非正規労働者に優しくなった育児介護休業法

有期契約社員の取得要件が緩和されました

有期契約社員の取得要件が緩和されました

改正育児介護休業法が今月(平成29年1月)から施行になりました。今回の育児介護休業法改正のポイントは、非正規社員(有期契約労働者)対策です。少子高齢化に伴い労働力人口の減少が加速するなか、就労環境の改善によって一人でも多くの働き手を増やし、社会全体を支えていく必要に迫られています。今回の改正で、有期で働く非正規社員の育児休業の取得要件が緩和されたことは見逃せません。詳しく見ていきましょう。

有期契約労働者が育児休業を取得する場合、休業の申し出時点で、今いる会社で「1年以上継続雇用されていること」が必要です。この要件は法改正後も変わりません。育児休業を付与することは事業主にとって負担が大きいので、最近入社した人には適用しないという趣旨です。

また育児休業は子が1歳になるまで取得する人が多いため、「子が1歳になった後も雇用継続の見込みがあること」という要件が付いていました。育児休業が終了する前に雇用が終了してしまう人に育児休業を付与しても、会社としては何のメリットもないからです。また、「子が2歳になるまでの間に雇用契約が更新されないことが明らかである者を除く」という要件もついていました。

今回の改正ではこの取得要件が、「子が1歳6ヵ月になるまでの間に雇用契約がなくなることが明かでないこと」と緩和されました。「雇用契約がなくなることが明かでないこと」ですので、契約更新されるか否かが不明確で、子が1歳6ヵ月になる日を超えて雇用されているか分からない人でも育児休業が取得できます。ちょっと安心ですね。

マタハラ・パタハラなどの防止措置も強化されました

従前の制度でも妊娠、出産、育児休業・介護休業の取得などを理由とした契約更新拒否など、事業主による不利益取扱いは禁止されていました。しかし上司や同僚から育児休業を取得することで嫌がらせ(マタニティ・ハラスメント、パタニティ・ハラスメント)を受けることもあります。

また職場によっては、妊娠や出産に対して否定的な言動がなされ、いたたまれなくなって退職してしまうということもあります。そこで今回の法改正では、こういった上司・同僚によるハラスメント行為を防止する措置等を事業主に義務づけることになりました。

事業主は具体的なハラスメント防止措置を講じるのと同時に、ハラスメントを行った従業員に対する懲戒処分の方法等についても、就業規則に記載しなければなりません。ハラスメント対策がかなり強化された印象です。

介護休業制度も見直されました

育児関連では、子供が病気になった時に取得する看護休暇が、1日単位だけでなく半日単位(所定労働時間の2分の1)でも取得できるようになりました。また介護関係でも、いろいろと改正がありました。たとえば介護休業は、対象家族1人につき原則1回しか取得できませんでしたが、通算93日まで、3回を上限として分割取得することができるようになりました。詳しくは厚労省の資料を参照ください。



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