人口の自然減は10年連続!
毎年4月、前年の10月時点の人口推計の数値が公表されます。今年も4月上旬に、2016年10月時点の数値が発表されました。外国人を含めた総人口は1億2693万3000人で、1年前と比べて16万2000人減でした。総人口の減少は6年連続です。一方、1年間の死亡者数(約130万人)から出生数(約100万4000人)を差し引いた「自然減」は29万6000人で、こちらは10年連続でした。今後も、生まれる子どもの数は減り、高齢者は増え――の少子高齢化の傾向は続く模様です。
人口減や少子高齢化は、「生産年齢人口の減少」という社会問題をもたらします。生産年齢人口とは、国内の生産活動を中心になって支える15歳~64歳の人口のこと。つまり、経済活動と社会保障を支えている人たちということですね。この人口も、1年前に比べて72万人減り、7656万2000人になりました。総人口に占める割合は約60%です。
高齢者になっても支え手でもあり続けよう
現在の出生数と死亡者数の傾向が続くと、当然のことながら、生産年齢人口も減っていきます。50年後には、総人口に占める割合は40%に減ると予測されています。経済活動に参加できるのは10人のうち4人という状況は、どんな世界でしょうか?おそらく、正常な経済活動はできないのでは?そこで、国は「1億総活躍」のスローガンを掲げ、高齢者と女性にも働いてもらい、社会保障の支え手に回ってもらうためのさまざまな政策をとっています。
ですから、これから、この国で老いていく者には「引退」は許されないと思った方がよさそうです。現在は、65歳・70歳まで再雇用する会社が多いですが、今後はもっと高年齢まで、あるいは定年を廃止する会社も増えるでしょう。
高齢者と呼ばれる65歳を過ぎたら、公的年金をもらいながら働くという形でいいので、義務的負担(税金・社会保険料)をして、支え手でもあり続けたいものです。そのため、遅くても40代に入ったら、できるだけ長く、できれば生涯現役でいられるよう、心と身体の健康を保ち、キャリアプランを構築しておきましょう。