炊事洗濯より、ダントツ掃除に負担感
今回ガイドが参考にした調査は、年末の大掃除の時期を前に、子持ちの共働き世帯の既婚男性・女性、子持ちの専業主婦を対象に行われた、家事に関する意識調査。負担に感じている家事は何かを聞いた際の回答が以下のグラフです。有効回答数 :共働きママ:200名(家事代行利用者:100名、 非利用者100名)、 専業ママ :100名(専業主婦、 家事代行非利用者)、共働きパパ:100名、計400名
※家事代行は、 掃除、 洗濯、 整理整頓等のサービス(育児代行を除く)を利用している人
負担に感じている家事は「掃除」と答えた人が最も多く、全体の72.3%。共働きママでは「仕事よりもストレスを感じる」36.5%、「仕事と同じくらいストレス」28.0%という結果に!
また、自分の家のキレイさは、理想と比べると「あまり満足していない」「不満である」の回答が57.7%あり、ストレスを感じながらやっているけれど、結果に満足できない悩みを抱えていることがわかります。
「埃では死なない」けれど、メンタルには悪影響が
ただでさえ時間がないワーママにとっては、家事の中でも買い物と食事作りが優先されます。次に、着るものがなくなっては困る「洗濯」。汚れや埃が少し溜まってもなんとか暮らせてしまうため、掃除の優先順位は下位になりがち。「埃では死なない」と言われますが、でもそのまま放置されると、こんなメンタル状態になってしまうことも判明しました。
家が汚れていたり片付いていないことで、「イライラしたり、リラックスできない」人が53.7%、「片付けられない自分をダメだと思い自己嫌悪に陥る」人が40.3%と過半数近く! なかでも注目したいのが、2番目にあげられている「自己嫌悪」という感情です。
一番くつろげるはずのわが家が汚れて散らかっているということだけで、「できない自分」「だめな自分」という感情が自動的に呼び起こされて、自己嫌悪につながってしまう。こうなると、さらに負担感が強まって、ストレスに。悪循環ですよね。
「家族で分担」の落とし穴も
ガイドの経験上、掃除はもっとも家族でシェアしやすい家事。炊事や洗濯は、独自のこだわりを持つ人も多いのですが、掃除は方法と道具さえルールを決めておけば、家族の誰もが参入しやすいのです。何より、家を汚しているのはママ一人ではなく、家族全員。自分で散らかしたり汚した場所は、自分できれいにする仕組みづくりを日頃から心がけておきたいもの。
とはいえ、アンケートによると一番シェアしやすいそうじでも、夫婦喧嘩の元になることがあるようです。
理由で1番多かったのが、「キレイの基準が違う」(36.3%)こと。自由回答のエピソードには、つい「あるある」と苦笑いしてしまう人もいるのでは。
妻の言い分
- きれいになったというが全然きれいになってなくて二度手間になる。
- 食器洗いが遅い。 子守をしたくないからわざと時間稼ぎしている?
- 掃除したあとなのに汚れている部分がたくさんあり、 どこを掃除したのかわからないことで喧嘩に。
- 汚い雑巾で床をふくので、 よけい汚くなる。
- キレイの基準がパパのほうが高く、 私が掃除したあとにやり直しされた。
- ついつい妻の掃除にダメ出しして、 口論に。
- 掃除機のかけ方が雑だと指摘され、 最初からやり直しさせられた。
- 頼んでいながら口出しをしてくる。 頼むなら完全に任せて文句は言わないで欲しい。
掃除の外注は「必要経費」で計上してみると気持ちが楽
家事は家族でシェアしていくのが理想ですが、「忙しい毎日の中で、掃除が仕事よりストレスで自己嫌悪、夫婦で分担しても喧嘩になってしまう」状態が続くのであれば、思い切って外注を検討するという選択肢も。ただ、料金が高い、他人を家に入れたくない、効果がどのくらいなのかわからないといった理由もあり、ハードルが高いのも確かです。
また、家事の外注は「本来自分でやるべきことを、お金で解決してさぼってしまった」という後ろめたさを感じるという人もいます。
自己嫌悪になる前に、シェアと外注の選択肢も
トライしてみたいけれど、ハードルが高いという人は、外注費を「家庭の必要経費」として予算を組んでみては。
会社やお店でも定期的におそうじの業者さんが入ります。また、エアコンやエレベーターなどの設備にも、定期点検が入り、こうした経費はすべて一年単位で予算が組まれているもの。
家が散らかって汚いことが、メンタルや夫婦関係に悪影響を及ぼすほどになるようであれば、快適に、安全に、気持ちよく暮らすために必要な経費としての外注を検討してみてもいいのかもしれません。
家事はできる人ができる時に、一人だけが背負うのではなく、シェアしながら、日々を暮らしていきたいもの。笑顔で暮らすための選択肢は、いろいろ持っていたいものですね。
参考データ https://casial.jp