょう

この姿勢を保持するだけ藻プルプルしてしまう人は、このポーズのキープからトレーニングしましょう

1. 両肘と足のつま先を床につき、床から体を浮かせます。この時、体がしならないよう直線をイメージしましょう。

キツイという人は、少なめの回数から行い徐々に回数を増やしていきましょう

キツイという人は、少なめの回数から行い徐々に回数を増やしていきましょう

2. 背中がまるくならないよう意識しながら、お尻を天井方向へ上げましょう。3~5秒間キープしたら「1」へ戻ります。10回挑戦してみましょう。


■腹斜筋を鍛える腹筋トレーニング
曲げる膝の角度は90度くらいになるようにしましょう

曲げる膝の角度は90度くらいになるようにしましょう

1. 両膝を曲げて仰向け姿勢になります。両腕は軽く体から離します。

筋力をしっかりと発揮するためにも、ゆっくりと動かしましょう

筋力をしっかりと発揮するためにも、ゆっくりと動かしましょう

2. 足の位置をなるべくずらさないようにしながら、両脚を揃えたまま倒していきます。肩が浮かないように注意しましょう。倒した脚を「1」の位置へ戻す際に腹斜筋(いわゆる「脇腹」と呼ばれている範囲)に力が入るよう意識してください。往復10回を目安に行ってみましょう。


■脊柱起立筋トレーニング
スタートの姿勢では頭を無理に起こす必要はありません

スタートの姿勢では頭を無理に起こす必要はありません

1. 両膝を軽く開きうつぶせになり、両肘は曲げて手を顔斜め前方へ置きます。

足先を持ち上げようとするよりも脚の付け根を意識する方が、効果的に動かすことができます

足先を持ち上げようとするよりも脚の付け根を意識する方が、効果的に動かすことができます

2. 肩の付け根から動かすイメージで、左腕を持ち上げると同時に右下肢を持ち上げます。お尻に力が入れるよう意識して下肢を動かしていきます。3~5秒間キープしたら、反対側も行います。左右交互に5~10回ずつ挑戦してみましょう。


腰痛予防のたの筋力トレーニングは、くれぐれも無理はせずにコツコツと続けることが大切です。その日のコンディションによっては、動かした際に違和感や痛みを伴うこともあるため、その都度、様子をみながら中止したり回数を調整したりと、柔軟に検討してください。

■参考資料
「運動機能障害症候群のマネジメント」著 Shirley A. Sahrmann  
医歯薬出版株式会社
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