もち麦の栄養・炊き方……ダイエットや健康管理に
気になるもち麦の栄養や効能は
情報番組や雑誌の特集で取り上げらている「もち麦」。ダイエット食材としても注目され、栄養価が高く体にいいと評判で、特に女性を中心に食べる方が増えています。
しかしそもそも、もち麦って何なの?と、よくわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はこのもち麦の効能・栄養価・食べ方など、基本をご紹介します。
そもそも、もち麦って?
もち麦とは、モチ性の大麦のことです。穀類の代表格である米には、普段私たちが主食としている(いわゆる炊飯して白飯にする)粘り気が少ないうるち米と、赤飯やおはぎなどを作る時に使う、粘り気が強いもち米とがあります。
同じように大麦も、粘り気が少ないウルチ性と、粘り気が強いモチ性に分けられます。モチ性のもち麦は、「アミロペクチン」というデンプンの成分が多く含まれています。粘り気が少ないウルチ性に属するうるち麦は、「アミロース」というデンプンの含有量が高いです。
ちなみにもち麦は品種によって、アミロペクチンだけでなくアミロースも数%含んでいますが、もち米のアミロース含有量はほぼ0%です。同じモチ性に属していても、デンプンの成分によって粘りの程度が異なることが分かります。
もち麦・押し麦・玄米の違い
■もち麦vs押し麦大麦にはうるち麦ともち麦の種類があると先述しましたが、うるち麦を平らにつぶしたものを押し麦といいます。モチモチとした食感のもち麦に比べ、うるち麦は比較的さっぱりと頂けます。いずれも白米に混ぜて炊飯して食べることが多い穀物です。
うるち麦はそのままだと粒子が大きいため、短時間では水分を満足に吸収できず、うまく炊けません。炊飯前に水にしばらく浸さないといけないのですが、粒子をつぶせば白米と同じように炊ける利点があります。
■もち麦vs玄米
同じように健康食品として名高い穀物に、玄米が挙げられます。玄米とは、精白していないお米のことです。表面のヌカ成分や胚芽にビタミンB1や食物繊維などが多く含まれ、栄養価が高い穀物ですが、大麦に比べカロリーが高めなのが1つの特徴です。
もち麦の栄養素、注目はβ-グルカン
もち麦で最も注目すべき栄養素は、水溶性食物繊維のβ(ベータ)-グルカンです。海藻類やきのこ類などにも含まれる成分で、うるち麦よりもち麦に多く含有されています。もち麦にダイエット効果が期待されるのは、このβ-グルカンが理由です。整腸作用があるので便秘を防ぎ、腸内の免疫力を高める効果があります。
悪玉コレステロールを減らし、脂質や糖質の消化吸収を抑える効能もありますので、特にメタボリック症候群の方は、日々の食事にもち麦を取り入れてみてはいかがでしょうか。
食後の血糖値の急上昇を抑制し、インスリンの分泌量を減らす働きもあります。米やパン、麺類、甘いお菓子など、消化吸収されやすい糖質の摂りすぎは、血糖値を急上昇させる要因となります。食後に高血糖になると、糖を処理するためのホルモン「インスリン」がすい臓から多量に分泌されます。必要以上の糖があった場合、不要な分は脂肪細胞として蓄積されてしまうのです。
精白米より、もち麦を混ぜたご飯がダイエット中におすすめされるのも納得できますね。
もち麦ご飯のおいしい炊き方
もち麦の効能が分かったところで、簡単でおいしく頂けるもち麦ご飯の炊き方をご紹介します。- 精白米をとぎ、水を切ります。炊飯器の釜に入れ、精白米分の目盛りまで水を注ぎます。
- 精白米と同量のもち麦を軽くとぎ、水を切ります。
- (1)に(2)を加え、軽く混ぜます。
- 加えたもち麦の重量の2倍量の水を(3)に加え、白米モードで炊飯します。
例えば、もち麦ごはん2合分(4~5人分)を炊飯する場合、といだ白米1合(約150g)を炊飯釜に入れ、1合分の目盛りまで水をはり、もち麦1合(約150g)と300mlの水を加えて炊飯してください。
水量はお好みで調整してください。もち麦は事前に1時間程度水に浸すと、よりもちもちとした食感が楽しめます。
もち麦のアレンジレシピ・食べ方
もち麦は、様々なレシピにアレンジできます。そのままでは粒子が固く食用に向かないので、沸騰したお湯にもち麦を入れ、15~20分ほど茹でてから料理に活用してください。茹でたもち麦はザルにあけて水気を取り、小分けして冷凍保存できます。
■食事に取り入れる 茹でたもち麦をサラダにトッピングしたり、スープやポトフに加えたりしてもOKです。お米料理のリゾットやパエリア、炊き込みご飯、ライスサラダにもおすすめです。適度な歯ごたえやモッチリ感を楽しむことができます。
■朝ごはんやブランチに パンケーキの生地に茹でたもち麦を加えたり、フルーツやシリアルと一緒に器に盛りヨーグルトをかければ、素敵な朝食になります。
■デザートに混ぜる
デザートにもフル活用できます。意外な組み合わせですが、お汁粉やスムージーに茹でたもち麦を入れたり、かき氷やアイスクリームにトッピングしたりするのもおいしいです。
【関連記事】