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住宅地の地価動向/2017年7-9月期 地価LOOKレポート



2015年8月下旬に暴落した後、しばらく不安定な動きをみせていた株価もこのところ落ち着きを取り戻し、再び2万円台をうかがう水準となっています。その一方で、国内総生産(GDP)は4~6月期と7~9月期が続けてマイナス成長となるなど、日本経済は足踏み状態からなかなか脱することができていません。

しかし、先行きが不透明な経済とは対照的に、都市部の地価は緩やかな長期上昇傾向が続いているようです。

国土交通省から「地価LOOKレポート」の第32回分(平成27年第3四半期)が発表されましたので、住宅地を中心にその動きを確認しておくことにしましょう。



約9割の地区で上昇が続く

虎ノ門ヒルズ

東京・虎ノ門エリアは上昇幅が拡大した

地価LOOKレポートとは、「先行的な地価動向を明らかにすること」を目的として国土交通省が3か月ごとに発表をしているもので、平成19年第4四半期分から始まり今回が32回目です。

調査対象は従来150地区(第5回~第29回)でしたが、前々回(第30回)から100地区に縮減されています。

このうち上昇が87地区、横ばいが13地区で、いずれも上昇地区の割合が過去最高だった前回と同じになっています。名古屋圏は10回連続ですべての地区が上昇、大阪圏は11回連続で下落地区がゼロ、東京圏および地方圏は5回連続で下落地区がゼロでした。

また、前回は4年半ぶりに「6%以上」の上昇地区が表れ、「3%以上6%未満」の上昇地区の割合も7年3か月ぶりの高い水準となっていましたが、今回は商業系地区で「3%以上6%未満」の上昇地区が増え、都市部における地価上昇傾向がやや強まっているようです。

さらに、前回は「上昇幅の縮小、上昇から横ばいへ」などマイナス方向へ推移する地区が初めてゼロになりましたが、今回も引き続きマイナス方向への推移はありませんでした。

なお、地価LOOKレポートにおける調査対象のうち、住宅系地区は32(東京圏14地区、大阪圏10地区、名古屋圏3地区、地方圏5地区)です。


 【地価LOOKレポート】 (国土交通省サイト内へのリンク)

第29回 平成26年第4四半期
(平成26年10月1日~平成27年1月1日)

第30回 平成27年第1四半期
(平成27年1月1日~平成27年4月1日)

第31回 平成27年第2四半期
(平成27年4月1日~平成27年7月1日)

第32回 平成27年第3四半期
(平成27年7月1日~平成27年10月1日)

地価LOOKレポートには地価動向(総合評価)のほか、取引価格、取引利回り、取引件数、投資用不動産の供給、オフィス賃料、店舗賃料、マンション分譲価格、マンション賃料の動向(それぞれ3区分)が記載されています。


地価LOOKレポートでは地価やその変動率について具体的な数値を示すのではなく、6%以上の上昇、3%以上6%未満の上昇、0%超~3%未満の上昇、横ばい(0%)、0%超~3%未満の下落、3%以上6%未満の下落、6%以上9%未満の下落、9%以上12%未満の下落、12%以上の下落の9段階に分類されています。


住宅系地区は前回とまったく同じ上昇傾向に

住宅系地区では上昇が26地区(うち1地区は3%以上6%未満の上昇)、横ばいが6地区でいずれも前回とまったく同じになっています。

住宅系地区の変動 (地区数の全国計)

区 分
第28回
第29回
第30回
第31回
第32回

上昇 (6%~)
0
0
0
0
0

上昇 (3%~6%)
0
1
0
1
1

上昇 (0%~3%)
35
34
26
25
25

横ばい (0%)
9
9
6
6
6

下落 (0%~-3%)
0
0
0
0
0

下落 (-3%~-6%)
0
0
0
0
0

下落 (-6%~-9%)
0
0
0
0
0

下落 (-9%~-12%)
0
0
0
0
0

下落 (-12%~)
0
0
0
0
0

合  計
44
44
32
32
32

住宅系地区では前回、千代田区(番町)が「3%以上6%未満」の上昇となり、約5年ぶりに東京23区内で「3%以上6%未満」の上昇を記録しましたが、今回も同じ結果となっています。

また、札幌市中央区(宮の森)および東京都江東区(豊洲)が16回(4年間)連続の上昇、兵庫県芦屋市(JR芦屋駅周辺)が20回(5年間)連続の上昇となりました。

その一方で、千葉県の2地区、滋賀県および京都市の4地区は、引き続き横ばいでした。大半の地区で1年~2年以上にわたり、上昇地区はずっと上昇、横ばい地区はずっと横ばいという傾向が続いています。調査対象外の地区では、ずっと地価下落が続いているところもあるでしょう。

地価の上昇傾向が全国への広がりをみせない点では、過去の土地バブルと異なる動きだといえるかもしれません。


商業系地区は「3%以上6%未満」の上昇地区が増加

オフィス市況の回復基調、マンション用地需要、訪日客の増加によるホテル需要の高まり、大規模な再開発などを背景に、商業系地区では地価の上昇傾向が進んでいるようです。

上昇は前回と同じく61地区、横ばいも前回と同じく7地区でしたが、「3%以上6%未満」の上昇が前回の5地区から7地区に増えています。下落は5回続けてゼロでした。

名古屋市中村区(太閤口)が前回に引き続き「6%以上」の上昇だったほか、東京都港区(虎ノ門)および大阪市中央区(なんば)が新たに「3%以上6%未満」の上昇となっています。

また、東京都中央区(銀座中央)が3回連続、東京都渋谷区(表参道)、名古屋市中村区(名駅駅前)、大阪市中央区(心斎橋)、福岡市博多区(博多駅周辺)の4地区が2回連続して「3%以上6%未満」の上昇でした。

商業系地区の変動 (地区数の全国計)

区 分
第28回
第29回
第30回
第31回
第32回

上昇 (6%~)
0
0
0
1
1

上昇 (3%~6%)
2
1
2
5
7

上昇 (0%~3%)
87
89
56
55
53

横ばい (0%)
17
16
10
7
7

下落 (0%~-3%)
0
0
0
0
0

下落 (-3%~-6%)
0
0
0
0
0

下落 (-6%~-9%)
0
0
0
0
0

下落 (-9%~-12%)
0
0
0
0
0

下落 (-12%~)
0
0
0
0
0

合  計
106
106
68
68
68



住宅系地区における過去1年間の地価動向を一覧にして、次ページにまとめてありますので、これまでの変化を知るための参考にしてください。


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