Would you take me to the KABUKI ?
「歌舞伎に連れて行ってくれませんか?」外国の方から頼まれたら、あなたならどう答えますか?答えに困るのも仕方ないことかもしれません。なぜなら、日本人のうち、実際に劇場で歌舞伎を見たことがある人はわずかに5%程度だからです。
手帳に歌舞伎の予定を入れてみませんか?
しかし海外では一流のビジネスパーソンほど、自国の文化に誇りを持つと同時に他国の文化への関心が高いものです。昼間は最先端のビジネスの話、夜には趣味、文化、音楽、歴史の話題で盛り上がるのは珍しい光景ではありません。そんな時のためにも、日本のビジネスマンにはぜひ歌舞伎を知っていただきたいと思います。
歌舞伎は毎月25日間やっている
東京の歌舞伎座では毎月25日間、異なる内容の昼夜2回公演(3回公演の月もあり)で上演されています。回数が多いので、月末以外ならほぼいつでも見られると覚えておくといいでしょう。チケットは「チケットWeb松竹」で
チケットWeb松竹
値段は一等席が18,000円、一番安い三階B席が4,000円と幅広い選択肢があります。もし前売りチケットが売り切れの場合は直接歌舞伎座の窓口に行くと当日券が出ていることもあります。また幕見という当日売りのみの席もあるので、これは早く行けば確実に入手できます(窓口で一人一枚の購入。まとめ買いできないので注意)。
解説付きで見られる
たとえ初めての観劇でも歌舞伎座にはイヤホンガイドや字幕ガイドというシステムがあります。これはベテランの先輩があなたの横で解説し続けてくれるようなものですから安心して席に座れます。ネタバレOK!
映画ではネタバレは困りものですが、コンサートなら事前に曲を聴いて“予習”しますよね。実は歌舞伎はコンサートに似ていて、事前に物語を知っておく方が楽しめる演目が圧倒的に多いのです。その心強い味方が松竹の公式サイト「歌舞伎美人」です。毎月の公演の見どころを解説してくれています。「歌舞伎美人」で予習、劇場に着いたらプログラム(“筋書き”と呼びます)を買い、イヤホンガイドか字幕ガイドを借りれば準備は完璧です。歌舞伎美人(「みどころ」をチェック)
休憩時間が大切
歌舞伎は、たとえば昼の部なら11時開演~15時半終演と長時間に及びます。そこで大切なのが休憩時間の過ごし方です。休憩は複数回あって30分、20分、15分の3回が標準的。歌舞伎座は食堂(高級料亭“吉兆”も入ってます)、売店(お菓子、お土産、たい焼きなど)が充実しています。休憩にこれらを回って歩くのも楽しいものです。また女性用トイレは混み合うので休憩時間の始めに行っておくのがコツ。長い演目の前はビールを控えるなどもポイントになります。お客様をお連れするときは、こうしたちょっとしたことにも気遣いが必要でしょう。
1分で伝える歌舞伎の歴史
もし歌舞伎の歴史を聞かれたら「詳しいことは知らないけど」と前置きしてからシンプルに話をしてはいかがでしょうか。『約400年前に“出雲の阿国(いずものおくに)”という女性が始めた“かぶきをどり”がオリジンです。その後、江戸幕府が女優を禁止したために男性が女性を演じる“女形(おんながた)”が発達し、歌舞伎の特徴になりました。そして、ヒットしたコミックをドラマ化するように、時代ごとに文楽、能、狂言、落語からシェークスピアまで取り入れてきました。たとえるならストレートプレイ、ミュージカル、オペラ、バレエ、ダンス…などをひとつの劇場で観ているようなものです。この「新しいもの好き」の精神は今も受け継がれていて、なんと2015年には市川猿之助が人気コミック「ワンピース」をスーパー歌舞伎セカンドとして上演しました。つまり歌舞伎と一口で言っても色々な種類があるのです。また役者の名前はブランドネームと同じで、その名前にふさわしい後継者が継承していくことになっています。』
まずこれだけ伝えられれば、初めて歌舞伎を見る方には十分な情報だと思われます。