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住宅地の地価動向/2017年1-3月期 地価LOOKレポート



総務省の家計調査(速報)では7月の消費支出が前年より減少し、実質消費は2014年4月の消費税率引き上げ前を下回ったままの水準が続くなど、家計は依然として厳しい状態です。また、中国経済の影響などもあり株価はこのところ大荒れの動きを示しています。

景気回復の足取りはまだ着実なものとなっていないでしょうが、それとは裏腹に国内の地価は大都市を中心にジワジワと上がり続けているようです。

国土交通省から「地価LOOKレポート」の第31回分(平成27年第2四半期)が発表されましたので、住宅地を中心にその動きを確認しておくことにしましょう。



上昇地区が全体の約9割に

渋谷駅周辺の再開発工事

都心部の再開発工事が活発になっている

地価LOOKレポートとは、「先行的な地価動向を明らかにすること」を目的として国土交通省が3か月ごとに発表をしているもので、平成19年第4四半期分から始まり今回が31回目です。

調査対象は従来150地区(第5回~第29回)でしたが、前回から100地区に縮減されています。

このうち上昇が87地区(前回84地区)に達し、上昇地区の割合ではリーマン・ショック前の第1回調査と並んで過去最高となっています。横ばいは13地区(前回16地区)でした。名古屋圏は9回連続ですべての地区が上昇、大阪圏は10回連続で下落地区がゼロ、東京圏および地方圏は4回連続で下落地区がゼロとなりました。

また、今回は商業系地区で4年半ぶりに「6%以上」の上昇地区が表れたほか、「3%以上6%未満の上昇」が住宅系1地区、商業系5地区となっています。この割合も第2回以来、7年3か月ぶりの高い水準であり、都市部における地価上昇傾向が強まっているといえるでしょう。

さらに、これまでは地価回復期でも「上昇幅の縮小、上昇から横ばいへ」など、マイナス方向へ推移する地区がいくつかあったのですが、今回は初めて全地区で「マイナス方向への推移」がゼロとなっています。

なお、地価LOOKレポートにおける調査対象のうち、住宅系地区は32(東京圏14地区、大阪圏10地区、名古屋圏3地区、地方圏5地区)です。


 【地価LOOKレポート】 (国土交通省サイト内へのリンク)

第28回 平成26年第3四半期
(平成26年7月1日~平成26年10月1日)

第29回 平成26年第4四半期
(平成26年10月1日~平成27年1月1日)

第30回 平成27年第1四半期
(平成27年1月1日~平成27年4月1日)

第31回 平成27年第2四半期
(平成27年4月1日~平成27年7月1日)

地価LOOKレポートには地価動向(総合評価)のほか、取引価格、取引利回り、取引件数、投資用不動産の供給、オフィス賃料、店舗賃料、マンション分譲価格、マンション賃料の動向(それぞれ3区分)が記載されています。


地価LOOKレポートでは地価やその変動率について具体的な数値を示すのではなく、6%以上の上昇、3%以上6%未満の上昇、0%超~3%未満の上昇、横ばい(0%)、0%超~3%未満の下落、3%以上6%未満の下落、6%以上9%未満の下落、9%以上12%未満の下落、12%以上の下落の9段階に分類されています。


住宅系地区は前回と同じ上昇傾向が続く

住宅系地区では上昇が26地区、横ばいが6地区でいずれも前回と同じですが、今回は3%を超える上昇地区が表れています。

住宅系地区の変動 (地区数の全国計)

区 分
第27回
第28回
第29回
第30回
第31回

上昇 (6%~)
0
0
0
0
0

上昇 (3%~6%)
0
0
1
0
1

上昇 (0%~3%)
33
35
34
26
25

横ばい (0%)
11
9
9
6
6

下落 (0%~-3%)
0
0
0
0
0

下落 (-3%~-6%)
0
0
0
0
0

下落 (-6%~-9%)
0
0
0
0
0

下落 (-9%~-12%)
0
0
0
0
0

下落 (-12%~)
0
0
0
0
0

合  計
44
44
44
32
32

住宅系地区では前々回の福岡市中央区(大濠)に続き、今回は東京都千代田区(番町)が「3%以上6%未満」の上昇となりました。東京23区内での「3%以上6%未満」の上昇は、約5年ぶりのことです。それ以外の地区はすべて前回と同じ区分でした。

札幌市中央区(宮の森)および東京都江東区(豊洲)が15回連続の上昇、兵庫県芦屋市(JR芦屋駅周辺)が19回連続の上昇となったほか、2年以上にわたって上昇が続いている地区は少なくありません。

その一方で、千葉県の2地区、滋賀県および京都市の4地区は、引き続き横ばいです。これらの地区では、それぞれ1年~2年以上にわたって横ばいが続いており、他の地区とは大きく異なる傾向だといえるでしょう。


商業系地区は上昇傾向が強まる

旺盛な不動産投資需要、マンション用地需要などを背景に、商業系地区では地価の上昇傾向が強まっているようです。

上昇が前回の58地区から61地区に増え、横ばいは7地区(前回10地区)となりました。このうち「6%以上」の上昇が1地区(前回ゼロ)、「3%以上6%未満」の上昇が5地区(前回2地区)です。下落は4回続けてゼロでした。

「6%以上」の上昇となったのは名古屋市中村区(太閤口)で、これまでは整備が遅れ割安な地価だった名古屋駅の西側エリアにおいて、リニア中央新幹線の着工に伴い再開発へ向けた期待が高まっているようです。

東京都中央区(銀座中央)が2回連続で「3%以上6%未満」の上昇となったほか、東京都渋谷区(表参道)、名古屋市中村区(名駅駅前)、大阪市中央区(心斎橋)、福岡市博多区(博多駅周辺)の4地区が新たに「3%以上6%未満」の上昇となりました。

また、千葉市の千葉駅前および海浜幕張は横ばいから「3%未満」の上昇に転じており、横ばいが続く千葉県内の住宅系地区(新浦安、柏の葉)から一足先に抜け出した感もあります。

商業系地区の変動 (地区数の全国計)

区 分
第27回
第28回
第29回
第30回
第31回

上昇 (6%~)
0
0
0
0
1

上昇 (3%~6%)
2
2
1
2
5

上昇 (0%~3%)
85
87
89
56
55

横ばい (0%)
17
17
16
10
7

下落 (0%~-3%)
2
0
0
0
0

下落 (-3%~-6%)
0
0
0
0
0

下落 (-6%~-9%)
0
0
0
0
0

下落 (-9%~-12%)
0
0
0
0
0

下落 (-12%~)
0
0
0
0
0

合  計
106
106
106
68
68



住宅系地区における過去1年間の地価動向を一覧にして、次ページにまとめてありますので、これまでの変化を知るための参考にしてください。


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