古い年賀状・年賀はがきから「おたから」を発見しよう!
家にある年賀状がもしかしたらお宝かもしませんよ
ふだん郵便局に行く機会がなくても、1年に1回の国民的イベントである年賀状のやりとりだけは……という方は多いのではないでしょうか。
ぜひこの機会に自宅もしく実家などにある古い年賀状もチェックして、プレミアが付く年賀状・年賀はがきを探してみてはいかがでしょうか。この記事を読めば、あなたも年賀状の目利きになれるかも?!です。
<目次>
昭和20年代の官製年賀はがきは未使用にプレミアが!
日本でもっとも古い官製年賀はがきは、昭和25年用の年賀はがきで、発行日は昭和24年12月1日です。郵政省が誕生して最初の年末年始を迎えた時期であり、朝鮮戦争による特需景気で沸いていた時代でした。戦後復興も進んだことから、くじ付きの年賀はがきが2種発売されました。カタログ評価額ですが、青い2円はがきが未使用3,000円・使用済400円、赤い2円+1円(寄付金付き)はがきが未使用2,800円・使用済300円となっています。 官製年賀はがきのうち、昭和20年代のものはいずれもカタログ評価1,000円を超えています。未使用が特に高価なのが、昭和28年と29年のくじ無しの官製年賀はがきで、カタログ評価5,500円がつけられています。実勢価格は保存状態により前後しますが、標準的なものであればカタログ評価の7割が1つの目安です。3種類ある昭和25年の寄付金付き年賀はがき
昭和25年の寄付金付き年賀はがきは古いものですが、一定数が流通したので、家の奥から出てくることもあると思います。もし見つけたら、細かなタイプも調べてみましょう。この年賀はがきは印刷庁に加えて、大日本印刷、凸版印刷、共同印刷の3社が印刷を担いました。印刷庁製と大日本印刷製は組番号で判断でき、前者は40組以前の若い番号のもので、後者は131組以降です。凸版印刷と共同印刷も組番号で分かりますが、下記の秘符で判別することもできます。昭和26、27年の年賀状は広告入機械印を探したい
年賀状をみると、さまざまな消印が押されていることに気づくと思います。昭和26年、27年の年賀状でポイントになるのは、「広告入機械印」です。全国各地で機械印に広告を入れられるようになりました。多くは1,000円前後ですが、中には年末年始限定の珍しいものもあり、数千円以上の価値を持つことがあります。年賀郵便に華を添える図入り年賀印
昭和25年から昭和31年にかけては「図入り年賀印」がポイントです。梅、ウサギ、南天、富士山、初日の出、折り鶴、コマなど毎年決められた図案の消印が全国各地で使われています。鮮明に押されたものであれば、300円前後の価値があります。戦前は昭和11年から13年にかけて使用されていました。消印付きの年賀はがきは大切にしたい
昭和32年は年賀印が使われませんでした。昭和33年以降は毎年1月1日の日付と「年賀」の文字を入れた消印が用意され、年賀状取扱期間中の例年12月28日頃までに差し出されたものに押されています。年賀郵便が集中する繁忙期には、専門家も驚くような珍印が押されることもありますので、年賀印に限らず、どんな種類でも鮮明に消印が押されたものは保存しておくのが原則です。特に昭和37年以降は官製年賀はがきへの消印の省略が行われていますので、より重要といえます。はがき額面以外に押された年賀印にプレミア!
また、年賀印の大半が官製年賀はがきか、私製年賀はがきに押されたものです。下に示す年賀印のうち、年賀はがき用の4円切手の年賀印は100円程度の価値ですが、印刷物の郵便用(今日のゆうメールに相当)に使われたかもしか8円の年賀印は2万円を超える価格で取引されることがあります。かもしか8円の使用済のうち、数万枚に1枚程度の可能性でしか出現しない「知る人ぞ知る珍品」です。お年玉小型シートで高いのは東京五輪以前
たんすを整理していたら、お年玉シートが出てきたという話もよく聞きます。多少なりともプレミアムがつくのは東京五輪の開催年である昭和39年以前のものに限られ、それ以外のものは郵便に使ってしまっても問題ありません。本当の意味で「おたから」と呼べるのは、昭和30年以前のものからで、実勢価格は保存状態にもよりますが、いずれもカタログ評価は1万円を超えます(この記事での評価額は2018年1月時点での目安)。 いかがだったでしょうか。年賀状は人と人のあいだで交わされる心をこめた贈り物です。時代が経てば歴史的資料としての価値も持つ場合もありますし、世代を超えたコミュニケーションも図れるかもしれません。ぜひこの機会に改めて見返してはいかがでしょうか。【関連記事】