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住民税は前年の所得にかかる税金……現収入とは関係なく徴収される
個人住民税の納税通知書等を見て「住民税が高すぎる。なぜ?」と不安になった場合にチェックすべき点を確認しましょう。個人住民税は、前年の所得で税額を計算するため、今収入がなくても前年稼いでいた人は多くの個人住民税を取られるのです。代表的なケースとして、前年まで働いていたが現在は退職している、結婚して専業主婦になった等があります。まず、住民税の金額がいくらかを確認する方法を解説します。
住民税の納付で自分で払う「普通徴収」を選んだ人は、5~6月に郵送で自宅に届く住民税の納税通知書の「年税額」を確認しましょう。そもそも住民税は市町村民税と道府県民税の総称なので、納税通知書にはそれぞれの内訳についても記載があります。また、1回で支払う場合と4回で支払う場合の金額も書いてあるので、確認しましょう。
会社員で給与から天引きされる「特別徴収」の場合は、住民税税額決定通知書の中の「税額」を確認してください。こちらも市町村民税と道府県民税の内訳、特別徴収税額が記載されています。特別徴収税額は、6月から来年5月までの個人住民税の年額です。各月の支払額も記載されています。
個人住民税が高いと感じるケースとは? 申告漏れがないか確認しよう
個人住民税は前年の所得で税額を計算するため、今現在収入がなくても前年稼いでいた人はたくさん個人住民税を取られるのです。個人住民税が高く感じるケースで代表的なものを挙げてみます。1. 前年まで働いていたが、現在は退職している
2. 働いていたが結婚して専業主婦になった
3. 亡くなった(前年働いていた)
4. 学生等で2つ以上の職場を掛け持ちしている
本人だけでなく扶養家族の医療費控除や住宅ローン控除、社会保険料控除、生命保険料控除、小規模企業共済等掛金控除(個人型確定拠出年金等)、扶養控除等に漏れはないでしょうか? 会社員なら年末調整で差し引き漏れの所得控除等がないか、確認してみましょう。
自営業者なら、上記の所得控除等とは別に必要経費等に漏れはなかったか、確認してみましょう。修正申告で課税所得が少なくなれば、個人住民税も少なくなり還付される可能性もあるのです。
個人住民税が支払えないとき、減免や猶予の制度もあり
災害にあったときや死亡したとき、生活扶助を受けているとき等、市町村民税を納めるにあたって困難な事情があるときは、その状況に応じて市町村民税の減免を受けられる場合があります。市町村民税の減免や猶予を受けられることを確認してから道府県民税を減免・猶予する都道府県が多いのです。
詳しくはお住まいの地域の各区役所または各市税事務所にお尋ねください(参考:総務省HP)。
新型コロナの影響により納税が困難な方への「地方税における猶予制度」
新型コロナウイルス感染症の影響により、住民税の納付が難しい方には、次の場合に「地方税における猶予制度」があります。・災害により財産に相当な損失が生じた場合
・ご本人またはご家族が病気にかかった場合
・事業を廃止し、または休止した場合
・事業に著しい損失を受けた場合
詳しくは市税事務所・納税課等へ問い合わせてみましょう。総務省HPで令和4年度の地方税の新型コロナ対応について詳細が記載されています。チェックしておくといいでしょう。
令和3年度にあった住民税の税制改正。令和4年度も引き続き注意を
令和2年度の所得税の改正に続いて、令和3年度は住民税でも大きな改正がありました。令和4年度についても、引き続き注意が必要です。令和3年度の住民税の改正点としては、基礎控除10万円引き上げ、給与所得控除10万円引き下げ、控除額の上限が適用される給与等の収入額を1000万円から850万円に引き下げ、給与所得
控除の上限額を220万円から195万円に引き下げ、公的年金等控除10万円引き下げ、青色申告控除10万円引き下げ(電子申告の場合を除く)等です。基礎控除の引き上げにより、各種扶養控除対象者の基準所得が10万円上がりました。
その他、ひとり親控除の創設で、年収136万円未満のひとり親は、個人住民税がかからなくなりました。今後も住民税の動向には目が離せませんね。
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