部屋全体を照らす日本、使う場所だけ照らすヨーロッパ

たとえばオフィスでは、一定の広さに対して必要とされる明るさがJIS規格で決まっています。家庭でも、インテリア設計の段階で広さに合わせた照明の数と明るさが決まっており、その規格に基づいた照明器具が設置されます。

日本はこの「明るさ」の基準が世界の中でも非常に高く設定されているため、場合によっては必要以上の明るさを確保するために、電力を消費してしまうという側面も。
間接照明

間接照明の仄暗い部屋は、気持ちを落ち着ける効果もあります。忙しい人こそ、明るすぎる部屋よりちょっと仄暗い部屋を

ヨーロッパのホテルで、天井に照明がないことに驚いた経験をした方もいるかもしれません。欧米では食事や読書など、必要な行為に対して必要な場所だけを照らす部分照明の文化がありますが、近代の日本は部屋全体を隅々まで明るくすることに慣れているため、規格どおりの照明器具を使用することで電気を無駄遣いしていることも。

必要な場所だけ効率よく照らす。そんな視点で家の照明を改めて見直してみると、節電につながるだけでなく、暮らしがちょっと豊かになりますよ。


色の反射効果でダイニングの照明を節電

ペンダントライト

明るさが足りないため、交換も考えたダイニングのペンダントライトがちょっとした工夫で……

たとえば上の写真はガイド宅のダイニング。テーブルの上に60W相当(810ルーメン)のLED電球のペンダントライトを設置していますが、これだけでは暗いため、常にリビングとキッチンの照明も稼働していました。

このペンダントライト1機でも明るさを確保できるようにするには
  1. ペンダントライトの高さを下げてテーブルになるべく近づける
  2. テーブルに白色のクロスをかける
ペンダントライト

電球の明るさを落としても十分使えるようになりました

白色の反射効果で、照明の明るさが増幅されて、木目だけの時よりも明るく感じます。

ペンダントライトの選び方も大切。照明の傘が透過せず、灯りがすべて下方に向かうデザインを選び、LED電球も全方向ではなく下半球光束タイプを選ぶことで、明るさが無駄なく下方に集まるため、少ないワット(ルーメン)数でも効率よく明るくなります。

こうした工夫をしたことにより、現在では40W相当(580ルーメン)の下半球光束タイプ(全方向タイプよりも安価なことが多いです)でも十分な明るさを確保。LED電球は明るさやタイプによって価格がかなり違うので、電気代だけではなく、電球価格の節約にもつながることになりました。

ただし白いテーブルクロスは汚れが目立ちやすいのも確かですので、明るいクリーム色やピンクなど、暖色系のものを選んだり、ランチョンマットを活用するなどの工夫もしてみてくださいね。


カーテンやラグマット、クッションなど布の模様替えが効果的

部屋の中で大きな面積をしめるカーテン、ラグマットや、ソファーカバーなどは、部屋の明るさに大きな影響を与えます。

下の写真はガイド宅のカーテン。ブラウン系の花柄のカーテンから、白の無地に変えた後は、日が暮れてから照明をつける時間が少し遅くなりました。また、少ない照明でも明るく感じる効果もあります。
カーテンの色

カーテンの色も体感温度や明るさの感じ方に大きな影響が

また、窓側の床に明るめのマットを置くことで、日差しが反射して部屋全体がワントーン明るくなるという効果も。壁や天井、床材のリフォームは大掛かりで現実的ではありませんが、布類は気軽に模様替えができます。

日当たりがあまりよくない部屋は、なるべく白や明るめの暖色系をインテリアに取り入れて。必要以上に照明を使う時間も減らす効果があります。


色の体感温度で冷暖房費も節約

また、照明だけでなく、インテリアの色は体感温度にも大きな影響を及ぼします。たとえば暖色系の部屋では体感温度は+3℃、寒色系では-3℃違うと言われています。暖色系の部屋で体感29℃、寒色系なら26℃と考えると、冷房の稼働率も変わりそうで、この差はとても大きい!

冬はソファーカバーやクッションを暖色系に、夏は寒色系に。また、LED電球の色を冬は暖かいオレンジ系の電球色、夏はクールなブルー系の蛍光灯色に変えるだけでも、冷暖房の設定温度を変えることができ、結果的に節電につながることになります。

節約だけに目を向けると、いろいろ窮屈なこともありますが、季節の模様替えをしてみようと思えれば、色を考えることが楽しみに変わります。

「当たり前」をちょっと変えてみる心のゆとりで、小さく節電。試してみませんか?


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