急な積雪。タイヤチェーンがない場合はどうする?
年に1~2回雪が降るかどうかの地域では、ウィンタースポーツが趣味という人や、仕事で寒冷地に出かける機会が多い人以外、スタッドレスはもちろん、タイヤチェーンを積んでいる車はごく少数でしょう。雪の予報が出てから量販店やカー用品店に買いに行っても、売り切れていたり、合うサイズがなかったり……。ということで、急な積雪に対応できるアイテムをご紹介します。
■スプレー式滑り止め
似たような商品はいくつかありますが、あくまでも「補助的に」使うのがオススメです。基本的にタイヤの接地面に直接スプレーをし、5分間程度定着させて使います。
中には最大70km程度走れると書いてあるものもありますが、筆者の経験では乾いた路面がなく平坦な圧雪路だけなら、20~30キロ程度はまともに走れるという印象です。が、トンネルなど積雪がない場所を走ると摩擦ですぐにはがれてしまいますので、要注意。
また、スプレーする際、車のボディやバンパーなどについてしまうとベタベタがなかなか取れません。十分に注意してタイヤ接地面だけにスプレーしましょう。雪で立ち往生して渋滞や事故の引き金にならないよう、まずは車を駐車場そのほか迷惑が掛からない場所に移動させるのにも力を発揮してくれます。靴裏にも滑り止めとして使えるので、一本積んでおけばひとまず緊急用として安心ですね。
■雪道脱出用グッズ
こちらは雪道でスタックした時の脱出道具です。タオルや毛布を敷けばいいと書いてあるサイトもありますが、空転するタイヤの下にうまく敷くのは難しく、すぐに吹っ飛んでしまい役に立ちません。
また、脱出グッズがない、という場合、ドライバー1人で車を脱出させるのに良い方法はジャッキアップです。最近はスペアタイヤを搭載しない車も増えていますが、スペアタイヤが積んである車には必ず車載工具としてジャッキが搭載されています。また、いずれにしてもスコップは必携です。プラスチック製では弱いので、小さくても鉄製をお勧めします。
窓が凍ったらどうすればいい?素早く解かすには?
フロントガラスの氷は意外と厄介です。水をかけてもその水がまた凍ってしまい……。では、熱いお湯なら? と思ってしまいますがこれは厳禁。熱湯をかけると温度差でガラスに亀裂が入ることもあります。もし使うならぬるま湯で。熱湯を少し外においておけばすぐにぬるま湯になりますね。
■解氷スプレー
こちらも1本積んでおくといろいろなシーンで役に立ちます。フロントウィンドウの氷もアッという間に解けますし、鍵穴タイプの車なら凍った鍵穴を解かすのにも使えます。ワイパーに張り付いた氷を解かすにもOK!
■スクレイパー&ブラシ
窓ガラスに張り付いた氷をはがし、雪を払うのに使います。100均で売っているものでも十分使えます。
都会の軽油は凍るってホント?
最近はクリーンディーゼル車をラインナップするメーカーも増えていますが、燃料となる軽油に種類があるのをご存知でしょうか? 都会で入れた軽油は寒冷地で長時間駐車した後に、エンジンがかからなくなるケースがあります。俗にいう軽油が凍るという状態です。水のように凍るのではなく流動点の違いによって目詰まりして、エンジンがかからなくなるのです。現在日本で販売されている軽油は以下の5種類があり、寒冷地用軽油は3号または北海道スペシャルの特3号となります。寒い地域に行く予定がある場合は、目的地までガス欠にならない程度に軽油をいれておき、到着したら現地のガソリンスタンドで軽油を入れましょう。エンジンがかかっているうちは凍ることはありませんし、長時間駐車後の始動も寒冷地用が全体の燃料の半分くらい入っていれば大丈夫です。
軽油の種類 流動点
JIS特1号 +5℃以下
JIS1号 -2.5℃以下
JIS2号 -7.5℃以下
JIS3号 -20℃以下
JIS特3号 -30℃以下
ワイパーはどう扱うべき?
雪が降りそうと思ったらワイパーは立てておきましょう。窓ガラスに氷が張り付いているような場合、ワイパーで氷をふき取るのはワイパーが傷みますし、最悪の場合壊れることもあります。まずは雪を取り除き、氷を溶かしてから使用しましょう。
雪道を走った後は洗車をお忘れなく!
融雪剤の中には、塩分が多く含まれているものもあります。積雪地域から戻ってきたら下回りだけでもホースや高圧水で融雪剤を流しておきましょう。放っておくと、さび発生の原因になります。【関連記事】
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