●アクセスポイント選択の基準(仕様編:11a or 11g) |
アクセスポイントを見てみると5GHz帯を利用した「IEEE802.11a」(以後11a)とか2GHz帯を利用した「IEEE802.11g」(以後11g)などという仕様が目に付きます。詳しく解説するととても長くなるので、結論から言いますと、次のような条件を満たしている場合は11aをお勧めします。
・室内での利用である(緩和される見込み)。
・従来からあるIEEE802.11bという低速(11Mbps)の仕様を併用しない。
・特に障害物が多い訳ではない(経験上多少あっても可)。
アクセスポイントは、11aと11gが併用できる仕様の製品や11aと11gを切り替えて利用する仕様の製品がありますが、初めて利用する場合は11aで設定を行うとトラブルが少ないでしょう。無線LANのトラブルでよくあるのが電波の干渉です。これは、近隣で同じ周波数帯の無線LANを利用していると、その電波とこちら側の電波が干渉してしまって、正常に通信ができなくなってしまう現象です。LAN掲示板でも数多くそのトラブルが報告されています。
11gの場合は、1~13チャンネルの周波数帯がありますが、各周波数帯に重なっている部分があるので、現実には1ch/6ch/11chの3つしか利用することができません。さらに、近隣の人が1ch/6ch/11chの何れかを利用しているとは限らないので、さらに選択肢が狭まる可能性があります。たとえば、近隣の人が4chを利用していれば1chも6chも干渉で利用できなくなってしまいます。
なお、余談ですが従来からあるIEEE802.11bという規格では、14chが利用できます。しかし、14chは日本独自の規格であるため、海外仕様の無線LANを装備した端末と接続できません。希に14chを利用したときに起こるトラブルがLAN掲示板で報告されますので、注意してください。
・11g利用周波数帯 概念図:●が利用周波数帯
○○●●●●●●○○○ 1ch
○○○●●●●●●○○ 2ch
○○○○●●●●●●○ 3ch
さらに、無線を利用しているAV家電や電子レンジおよび高周波治療器なども11gで利用している2.4GHz帯の電波を利用しますので、こちらでも電波の干渉の可能性があります。その点、11aは5.2GHz帯を利用しているために、一般の家電からの干渉はほとんど受けません。また、どのチャンネルも重複している部分がないので、すべてのチャンネルを利用することができます。
11a規格は、2005年5月16日の電波法改正により周波数再割当てが拡大され、新たに5.25~5.35GHz帯の4チャネルが利用できるようになりました。そのため現在の4チャンネルと合わせて8チャンネルを利用できます。ただし、これまでの日本の11aは、気象レーダーとの干渉を避ける目的で欧米と10MHzずらして4個のチャンネルを設定していました。ところが、今回の改正で11aの利用周波数帯が欧米などと同じ世界標準になるので、既存の11a対応機器が新製品と通信できなくなります。しかし、この問題はファームウエアの改編で解決されるので心配する必要はありません。
このほかに、アクセスポイントには数々の付加機能がありますが、日進月歩ですので、好みに合わせて選択すればよいでしょう。各メーカーが競って製品の差別化のために打ち出す機能は、無いと困るという必須機能ではありません。ただし、不正侵入などに対するセキュリティに関しては、高度な設定が自動でできる製品を選択した方がよいでしょう。
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