住宅購入の費用・税金/確定申告・住宅ローン減税

住宅を売却したときの確定申告 2018年申告版(3ページ目)

住宅など不動産を売却したときには確定申告が必要です。売却による利益があれば、マイホームについては3,000万円の特別控除または買換えの特例を適用することができ、損失があれば損益通算・繰越控除の特例によって所得税の控除を受けることができます。それぞれの手続きをしっかりと確認しておくようにしましょう。

執筆者:平野 雅之


譲渡損失の損益通算・繰越控除の確定申告

居住用財産譲渡して利益が生じた場合には「3,000万円の特別控除」などの優遇措置があるのに対し、逆に損失が生じた場合には条件付で「譲渡損失の損益通算・繰越控除」(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)の適用を受けることができます。

なお、「3,000万円の特別控除」のページで説明したように、仮に5,000万円で取得した住宅を4,000万円で譲渡しても、損失がないものとみなされるケースもあるので注意が必要です。

この特例が適用される場合には、その譲渡損失を4年間(譲渡した年を含む)にわたって総所得金額から控除することができます。ただし、この適用は所得金額が3,000万円以下の年にかぎられます。

また、「住宅ローン控除」との併用も認められていますが、「住宅ローン控除」の場合とは異なり、この損益通算・繰越控除については毎年(適用年)申告をしなければなりません。


なお、買換えをしない場合の損益通算・繰越控除はこちらをご覧ください。

損益通算・繰越控除について詳しくは ≪マイホームの売却で損失が生じたときの特例≫ をご参照ください。


譲渡損失の損益通算・繰越控除の主な適用要件

所有期間が5年を超える居住用財産を譲渡して損失が生じたこと
 
譲渡した年の翌年12月31日までに新たな居住用財産を取得し、さらにその翌年12月31日までに居住を開始すること(またはその見込みであること)
 
控除を受ける年の年末において、買換えた居住用財産に対する住宅ローンの債務が残っていること
 
買換えた住宅の登記上の床面積が50平方メートル以上であること
 
配偶者や直系血族、生計を一にする親族など、特別な関係者への譲渡ではないこと

その他、詳しくは ≪マイホームの売却で損失が生じたときの特例≫ をご覧ください。


譲渡損失の損益通算・繰越控除の申告で用意する書類

(損失が生じた年分の確定申告の場合)

確定申告書【B】(第一表・第二表)+第三表(分離課税用)または第四表(損失申告用)
 
「居住用財産の譲渡損失の金額の明細書」
 
「居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書」
 
譲渡した住宅の登記事項証明書、売買契約書など
 
譲渡した住宅の所在地における住民票の写し(譲渡後2か月以降のもの)、または戸籍の附票の写しなど
 
取得した住宅の登記事項証明書、売買契約書など
 
取得した住宅の所在地における住民票の写し
 
取得した住宅に対する借入金の残高証明書(住宅ローン控除用の「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」で代用可)

なお、譲渡をした翌年に新たな居住用財産を取得する場合、取得後にかかわる書類は2年目の確定申告をするときに添付します。


page2 ≪3,000万円の特別控除
page3 ≪譲渡損失の損益通算・繰越控除(買換えるとき)≫
page4 ≪譲渡損失の損益通算・繰越控除(買換えないとき)≫
page5 ≪居住用財産の買換えの特例

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