地震保険の値上がり、2019年1月の改定理由と新保険料
2017年1月に地震保険が値上げ改定されましたが、2019年1月に次の保険料改定(全国平均では値上げ)されることが決まりました。もともと2017年の値上げは、3段階ある改定の1回目でしたが、2019年1月にも地震保険が3段階改定の2回目の値上げ改定されます。地震保険の改定について、改定内容やその背景、都道府県別の保険料ついてお話しします。
<目次>
地震保険の改定の背景と2019年1月の値上げ改定の理由
地震保険の改定については、2015年9月30日の金融庁への届出で3段階に分けて改定することが決まっていました。もともとは2011年の東日本大震災の影響を踏まえたものです(熊本地震の前から決まっていたことです)。この届出では、全国平均で+19%値上げが必要でした。しかし火災保険、地震保険とも改定が続いていたことなどもあり、一気に全国平均で19%の値上げは影響も大きいことからこれを3段階に分けて改定することとなりました。
2019年1月、地震保険の主な改定内容と値上げ率の予定
具体的な都道府県別の保険料は別途記載しますが、2回目の値上げ改定についてまずは全体の改定内容・改定率を確認します。■地震保険の全国平均の保険料引上げ率(2019年1月)
- イ構造:+5.5% ロ構造:+2.2% 合計:+3.8%
■改定による最大引上げ率と最大引き下げ率
- 最大引上げ率 イ構造:+14.9% ロ構造:+14.7%
- 最大引下げ率 イ構造:-15.8% ロ構造:-14.5%
■地震保険の長期係数の見直し
この改定で保険料が値上げ改定される他に注目すべきは地震保険の長期係数も引き上げられることです。地震保険も火災保険と同じように長期契約にすると、保険料が割引になります。地震保険は最長5年契約ですから、長期契約は2~5年のいずれかになります。
今回3段階のうちの2回目の改定でのポイントの一つがこの長期係数の引上げです。どのくらい長期係数が変わるかというと以下のように変わります。
2019 年1月始期以降の地震保険の長期係数
地震保険の長期係数はどう変わる?
細かい端数計算までは正確ではなくなりますが、1年間の地震保険料×年数に応じた長期係数が長期契約の保険料だと考えてください。単純な地震保険料率だけでなく、長期係数も上がっているのは負担増です。
なお地震保険料率が下がる地域でも長期係数の方がアップするケースも想定されるので注意が必要です。
■地震保険の割引適用の書類拡大
地震保険の割引適用には所定の書類が必要ですが、対象となる書類が拡大されます。具体的には以下のようになります。
・免震建築物割引、耐震等級割引、耐震診断割引、建築年割引
損害保険会社から契約者に送られてくる満期案内の書類や契約内容確認のお知らせについて、更新前の契約・現在の契約にこれらの割引の適用が確認できれば提出資料として使えるようになります。
・建築年割引
公的機関以外が発行する確認資料は、宅地建物取引業者が発行する不動産売買契約書や賃貸住宅契約書、建築工事施工者が交付する工事完了引渡証明書(建物引渡証明書)も、必要な項目の確認ができれば提出資料にできます。
地震保険の都道府県別の新保険料(2019年1月以降始期予定)
それでは新地震保険料を都道府県別、構造別に個別にみていきましょう。なお地震保険には建築年割引(昭和56年6月以降に新築したものが対象)があります。築年数でいうと築36年までの物件は対象になります。すでにかなりの数の対象物件があるので割引なしと10%割引きした地震保険料を新旧で掲載します。
■契約金額1,000万円あたりの保険料(掛金) イ構造(主に非木造)・ロ構造(主に木造)
<割引なし> <10%割引>
地震保険料の3段階中2回目の改定に向けて考えること、すること
2019年1月に改定が決まりましたので、値上げとなる地域・物件は2018年12月末がこの改定に対応する期限です。2018年12月31日は月曜日です。事実上12月28日(金)で終わりですので、早めに手続きしてください。なおこの3段階の改定の前に地震保険が改定されたのは、2014年7月です。このとき地震保険を5年で契約した人は、2019年6月に満期になりますから注意してください。2019年の値上げの半年後に満期となる人は多いはずです。
一部保険料が値下がりする地域の人は、保険期間を短く改定後の安い保険料で手続きするように見直ししてください。今後は3回目の改定の動向(2回目の改定実施後に詳細が判明する)にアンテナを立てながら地震保険のプランを考えていきましょう。
その際3段階3回目の改定もその後に控えていることも考えておいてください。
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