住まい部門「え、見ないで決めちゃうの?サイバー家探し」
不動産ビジネスのさまざまなシーンでITなどを活用し、効率化や価値創造を図るのが不動産テック。まず2014年頃から、360度写真で遠隔地から好きな時間に物件内部を閲覧できる「バーチャル内覧」が導入され始めた。それを皮切りに、オンライン接客型の賃貸仲介サービスなどが人気を呼びつつある。
昨年、話題となったのは、三菱地所ハウスネットが導入した「スマート内覧」。ネットで予約した客がスマートフォンの操作で開錠し、業者が立ち会うことなしに物件の内覧ができるため、客と業者の双方に利便性がある。
今年は10月から賃貸住宅の「IT重説」が解禁となり、これまで対面での実施が義務とされていた重要事項説明(重説)が、賃貸住宅に限り、タブレットなどの機器をオンラインでつないだテレビ会議の映像で行えるようになった。これに伴い、大京穴吹不動産や大東建託グループがこの「IT重説」を導入。さらに大京穴吹不動産では6月から「店舗間IT接客」システムも導入しており、遠隔地の不動産の売買・賃貸に関する相談などを、客の最寄りの店舗と不動産があるエリアの店舗の間で行うなどのケースに役立てるという。
ガイドの解説コメント
「これからの家族と住まい 」ガイド 大久保 恭子
不動産テックが進むに連れ、この業界でも注目を集めるのがAI。私がAIに期待するのは異次元の価値創造です。たとえば、その人の住生活に係る指向性を多面的に把握し、様々な住宅の中から最もふさわしいものをマッチングするサービス。思いがけない場所や家での暮らしが、想像を超えた広がりのある人生を導くでしょう。
また既にロシアの建設用3Dプリンター開発企業は、極寒の建設現場に3Dプリンターを持ち込んで、無人の全自動で1日とかからずコンクリート住宅建設に成功しました。将来、住まい選びだけでなく、家造りにおいても建材メーカーや工務店が姿を消す可能性は否定できません。