切手収集

出合えたらラッキーな「お宝」級も!レトロな佇まいで人気を集める郵便ポスト4選

レトロな佇まいでじわじわ人気を集める郵便ポスト。なかには、戦前もしくは戦後直後から大切に維持管理されながら24時間営業でがんばり続ける「お宝」ポストも存在します。

板橋 祐己

執筆者:板橋 祐己

切手収集ガイド

郵便ポストは原則として24時間営業です。例外もありますが、人が自由に行き来できる場所に設置された郵便ポストであれば、365日いつでも使用することができます。雨の日も風の日も、そして雪や嵐の日だってがんばり続ける郵便ポストのなかには、戦前もしくは戦後直後から大切に維持・管理されながら、今もなお現役というものも存在します。ここではとりわけ歴史的に重要な郵便ポストを紹介していきます。
<目次>

1. 栃木 | 湯西川の庇付き郵便ポスト

老舗旅館「本家伴久」入口にある戦前の丸型ポスト

老舗旅館「本家伴久」入口にある戦前の丸型ポスト

栃木県日光市(旧栗山村)の湯西川温泉は平家落人の伝承がある温泉です。湯西川温泉で江戸時代から営業を続ける老舗旅館「本家伴久」の入り口にある郵便ポストは昭和初期のもので、昭和4年から5年頃の製造と推定されます。

「郵便」の文字が右書きされ、投函口付近の円形部分や庇に雷文模様があり、郵便ポストを支える根石が戦後のタイプより大きくつくられているのも特徴です。

金属製の郵便ポストの大半は戦時中に回収されたため、ほとんど現存していません。しかも今なお現役の郵便ポストとして使用されているという点においても非常に貴重な存在です。また、老舗旅館「本家伴久」は湯西川の郵便局を務めたことでも知られ、歴史ある温泉地における郵便の成り立ちを語る上で重要な地位を占めています。
 

2. 長野 | 上田郵便局管内の国策ポスト

上田市下武石で今も使用される国策ポスト

上田市下武石で今も使用される国策ポスト

長野県上田市では、いわゆる「国策ポスト」と呼ばれる戦時中の郵便ポストが今も現役でがんばっています。武器や弾丸などをつくるために郵便ポストが供出され、代わりにコンクリートで代用したポストが設置されていきました。これが国策ポストです。コンクリート製ですが、かなり堅牢につくられており、通常の丸型ポストよりも重量があります。

上田市の国策ポストは、大宮諏訪神社鳥居(上田市下武石)に近い場所にあり、設置日は昭和44年1月30日となっています。国策ポストの製造時期から30年近く経過していることからも、別の場所から移設されたのは明らかでしょう。ただ、それ以上の来歴はよくわかっておらず、こうした謎に包まれた部分も含めて魅力的なポストといえます。

国策ポストについては、御油小学校(愛知県豊川市)のものや「龍門の滝」近くの土産物店(大分県九重町)のものなど、いくつかの現存例が知られています。しかし今もなお現役の郵便ポストとして使用されているのは上田市のものが全国で唯一とみられます。戦争の生き証人でもあるポストとして、これからも次世代へ向けて大切に継承していきたいところです。
 

3. 長野 | 贄川郵便局のレターポスト

長野・贄川郵便局前に立つ貴重な「レターポスト」

長野・贄川郵便局前に立つ貴重な「レターポスト」

長野県塩尻市の贄川(にえかわ)宿は中山道六十九次の宿場町のひとつであり、中山道の一部をなす木曽路(木曽街道)の十一宿の北端、すなわち江戸からみて最初の宿です。よく注意していないと通りすぎてしまうような場所ですが、ひとつ手前の本山宿と贄川宿のあいだには「お境橋」(境橋・桜沢橋)と呼ばれる橋があります。ここがかつての松本藩と尾張藩の境界であり、木曽路と呼ばれる区間の始まりにもなっています。

郵便ポストが好きな方の間では、贄川は幻のレターポストのある町としても知られます。旧街道沿いの贄川郵便局にある丸型ポストは投函口のところに「LETTER」(レター)と書かれた特殊なタイプで、丸型ポスト(郵便差出箱1号丸型)の試作品にあたります。昭和23年から昭和24年にかけて製造されたもので、現在では善通寺郵便局(香川県善通寺市) 、白井そろばん博物館(長野県飯田市内で保管のものを移設)など、非常に少ないものとなっています。
 

4. 台湾 | 日本時代の郵便ポスト

台湾・平渓郵便局前にある昭和16年の日本統治時代の郵便ポスト

台湾・平渓郵便局前にある昭和16年の日本統治時代の郵便ポスト

番外編のような位置づけになりますが、最後に台湾最古の現役郵便ポストをご紹介したいと思います。

場所は台北と基隆の郊外に位置する平渓(へいけい)という山あいの町です。平渓老街を中心にちょっとした観光地となっていて、軽登山を楽しむ方の休憩地としても親しまれています。この町の唯一の局である平渓郵便局(平渓郵局)には、なんと昭和16年に設置された日本統治時代の郵便ポストがあり、今もなお現役で使用されています。

台湾の郵便ポストは緑色が基本なので、現在の日本の郵便ポストとは異なりますが、その形状は日本の丸型ポストとよく似たつくりになっています。台湾の郵便局の一部には風景スタンプが用意されているところがあり、手紙やはがきのワンポイントとして自由に押せるようになっています。郵便局の目の前には「平渓郵局」の風景スタンプと台湾最古の郵便局であることを示すゴム印が設置されており、自由に押印することができます。
台湾最古の郵便ポストの脇にある記念スタンプのスペース

台湾最古の郵便ポストの脇にある記念スタンプのスペース

なお、平渓郵便局は通常よりも営業時間が短く、販売されている切手の種類も限られています。あらかじめ必要な切手類を用意してから現地へ行ったほうが無難でしょう。また、平渓にはローカル線の平渓線で行くのがわかりやすいのですが、本数が少ないのがネックです。旅慣れた方であれば、汐止駅などから路線バスを利用するのも一考に値します。


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