工事現場から掘り出された約 1400 年以上前の蓮の種子
全国各地には様々な種類の遺跡があり、盛んに発掘調査が行われています。出土品から驚きの歴史が明かされることがあります。埼玉県行田市では焼却場の施設建設の工事のときに意外なものが掘り出されました。蓮の種子が出てきたのです。これを池に植えると発芽し、美しい花を咲かせました。周辺から発掘された遺物や木片の放射性炭素年代測定を行うと約1400年から3000年前のものと推定され、この蓮は古代蓮と名づけられました。花弁の数が少ないピンクの花に、古代へのロマンがかき立てられます。42種類12万株の花蓮が咲き乱れる古代蓮の里
永い眠りから目を覚ました古代蓮は行田市の花となり、2001年にこれをシンボルとする公園が造園されました。古代蓮の里は、東京ドーム約3個分の14ヘクタールの広大な敷地を利用した植物園です。公園の北部には古代蓮池の他に、水生植物園、水鳥の池、牡丹園、釣掘、冒険遊び場、見晴らしの丘、お花見広場、梅林、ロウバイ、ホタルの川などが設けられ、四季折々の彩りを見せています。植物だけではなく、野鳥や昆虫の姿も数多く見ることができます。自然に満ち溢れる広々とした公園を歩いているとハイキングをしているような気分になります。
南の駐車場に沿う花壇は、世界の蓮園として世界各国から集められた蓮が栽培されています。古代蓮とは違い、八重咲きの花や、白色の花や、黄色の花を見ることができます。
開花の季節や時間帯は?古代蓮の見頃
古代蓮の里では、42種類12万株の蓮が例年6月下旬から7月末にかけて次々に咲きます。蓮の種類によっては午前中の数時間で花びらを閉じるものもありますが、古代蓮の開花時間は少し長めです。7時頃からふくらみ始め9時前後には開き終えます。午後になると萎みはじめますから、午前中から昼下がりまでに訪れるようにしたいものです。ギネス認定を受けた田んぼアート
園内の南東の端で地上約50メートルのタワーを備えているのは古代蓮会館です。1階の展示室では、蓮に関する様々な資料が展示されています。タワーの最上部は展望室となっており、関東平野を包む山々が360度のパノラマで広がっています。また、東側の平野部のユニークな景観を見下ろすことができます。世界最大の面積をもつことでギネス認定を受けた田んぼアートです。水田をキャンバスとして色彩の異なる数種類の稲を植え、絵や文字を形作っています。2016年は『ドラゴンクエスト』が誕生30周年ということで、見事なキングスライムとスライムが稲によって描かれ、話題となりました。
毎年テーマを変え6月中旬に田植え、10月中旬に稲刈りを行っています。稲の成長に従って風景は変わりますが、7月中旬から10月中旬が見頃です。
古代蓮会館に隣接する売店も充実しており、地元の特産品が溢れています。中には行田市のB級グルメ、ゼリーフライのコーナーもあります。ゼリーフライは、おからと茹でたジャガイモを混ぜ合わせコロッケのように素揚げしたものです。
アクセスなど基本情報
【古代蓮の里】住所:埼玉県行田市大字小針2375-1
TEL:048-559-0024
公式ホームページ:https://www.ikiiki-zaidan.or.jp/kodaihasu/
アクセス:JR高崎線行田駅より行田市内循環バスで約21分「古代蓮の里」停下車すぐ,秩父鉄道行田市駅より行田市内循環バスで約13分、「古代蓮の里」停下車すぐ
地図情報