地価LOOKレポートの最新版についてはこちら
住宅地の地価動向/2017年7-9月期 地価LOOKレポート



2016年に続いたマイナス金利状態は終わり、日経平均株価は1年半ぶりに2万円台を回復。金融緩和やインバウンド消費・宿泊需要、公共事業投資などを背景に商業地での地価上昇傾向が続いているようです。

しかし、東京都では住宅地での伸びが止まり、商業地でも一部で上昇幅の縮小がみられるなど、地価上昇傾向が強まっているわけではありません。

国土交通省から「地価LOOKレポート」の第38回分(2017年第1四半期の動向)が発表されましたので、住宅地を中心にその動きを確認しておくことにしましょう。



地価上昇傾向は続くもののの、その勢いはスピードダウン!?

都心に近い住宅地

全国的に上昇傾向が続くなかで、東京都の住宅地は特異な動きに

地価LOOKレポートは「先行的な地価動向を明らかにすること」を目的として国土交通省が3か月ごとに発表しているもので、2007年第4四半期分から始まり今回が38回目です。

調査対象の100地区のうち、上昇が前回から1地区増えて85地区、横ばいが前回から1地区減って15地区となっています。下落は11回(2年9か月)連続でゼロでした。

名古屋圏は16回(4年)連続ですべての地区が上昇、大阪圏は17回連続で下落地区がゼロ、東京圏および地方圏は11回連続で下落地区がゼロでしたが、上昇傾向が強まっているわけではなく、「6%以上」の上昇地区も前回に続いてゼロとなっています。

「上昇幅の縮小、上昇から横ばいへ」などマイナス方向への推移地区は、前々回10地区、前回3地区、今回2地区と次第に落ち着いた動きになっていますが、今回の2地区はいずれも東京都心の商業系地区です。

住宅系地区では1年前から「東京都内だけ」でのスピードダウンが表れていますが、今回はそれが商業系地区にも広がった印象で、この傾向が続くのかどうか注目されるでしょう。

なお、地価LOOKレポートにおける調査対象のうち、住宅系地区は32(東京圏14地区、大阪圏10地区、名古屋圏3地区、地方圏5地区)です。


 【地価LOOKレポート】 (国土交通省サイト内へのリンク)

第35回 2016年第2四半期
(2016年4月1日~2016年7月1日)

第36回 2016年第3四半期
(2016年7月1日~2016年10月1日)

第37回 2016年第4四半期
(2016年10月1日~2017年1月1日)

第38回 2017年第1四半期
(2017年1月1日~2017年4月1日)

地価LOOKレポートには地価動向(総合評価)のほか、取引価格、取引利回り、取引件数、投資用不動産の供給、オフィス賃料、店舗賃料、マンション分譲価格、マンション賃料の動向(それぞれ3区分)が記載されています。


地価LOOKレポートでは地価やその変動率について具体的な数値を示すのではなく、6%以上の上昇、3%以上6%未満の上昇、0%超~3%未満の上昇、横ばい(0%)、0%超~3%未満の下落、3%以上6%未満の下落、6%以上9%未満の下落、9%以上12%未満の下落、12%以上の下落の9段階に分類されています。


住宅系地区は東京都だけが異なる地価動向に

住宅系地区では上昇が22地区(うち1地区は3%以上6%未満の上昇)、横ばいが10地区で、いずれも前回と同じでした。

住宅系地区の変動 (地区数の全国計)

区 分
第34回
第35回
第36回
第37回
第38回

上昇 (6%~)
0
0
0
0
0

上昇 (3%~6%)
2
1
1
1
1

上昇 (0%~3%)
26
28
22
21
21

横ばい (0%)
4
3
9
10
10

下落 (0%~-3%)
0
0
0
0
0

下落 (-3%~-6%)
0
0
0
0
0

下落 (-6%~-9%)
0
0
0
0
0

下落 (-9%~-12%)
0
0
0
0
0

下落 (-12%~)
0
0
0
0
0

合  計
32
32
32
32
32

住宅系地区では札幌市中央区(宮の森)が6回連続して「3%以上6%未満」の上昇となり、上昇は22回連続となっています。また、兵庫県芦屋市(JR芦屋駅周辺)は26回連続の上昇でした。

西日本では京都市左京区(下鴨)で横ばいが続いているものの、それ以外はすべて上昇が続いています。それに対して今回、横ばいだった10地区のうち8地区を東京都内が占め、7地区は3回連続の横ばいです。

東京都内の住宅系地区における上昇は江東区(有明)の1地区だけにとどまり、「東京都とそれ以外」で対照的な動きが続いているといえるでしょう。


商業系地区は上昇割合が過去最高に

商業系地区では上昇が63地区(前回62地区)、横ばいが5地区(前回6地区)となり、上昇地区の割合は92.6%で地価LOOKレポートが始まってから過去最高を更新しました。

しかし、前回から「6%以上」の上昇地区がなくなり、今回は「3%以上6%未満」の上昇地区が減るなど、必ずしも上昇傾向が強まっているわけではありません。

名古屋市中村区(太閤口)が9回連続、名古屋市中村区(名駅駅前)、大阪市中央区(心斎橋)、福岡市博多区(博多駅周辺)の3地区が8回連続、大阪市中央区(なんば)が7回連続、札幌市中央区(駅前通)、東京都新宿区(新宿三丁目)、金沢市(金沢駅周辺)の3地区が6回連続で「3%以上」(3%以上6%未満、または6%以上)の上昇となっています。

商業系地区の変動 (地区数の全国計)
 
区 分
第34回
第35回
第36回
第37回
第38回

上昇 (6%~)
2
3
2
0
0

上昇 (3%~6%)
14
10
9
11
9

上昇 (0%~3%)
45
46
48
51
54

横ばい (0%)
6
9
9
6
5

下落 (0%~-3%)
0
0
0
0
0

下落 (-3%~-6%)
0
0
0
0
0

下落 (-6%~-9%)
0
0
0
0
0

下落 (-9%~-12%)
0
0
0
0
0

下落 (-12%~)
0
0
0
0
0

合  計
67
68
68
68
68



住宅系地区における過去1年間の地価動向を一覧にして、次ページにまとめてありますので、これまでの変化を知るための参考にしてください。


住宅系地区の地価動向推移…次ページへ