前回の記事までは、切手収集をする上で知っておきたい実践的なテーマを多く扱ってきましたが、ここでは切手収集についてもっと幅広く知識を得るために役立つ切手入門書を紹介していきます。入門書は対象とする読者層別に様々なものがありますが、まずは正統派の入門書から説明し、さらにユース向けの入門書、女性向けの入門書、英語で書かれた入門書の順に見ていきたいと思います。

これから紹介する本はすでに品切れや絶版の本なども含みますが、いずれも不朽の名作であり、かつてはよく出回った本です。オンラインの古書店などで探せば、すぐに見つかる本ですので、ぜひ探してみて下さい。

正統派の入門書

切手を集めていると、「郵便局で記念切手を買うだけの収集から、一歩踏み込むにはどうしたらいいの?」「親戚から切手コレクションをもらったのだけど、どうすればいいの?」といった質問を受けることがあります。そんな方にお薦めしたいのが、横佩道彦氏の『知って得する切手の話』(日本郵趣出版、2001年)です。この本は、切手収集をする上で必ず知っておきたいことを手堅くコンパクトにまとめた本で、切手収集家が切手知識を確認したり、一般の人に分かりやすく切手収集のことを紹介したりするのに便利です。
知って得する切手の話

『知って得する切手の話』(日本郵趣出版、2001年)

おそらく今世紀に出版された切手文献(和書)としては、最も多く版を重ねた切手収集本ではないでしょうか。現在は品切れになっていますが(2014年5月時点)、古書店などで容易に入手可能なので、ぜひ手元に置いておきたいところです。

ユース向けの切手入門書

1970年代の切手ブームの中で生まれた著作だけに、レトロな雰囲気を漂わせますが、この時代のユース向けの切手入門書には、2点特筆すべきものがあります。まず定番中の定番といえるのが、今井修氏の『切手収集と楽しみ方入門』(小学館、1980年)です。日本切手や外国切手の想像力をかき立てるエピソードを盛り込み、多くの切手少年たちの心をつかみました。
切手収集と楽しみ方入門

『切手収集と楽しみ方入門』(小学館、1980年)

もう1つが、魚木五夫氏の『正しい切手の集め方』(日本郵趣出版、1975年)です。格調高い切手収集の世界を切手少年たちに伝えてきた名著であることは誰もが認めるところですが、書かれている内容はやや高度で、中学生以上でないと理解しにくいかもしれません。

次ページでは女性向けの入門書、英語で書かれた切手入門書を見ていきたいと思います。