地価LOOKレポートの最新版についてはこちら
住宅地の地価動向/2017年7-9月期 地価LOOKレポート



2016年が明けてから株安、円高の傾向が強まり、国内経済が変調をきたしています。2月16日からは日銀が「マイナス金利」を導入し、その成否もこれから注目されるところですが……。

しかし、経済の見通しがはっきりしないなかでも都市部の地価上昇は続いており、それが加速しそうな気配もあるようです。

国土交通省から「地価LOOKレポート」の第33回分(平成27年第4四半期)が発表されましたので、住宅地を中心にその動きを確認しておくことにしましょう。



地価の上昇傾向が強まる

東京都心のビル街

大都市圏の地価上昇が加速した?

地価LOOKレポートとは、「先行的な地価動向を明らかにすること」を目的として国土交通省が3か月ごとに発表をしているもので、平成19年第4四半期分から始まり今回が33回目です。

調査対象の100地区のうち上昇が89地区(前回は87地区)、横ばいが11地区(前回は13地区)で、上昇地区の割合は過去最高を更新しました。

名古屋圏は11回連続ですべての地区が上昇、大阪圏は12回連続で下落地区がゼロ、東京圏および地方圏は6回連続で下落地区がゼロとなっています。

また、「6%以上」の上昇地区が3回連続で表れたほか、「3%以上6%未満」の上昇が前回の8地区から15地区へほぼ倍増し、とくに大都市における商業地の地価上昇傾向が強まっています。

さらに、「上昇幅の縮小、上昇から横ばいへ」などマイナス方向への推移地区は3回連続でゼロでした。これは前々回に初めて記録した後に続いているものであり、少なくとも「地価LOOKレポート」の調査対象となる都市部では、地価安定~上昇傾向が定着したといえるでしょう。

なお、地価LOOKレポートにおける調査対象のうち、住宅系地区は32(東京圏14地区、大阪圏10地区、名古屋圏3地区、地方圏5地区)です。


 【地価LOOKレポート】 (国土交通省サイト内へのリンク)

第30回 平成27年第1四半期
(平成27年1月1日~平成27年4月1日)

第31回 平成27年第2四半期
(平成27年4月1日~平成27年7月1日)

第32回 平成27年第3四半期
(平成27年7月1日~平成27年10月1日)

第33回 平成27年第4四半期
(平成27年10月1日~平成28年1月1日)

地価LOOKレポートには地価動向(総合評価)のほか、取引価格、取引利回り、取引件数、投資用不動産の供給、オフィス賃料、店舗賃料、マンション分譲価格、マンション賃料の動向(それぞれ3区分)が記載されています。


地価LOOKレポートでは地価やその変動率について具体的な数値を示すのではなく、6%以上の上昇、3%以上6%未満の上昇、0%超~3%未満の上昇、横ばい(0%)、0%超~3%未満の下落、3%以上6%未満の下落、6%以上9%未満の下落、9%以上12%未満の下落、12%以上の下落の9段階に分類されています。


住宅系地区は3%以上の上昇が2地区に

住宅系地区では上昇が27地区(うち2地区は3%以上6%未満の上昇)、横ばいが5地区でした。前回に比べ、上昇が1地区増え、横ばいが1地区減っています。

住宅系地区の変動 (地区数の全国計)

区 分
第29回
第30回
第31回
第32回
第33回

上昇 (6%~)
0
0
0
0
0

上昇 (3%~6%)
1
0
1
1
2

上昇 (0%~3%)
34
26
25
25
25

横ばい (0%)
9
6
6
6
5

下落 (0%~-3%)
0
0
0
0
0

下落 (-3%~-6%)
0
0
0
0
0

下落 (-6%~-9%)
0
0
0
0
0

下落 (-9%~-12%)
0
0
0
0
0

下落 (-12%~)
0
0
0
0
0

合  計
44
32
32
32
32

住宅系地区では千代田区(番町)が3回連続、札幌市中央区(宮の森)が今回から「3%以上6%未満」の上昇となりました。3%以上の上昇地区が複数になったのは、第1回調査以来8年ぶりのことです。

また、札幌市中央区(宮の森)および東京都江東区(豊洲)は17回(4年超)連続の上昇、兵庫県芦屋市(JR芦屋駅周辺)は21回(5年超)連続の上昇となっています。上昇スピードは緩やかなものの、それが継続することで住宅市場への影響も大きくなっているでしょう。

その一方で、千葉県の2地区、滋賀県および京都市の3地区は、引き続き横ばいでした。ただし、京都市中京区(二条)は第27回以来1年半ぶりに「3%未満」の上昇となっています。

前回と前々回はまったく同じ結果でしたが、今回は札幌と京都でプラス方向への変化が生じています。今後の経済動向によっては、さらに地価の動きが大きくなる局面があるかもしれません。


商業系地区は「3%以上6%未満」の上昇地区がほぼ倍増

2020年の東京五輪に向けた需要の高まりだけでなく、大都市では全般的に不動産市況が回復しつつあり、商業系地区における地価の上昇傾向は加速しているようです。

上昇は62地区(前回は61地区)、横ばいは6地区(前回は7地区)で、「3%以上6%未満」の上昇が前回の7地区から13地区へと、ほぼ倍増しています。名古屋市中村区(太閤口)は3回連続で「6%以上」の上昇でした。

また、東京都中央区(銀座中央)が4回連続、東京都渋谷区(表参道)、名古屋市中村区(名駅駅前)、大阪市中央区(心斎橋)、福岡市博多区(博多駅周辺)が3回連続、東京都港区(虎ノ門)、大阪市中央区(なんば)が2回連続で「3%以上6%未満」の上昇となっています。

また、札幌市中央区(駅前通)、東京都新宿区(新宿三丁目)、東京都台東区(上野)、金沢市(金沢駅周辺)、京都市下京区(京都駅周辺)、神戸市中央区(三宮駅前)の6地区が、新たに「3%以上6%未満」の上昇となりました。

商業系地区の変動 (地区数の全国計)

区 分
第29回
第30回
第31回
第32回
第33回

上昇 (6%~)
0
0
1
1
1

上昇 (3%~6%)
1
2
5
7
13

上昇 (0%~3%)
89
56
55
53
48

横ばい (0%)
16
10
7
7
6

下落 (0%~-3%)
0
0
0
0
0

下落 (-3%~-6%)
0
0
0
0
0

下落 (-6%~-9%)
0
0
0
0
0

下落 (-9%~-12%)
0
0
0
0
0

下落 (-12%~)
0
0
0
0
0

合  計
106
68
68
68
68



住宅系地区における過去1年間の地価動向を一覧にして、次ページにまとめてありますので、これまでの変化を知るための参考にしてください。


住宅系地区の地価動向推移…次ページへ