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住宅地の地価動向/2017年7-9月期 地価LOOKレポート



1年前には誰も考えていなかったようなアメリカ大統領選挙の結果になり、それからの日本は株高・円安の「トランプ相場」が続いています。

これが地価にどのような影響を及ぼすのかはまだ分かりませんが、株高が始まる前には東京を中心に一部で地価上昇傾向のスピードダウンもみられるようになっていました。

国土交通省から「地価LOOKレポート」の第36回分(平成28年第3四半期)が発表されましたので、住宅地を中心にその動きを確認しておくことにしましょう。



東京圏での地価上昇傾向に陰り!?

湾岸エリアのマンション群

マンション価格の高止まりが地価上昇傾向に歯止め?

地価LOOKレポートとは、「先行的な地価動向を明らかにすること」を目的として国土交通省が3か月ごとに発表をしているもので、平成19年第4四半期分から始まり今回が36回目です。

調査対象の100地区のうち、上昇が前回から6地区減って82地区、横ばいが前回から6地区増えて18地区でした。下落は9回(2年3か月)連続でゼロとなっています。

名古屋圏は14回連続ですべての地区が上昇、大阪圏は15回連続で下落地区がゼロ、東京圏および地方圏は9回連続で下落地区がゼロでした。

その一方で、「6%以上」の上昇が前回より1地区減って2地区、「3%以上6%未満」の上昇が前回より1地区減って10地区、「3%未満」の上昇も4地区減って70地区となっています。

前回は「上昇幅の縮小、上昇から横ばいへ」などマイナス方向への推移地区が7地区となり、そのすべてが東京圏(商業系6地区、住宅系1地区)でしたが、今回はマイナス方向への推移地区が10地区(商業系3地区、住宅系7地区)に拡大し、とくに住宅系はすべてが東京都でした。

大阪圏では商業系のすべての地区、名古屋圏では商業系および住宅系のすべての地区が前回と同じ動向になっており、東京圏とは対照的な動きだといえるでしょう。

なお、地価LOOKレポートにおける調査対象のうち、住宅系地区は32(東京圏14地区、大阪圏10地区、名古屋圏3地区、地方圏5地区)です。


 【地価LOOKレポート】 (国土交通省サイト内へのリンク)

第33回 平成27年第4四半期
(平成27年10月1日~平成28年1月1日)

第34回 平成28年第1四半期
(平成28年1月1日~平成28年4月1日)

第35回 平成28年第2四半期
(平成28年4月1日~平成28年7月1日)

第36回 平成28年第3四半期
(平成28年7月1日~平成28年10月1日)

地価LOOKレポートには地価動向(総合評価)のほか、取引価格、取引利回り、取引件数、投資用不動産の供給、オフィス賃料、店舗賃料、マンション分譲価格、マンション賃料の動向(それぞれ3区分)が記載されています。


地価LOOKレポートでは地価やその変動率について具体的な数値を示すのではなく、6%以上の上昇、3%以上6%未満の上昇、0%超~3%未満の上昇、横ばい(0%)、0%超~3%未満の下落、3%以上6%未満の下落、6%以上9%未満の下落、9%以上12%未満の下落、12%以上の下落の9段階に分類されています。


住宅系地区では「新浦安」が約9年ぶりに上昇へ

住宅系地区では上昇が23地区(うち1地区は3%以上6%未満の上昇)、横ばいが9地区でした。前回と比べ6地区が「3%未満の上昇」から横ばいへ移行しています。

住宅系地区の変動 (地区数の全国計)

区 分
第32回
第33回
第34回
第35回
第36回

上昇 (6%~)
0
0
0
0
0

上昇 (3%~6%)
1
2
2
1
1

上昇 (0%~3%)
25
25
26
28
22

横ばい (0%)
6
5
4
3
9

下落 (0%~-3%)
0
0
0
0
0

下落 (-3%~-6%)
0
0
0
0
0

下落 (-6%~-9%)
0
0
0
0
0

下落 (-9%~-12%)
0
0
0
0
0

下落 (-12%~)
0
0
0
0
0

合  計
32
32
32
32
32

住宅系地区では札幌市中央区(宮の森)が4回連続して「3%以上6%未満」の上昇となった一方で、前々回まで4回連続で「3%以上6%未満」の上昇だった千代田区(番町)は前回「3%未満」の上昇、今回はさらに「横ばい」となり、半年間で急減速したといえるでしょう。

また、札幌市中央区(宮の森)は20回連続の上昇、兵庫県芦屋市(JR芦屋駅周辺)は24回連続の上昇で、それぞれ5~6年にわたり上昇が続いています。それに対して、前回まで19回連続で上昇していた東京都江東区(豊洲)は今回、5年ぶりに上昇が止まりました。

千葉県と京都市のそれぞれ1地区は引き続き横ばいでしたが、平成20年から下落が続き、さらに東日本大震災による影響を受けていた千葉県浦安市(新浦安)は、第1回調査(平成19年第4四半期)以来、約9年ぶりに上昇(3%未満)に転じています。

前回は商業系地区で減速が目立ち、住宅系地区は比較的安定した地価動向をみせていましたが、今回は一転して住宅系地区で減速感が際立つ結果となりました。11月からの株高・円安傾向を受けて次回はどうなるのか、注視が必要でしょう。

なお、住宅系地区における上昇地区の割合は過去最高を記録した前回から一転し、平成25年第2四半期以来の低い水準となっています。


商業系地区は前回の上昇鈍化がストップ!?

商業系地区では上昇が59地区、横ばいが9地区で、いずれも前回と同じ結果でした。前回は東京圏で地価上昇の鈍化傾向が目立っていましたが、それが続くことはなく、今回は比較的安定した動きになったといえるでしょう。

ただし、「6%以上」の上昇が前回から1地区減って2地区に、「3%以上6%未満」の上昇が1地区減って9地区になり、そのぶん「3%未満」の上昇が2地区増えています。

名古屋市中村区(太閤口)は6回連続で、大阪市中央区(なんば)は3回連続で「6%以上」の上昇となりました。その一方で、前回は「6%以上」の上昇だった東京都中央区(銀座中央)が、今回は「3%以上6%未満」の上昇にとどまりました。

また、名古屋市中村区(名駅駅前)、大阪市中央区(心斎橋)、福岡市博多区(博多駅周辺)の3地区が6回連続で、札幌市中央区(駅前通)、東京都新宿区(新宿三丁目)、金沢市(金沢駅周辺)の3地区が4回連続で「3%以上6%未満」の上昇となっています。

上昇幅が縮小したのは東京都中央区(銀座中央)のほか、京都市下京区(京都駅周辺)、神戸市中央区(三宮駅前)で、前回のように横ばいへ転じた地区はありませんでした。


商業系地区の変動 (地区数の全国計)
 
区 分
第32回
第33回
第34回
第35回
第36回

上昇 (6%~)
1
1
2
3
2

上昇 (3%~6%)
7
13
14
10
9

上昇 (0%~3%)
53
48
45
46
48

横ばい (0%)
7
6
6
9
9

下落 (0%~-3%)
0
0
0
0
0

下落 (-3%~-6%)
0
0
0
0
0

下落 (-6%~-9%)
0
0
0
0
0

下落 (-9%~-12%)
0
0
0
0
0

下落 (-12%~)
0
0
0
0
0

合  計
68
68
67
68
68



住宅系地区における過去1年間の地価動向を一覧にして、次ページにまとめてありますので、これまでの変化を知るための参考にしてください。


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