こうすると失敗する
かしめ工具でしめすぎた失敗例 |
結線の色を間違えないことは、いうまでもありませんが、かしめ工具で無理に締めすぎないことが大切です。
コネクタは、金属部分がメス側の端子に触れる必要があります。かしめ工具で締めすぎると端子が下に沈み過ぎてしまって、メス側に触れない端子が出てきてしまいます。写真はその失敗例です。特に左側の端子が下に沈みすぎています。これでは、正常な通信はできません。
かしめ工具によっては、扱いにある程度慣れないとうまくいかないこともありますので注意してくださいね。
相談者:
それは知りませんでした。注意してやってみますね。
ガイド:
軽く、グッと締めればそれでokなんです。難しい加減ですが、何度か挑戦してみてください。少なくとも、写真のように沈み具合が不揃いになるのは、まず失敗と思って間違いありません。どの程度沈めばよいかは、市販のLANケーブルをお手本にしてください。
相談者:
そのほかに何か注意することはありますか?
ガイド:
はい。あります。スプリットペアを作らないことです。経験の無い業者の方がスプリットペアで施工してしまい、あとから大騒ぎになるということが時々あります。新築などの際には工事に立ち会う位の気持ちが必要です。
相談者:
スプリットペアって何ですか?
ガイド:
LANケーブルは、1-2番及び3-6番の4芯を使って通信を行っています。このとき、よりのある心線の1ペアを1-2番へ、別の1ペアを3-6番の端子へ接続することで、1-2ペアおよび3-6ペア間で発生するノイズの干渉を防いでいます。
しかし、1-2-3-4-5-6-7-8に接続してある心線を、もう一方の1-2-3-4-5-6-7-8端子に接続すると、よりの効果が全くなくなってノイズの影響をまともに受けます。厄介なことに、ケーブル自体は接続されているので通信は可能ですが、エラーが頻繁に起こり、「100BASEなのに10BASEの速度しか出ない。」「何故か通信が切れる。」といったトラブルが頻繁に起こります。
このような誤配線を「スプリット・ペア」と呼びます。なお、ケーブルテスタは、導通を調べるだけですので、このスプリット・ペアを発見することはできません。
相談者:
今日は、どうもありがとうございました。
ガイド:
いいえ。どういたしまして。また、お会いしましょう。