鎌倉から逗子へ、海辺の景色を楽しむハイキング

休日の鎌倉は人が多く、とくに、鎌倉駅・鶴岡八幡宮周辺の中心市街地や、鎌倉大仏、長谷観音などのある長谷エリアは、いつも混雑気味です。

湘南エリア屈指の絶景「披露山公園」展望台より

湘南エリア屈指の絶景「披露山公園」展望台より


そこで、のんびり鎌倉の雰囲気を楽しみたい人に紹介したいのが、あまり知られていない魅力的なスポットを巡る、海辺のハイキングコースです。

海に近い鎌倉の材木座エリアのお寺や史跡を巡った後、逗子市に入り、海辺のリゾート「逗子マリーナ」や小坪漁港を歩き、最後は、湘南エリア屈指の絶景が楽しめる披露山(ひろやま)公園を目指します。

今回歩くコースは、下記の逗子市ホームページに掲載されている「披露山コース」を、少しアレンジしたもの。歩く際は、リンク先の地図も参考にしてみてください。

逗子市ハイキングコース

鎌倉駅からバスで出発!

今回の散歩は、鎌倉駅から出発します。東口バスロータリーから、小坪経由新逗子駅行きのバスに乗り、まずは、材木座の光明寺というお寺を目指します。

光明寺は、関東随一ともいわれる大きな山門が目印のお寺。山門内部は普段は非公開ですが、毎年、桜の時期に開催される「観桜会」と、10月の「十夜法要」の期間中は公開され、山門の上にのぼることができます。とくに、桜の時期は、山門の上から境内に咲き誇る、たくさんの桜を眺めることができ、それは見事です。

桜の時期は、山門の上から境内に咲き誇る、たくさんの桜を眺めることができ、それは見事

桜の時期は、山門の上から境内に咲き誇る、たくさんの桜を眺めることができ、それは見事


光明寺はお庭なども見応えがありますが、私のおすすめは裏山からの眺望。本堂の右手にまつられている「網引地蔵尊」の前を通り、本堂裏手にまわりこんで、石段を上っていくと、2つの展望台が設置されています。

光明寺裏山の展望台より

光明寺裏山の展望台より


展望台からは、光明寺本堂や山門、その向こうには、相模湾と江の島が見えます。そして、よく晴れた日には富士山まで見渡すことができます。

稲村ヶ崎の向こうに、富士山が姿を見せることも

稲村ヶ崎の向こうに、富士山が姿を見せることも


展望台から少し離れたところには、「かながわの景勝50選」の石碑が置かれています。以前は、この石碑の付近からの眺めも素晴らしかったのでしょうが、50選が選定された1979年から40年近くが経過し、今は周囲を木々に覆われてしまっています。

「かながわの景勝50選」の石碑の周囲は、木々に覆われています。石碑の前を通り、先に進みましょう

「かながわの景勝50選」の石碑の周囲は、木々に覆われています。石碑の前を通り、先に進みましょう


このまま、光明寺の境内には戻らず、「かながわの景勝50選」の石碑の前を先へ進みます。その先にある小さなトンネルをくぐって、坂道を海に向かって下りていきましょう。

<DATA>
■光明寺
住所:鎌倉市材木座6-17-19
拝観料:無料(志納)
アクセス:鎌倉駅よりバスで、「光明寺」バス停下車徒歩1分
地図:光明寺ホームページ

鎌倉の沖に浮かぶ人工島

坂を下りきったら、正面に設置されている道標に従い「和賀江嶋」を目指して歩を進め、国道134号のガード下から海岸に出てみましょう。

道標に従い、和賀江嶋へ

道標に従い、和賀江嶋へ


そこには、小さな展望スペースがあり、遠くに稲村ヶ崎や江の島が見えますが、その左手前に、なにやら黒い島のようなものが見えます。

漁船の左に見えるのが、鎌倉沖に浮かぶ人工島「和賀江嶋」

漁船の左に見えるのが、鎌倉沖に浮かぶ人工島「和賀江嶋」


じつは、これが鎌倉の沖に浮かぶ人工島「和賀江嶋(わがえじま)」。鎌倉時代、鎌倉は政治の中心として栄え、中国など外国との交易も盛んに行われるようになりました。

しかし、鎌倉の海岸は遠浅で、大きな船を停泊させる港をつくることができなかったため、沖合に石を積み上げ、人工の港を築いたのが、この和賀江嶋なのです。空気の澄んだ冬は、この辺りからも富士山が見られます。

冬の朝、富士山も見えました!

冬の朝、富士山も見えました!


