住宅購入の費用・税金/確定申告・住宅ローン減税

住宅を売却したときの確定申告 2018年申告版(2ページ目)

住宅など不動産を売却したときには確定申告が必要です。売却による利益があれば、マイホームについては3,000万円の特別控除または買換えの特例を適用することができ、損失があれば損益通算・繰越控除の特例によって所得税の控除を受けることができます。それぞれの手続きをしっかりと確認しておくようにしましょう。

執筆者:平野 雅之


3,000万円の特別控除の確定申告

土地や建物を譲渡した場合には、その譲渡所得(利益)に対して分離課税により税金が課せられますが、このとき、譲渡した土地・建物が居住用財産であれば、3,000万円までの譲渡所得については無税にすることができます。

その特例が「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」です。

もし、5,000万円で取得した住宅を同じく5,000万円で譲渡すれば、譲渡所得はないように感じられがちですが、税金の計算上は建物の価額について減価償却をしなければなりません。

たとえば5,000万円のうち建物価額が2,500万円、所有期間が15年だったとすれば、減価償却費が1,046万円あまり(木造住宅の場合)となり、同額の譲渡でもこの分が利益として扱われますから注意が必要です。

ただし、実際には取得時と譲渡時の費用(取得費譲渡費用)などを差し引くことができますから、譲渡所得はこれよりも若干少なくなります。

また、3,000万円を超える譲渡所得があった場合には、3,000万円を超える部分について所有期間に応じた課税がなされます。

なお、3,000万円の特別控除について詳しくは ≪マイホームの売却と3,000万円の特別控除≫ をご参照ください。譲渡所得についての考え方は ≪マイホームを売却したときの税金の基礎知識≫ をご参照ください。

なお、2016年度の税制改正により「親などから相続した空き家(一戸建て住宅など)を売却したときの3,000万円控除の特例措置」が設けられています。

その主な適用要件(ここで説明する居住用財産の3,000万円の特別控除とは異なります)については ≪2016年度 住宅税制改正総まとめ≫ をご参照ください。


3,000万円の特別控除の主な適用要件

居住用財産の譲渡であること(所有期間は問いません)
 
譲渡した年の前年または前々年に、同じ特例または買換えの特例の適用を受けていないこと(3年に1度までの適用)
 
配偶者や直系血族、生計を一にする親族など、特別な関係者への譲渡ではないこと
 
住まなくなってから3年目の年の12月31日までの譲渡であること
 
その居住用財産を譲渡した年の所得に対し、住宅ローン控除の適用を受けないこと

その他、詳しくは ≪マイホームの売却と3,000万円の特別控除≫ をご覧ください。


3,000万円の特別控除の申告で用意する書類

〔提出するもの〕
 
確定申告書【B】(第一表・第二表)+第三表(分離課税用)
 
「譲渡所得の内訳書(計算明細書) 〔土地・建物用〕 」
 
住民票の写し(譲渡した日から2か月を経過した後に、譲渡した住宅の所在地を管轄する市区町村から交付を受けたもの)、または住民票除票の写し

〔申告書作成に必要なもの〕
 
源泉徴収票
 
取得時の売買契約書
 
譲渡時の売買契約書
 
譲渡した土地と建物の登記事項証明書
 
経費に算入できる支出の領収書など


page2 ≪3,000万円の特別控除≫
page3 ≪譲渡損失の損益通算・繰越控除(買換えるとき)≫
page4 ≪譲渡損失の損益通算・繰越控除(買換えないとき)≫
page5 ≪居住用財産の買換えの特例

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