疲労回復したいときは「胃腸も疲れている」と考えるべき

疲れて紙ごみの散乱する机に伏している人

疲れた時こそ栄養補給……と思っていませんか? 疲れた時は胃腸も疲れています。消化のよい食べ物を選んで心身ともに休息をとりましょう。

疲れを感じるときは、足りないエネルギーを肉などのがっつりしたもので補充しようと考えがち。しかし、疲れを感じているときは胃腸も疲れていることが多いもの。ストレスや疲労は胃の働きを悪くしてしまいます。こんな状態でがっつりした食事をとってしまうと、胃腸の疲れを助長してしまいます。疲労回復に効果的な食べ物だけでなく、疲れたときに避けるべき食べ物についても、正しい知識を持つようにしましょう。

疲れたときに控えた方がよい食べ物一覧

疲れを感じているときは、胃腸に負担をかけやすい以下のような食べ物は、なるべく避けた方がよいでしょう。

■塩辛い食べ物
疲れているときは塩辛いものが食べたくなる人も多いと思います。本当に体が塩分を欲しているのであればよいのですが、日本人の場合は味噌、しょうゆなど、食塩を使って味付けをした料理を好んで食べているため、通常の食事を食べていれば食塩の摂取量が少なすぎることはありません。胃腸に負担をかけやすいので、過度に食べてしまわないよう控えるようにしましょう。

■食物繊維の多い食べ物
体調のよいときには積極的に摂りたい食物繊維ですが、食物繊維を含む食材は物理的に硬いことが多く、よく噛んでから飲み込む必要があります。ところが疲れているときは、しっかりと噛むのも億劫なことが多く、十分に噛みくだく前に飲みこんでしまいがち。さらに胃腸に負担がかかってしまう原因になるので、もし料理に使用する場合は小さく切って料理する、やわらかくなるまで煮るなどの工夫をして食べましょう。

■脂肪分の多い食べ物
脂肪分の多い食べ物は、胃酸の分泌を低下させる働きがあります。また、胃の中に留まっている時間も長いため、胃の負担が大きくなります。「疲れているから焼肉でも……」と考える人もいると思いますが、焼肉は、疲労度MAXのときよりも体力が少し回復傾向になった頃がオススメです。強い疲れを感じる時期は、消化のよい食べ物を選びましょう。

■刺激の強い香辛料
トウガラシやわさびなどの香辛料は胃を刺激して胃酸の分泌を促します。胃酸は消化のために重要な働きをしていますが、多すぎると胃壁を消化してしまい胃潰瘍の原因になることも。疲れているときは、刺激の強い香辛料を多用していない料理を選びましょう。

■柑橘類・酸味の強い食べ物
酸味も胃酸の分泌を促進します。香辛料同様、疲れているときは控えたい食品です。夏みかん、レモンのような酸味の強い柑橘類、酢のもの、梅干などは食べすぎに注意しましょう。ただし、同じ体調不良でも、風邪気味のときはこれらに含まれるクエン酸が役立ちます。疲れているのか、風邪気味なのか、判断は難しいところですが、上手に判断できると回復が早いです。

■熱すぎる食べ物・冷たすぎる食べ物
極端に熱すぎたり、冷たすぎるものはそれだけで刺激になってしまいます。疲れているときはなるべく適温にしてから食べるようにしましょう。

疲れたときに控えた方がよい飲み物・嗜好品一覧

■コーヒー・紅茶・抹茶・栄養ドリンク等
コーヒーに含まれるカフェインは胃酸の分泌を促進します。そのため、食後のコーヒーが好まれます。しかし、胃が弱っているときは胃酸の分泌は必要最小限に抑えたいところ。もちろん眠気を覚ます効果もあるのでバランスを考えたいところですが、ほかにもカフェインを多く含むものとして、紅茶、抹茶、ココアなどがあります。栄養ドリンクにもカフェインが多く含まれているものがありますので、軽い眠気ではないひどい疲れを感じるようなときは注意した方がよいでしょう。

■アルコール
胃酸の分泌を増やし、胃の粘膜を荒らします。さらに、睡眠の質も低下してしまうため、翌朝まで疲れを持ち越してしまうことにもなります。他の食品は少しであればOKとも言えますが、お酒だけは絶対に禁忌。疲れているときに飲んでもよいことはありませんので、おすすめできません。体調のよいときに楽しむようにしましょう。

■炭酸飲料
胃酸の分泌を促進すると同時に、炭酸ガスが胃を膨らませるため潰瘍等を起こしやすくなります。シュワシュワした感覚が好きだという人も多いですが、疲れた時は控えるようにしましょう。

一時的に即効性の高い疲労回復手段は「甘いものを1かけ」

「疲れてはいるけれど、仕事の締切が迫っている。これだけは3時間以内に何とかしたい!」……働いていればそんなときもあるでしょう。このように、今、一瞬だけでよいから疲労感を何とかしてパワーが欲しいというようなときは、甘いものを1かけだけ食べるのがおすすめです。脳のエネルギー源は99%以上が糖質なので、消化の工程をショートカットできる砂糖がカンフル剤として適しています。詳しくは「甘くて美味しいものは健康に悪い?」で解説していますので、ぜひご覧ください。

しかしこの方法は、血糖値を急上昇させることで一瞬だけパワーを出す方法です。身体への負担は大きいので、あまり頻繁に使う手段ではない最終手段だと心得てください。

また、普段の食事でビタミンB1が不足している人の場合、この砂糖によるカンフル効果が薄くなってしまいます。日頃から栄養バランスのよい食事を心がけることが大切です。

疲労回復したいときは「消化のよい食べ物」を!

以上、今回は疲れたときに食べない方がよい食べ物について説明しました。

繰り返しになりますが、疲れた時のアルコールは疲労回復に逆効果なので避けた方がよいですが、他の食べ物・飲み物は薬と違って少量で大きな悪影響が出るということはありません。あくまでも適量を、体調を考えながら食べることが大切です。

そして、すばやく疲労回復したい方は、なるべく消化のよい食べ物を選んで食べ、早めに休息をとるのがベストでしょう。栄養学的に、詳しくは「管理栄養士が解説!疲労回復のための栄養学知識」で解説していますので、ぜひご覧ください。

また、疲れの原因や対処法などもあわせてチェックし、疲れにくい生活を心がけましょう。

■参考サイト
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