さて、道に戻り、すぐ先に見える「小坪海岸トンネル」をくぐり抜けます。

逗子マリーナ

逗子マリーナ


このトンネルはそれほど長くなく、トンネルの先にはハーバーとリゾートマンションが一体となった、日本の「マリーナ」の草分けとされる「逗子マリーナ」があります。歩道には、椰子の木が植えられ、まるで南国に来たかのような雰囲気です。

逗子マリーナの中には、ブライダル施設やレストランのほか、雰囲気抜群なカフェなどもあり、ゆったりとした時間を過ごすのには、最高の場所です。


披露山公園を目指して

逗子マリーナの東側に位置するのが、小坪漁港。南国リゾートの雰囲気溢れる逗子マリーナと異なり、こちらは、いかにも昔ながらの漁師町という雰囲気が残っており、「小坪港前」の交差点付近には、コスパ抜群に磯料理が楽しめる人気の店もあります。

「小坪港前」交差点付近には、新鮮な磯料理が味わえる店が何軒かあります

「小坪港前」交差点付近には、新鮮な磯料理が味わえる店が何軒かあります


さて、ここから、湘南エリア屈指の絶景が楽しめる、披露山公園を目指します。「小坪港前」交差点から、港に沿って歩いて行き、ちょっと分かりづらいのですが、酒屋さんの横から、狭い路地の石段を上っていきます。

やや、複雑に入り組んだ路地を歩きますが、路面に津波発生時の避難経路を示すプレートが要所ごとに埋め込まれているので、これに従いながら歩いていけば、迷わないでしょう。

津波発生時の避難経路に従って、坂を上っていく

津波発生時の避難経路に従って、坂を上っていく


まるで、広島県の人気観光地・尾道(おのみち)のような、狭い路地の坂道の途中には、漁港を一望できる場所や、看板がなければ、普通の民家にしか見えないカフェなどがあります。

坂道の途中には、看板がなければ、普通の民家にしか見えないカフェも

坂道の途中には、看板がなければ、普通の民家にしか見えないカフェも


石段を上り切ると、諏訪神社という小さな神社がまつられており、その先で、左手の道に出ると、そこには、まさに別世界が広がっています。

ここは披露山庭園住宅という、”日本のビバリーヒルズ”ともいわれる高級住宅地。敷地面積が、300~400坪以上という、かなりの広さのお屋敷が建ち並んでいます。この披露山庭園住宅の東側に広がるのが、披露山公園です。

湘南エリア屈指の絶景

「披露山」という、ちょっと変わった名前の由来には、いくつかの説があり、鎌倉時代に将軍への献上物を披露した場所、または献上物を披露する役人が住んでいた場所などといわれています。

披露山公園。展望台、猿舎、円形花壇は、太平洋戦争時の高射砲砲座の跡を利用したもの。

披露山公園。展望台、猿舎、円形花壇は、太平洋戦争時の高射砲砲座の跡を利用したもの。


公園内にある展望台からの眺望は、本当に素晴らしく、眼下には披露山庭園住宅や逗子マリーナ、その先には湘南の海と江の島が見え、そして、遥か彼方には、空気の澄んだ秋から冬の晴れた日には、富士山が大きくその姿を現します。

披露山公園展望台からの眺望。逗子マリーナ、海、富士山が一望の下に。

披露山公園展望台からの眺望。逗子マリーナ、海、富士山が一望の下に。


私はこの展望台を、「湘南平(平塚市・大磯町)」、「江の島シーキャンドル(藤沢市)」と並ぶ、「湘南三大展望台」だと思っています。

このほか、公園内には、ウサギ、クジャクをはじめとする小動物が飼われている「小動物舎」や、ニホンザルが飼われている「猿舎」、レストハウスなどがあります。

<DATA>
■披露山公園
住所:逗子市新宿5丁目4-1
アクセス:鎌倉駅または逗子駅よりバスで、「披露山入口」バス停下車徒歩15分
地図:逗子市ホームページ
駐車場:49台(8:30~16:30まで。時間外は閉鎖)

もう少し散歩を続けるなら

さて、披露山公園の入口から坂道を少し下れば、「披露山入口」バス停があるので、ここからバスに乗り、鎌倉駅または逗子駅に戻ることができます。

もう少し散歩を続けるなら、披露山周辺にあるもう一つの公園「大崎公園」に行ってみるのもおすすめです。相模湾に突きだした岬の頂上にあり、逗子・葉山の海が見渡せる、とても気持ちがいい公園です。

大崎公園からは、逗子・葉山の海が見渡せて、とても気持ちがいい!

大崎公園からは、逗子・葉山の海が見渡せて、とても気持ちがいい!


また、披露山公園の駐車場から、浪子不動ハイキングコースを歩けば、浪子不動(高養寺)を経て、逗子海岸海水浴場方面に下りていくことができます。

披露山公園駐車場の、浪子不動ハイキングコース入口

披露山公園駐車場の、浪子不動ハイキングコース入口


「浪子」というのは、明治時代の文豪・徳冨蘆花(とくとみろか 1868~1927)のベストセラー小説『不如帰(ほととぎす)』の登場人物の名前に由来しますが、今となっては、よほどの文学好きでもなければ、知らない人が多いのではないでしょうか。浪子不動から逗子駅までは、徒歩で20分ほどです。

鎌倉から逗子への海辺のハイキングコース、いかがだったでしょうか。ハイキングコースといっても、山深い道を歩くわけではなく、歩きやすい靴にさえ気をつければ、普段着でも、全然、問題ありません。ぜひ、気楽にチャレンジしてみてください。

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