キッチン/キッチン収納

キッチン収納はストック食品と調理台周辺がポイント?

キッチンプランの中で、使い勝手を大きく左右する収納についてのアンケートから、いまどきのキッチン収納のポイントをみていきます。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

キッチンの収納は、すでにいっぱい? 55.9%が十分ではないと回答

住まいづくりを進める中で、収納プランは快適さや使い勝手に大きくかかわるポイントのひとつ。細かなアイテムの多いキッチンプランでも同様でしょう。LIXILは、全国に住む20~60代の男女125名を対象に、「キッチン内の整理整頓と道具や『もの』のもちかたについて」をテーマにアンケート調査を実施。キッチン収納は、ストック食品の収納スペースや調理台周辺の使い勝手がポイントと言えるようです。

現在のキッチンの収納量は十分か、という質問に対して、「いいえ」と答えた方は55.9%。現在の収納にはまだ余裕があるか、というと、67.7%が「いいえ」と回答しています。(その中でも、整理整頓が得意でない方では、70.9%の人が収納に余裕がないと答えています。)多くの方が収納は足りない、と感じていることがわかります。

特に足りないのは、買い置きの食品を収納するスペース

使いづらいコーナースペースに設けるストッカー。キッチンのすぐ横に設置できるので、使い勝手もいい。undefined[リシェル PLATundefined角までしまえるキッチンクローゼット]

使いづらいコーナースペースに設けるストッカー。キッチンのすぐ横に設置できるので、使い勝手もいい。 [リシェル PLAT 角までしまえるキッチンクローゼット] LIXIL

収納スペースで特に足りないのは、「食品(ストック類)」52.8%。食器や調理道具よりも多い数字となっています。

食品ストックの収納場所としては、パントリー(食品庫)が挙げられますが、アンケートでは、全体で26.7%の方がパントリーを確保していると回答。にもかかわらず、パントリーを設けていても、36.5%の方が食品ストック類の置き場に困っているという結果がでています。

子育てや仕事などで夫婦ともに忙しく、宅配や通販を利用したり、週末に一週間分を買い置きする、というような生活スタイルも多くみられますし、防災への意識も高まり、非常食の保存も必要に。従来に比べて、広めの食品のストックスペースを確保しておくことは、一般的になっていくのかもしれません。

システムキッチンには専用のユニットも揃う

パントリーには、ウォークインクロゼットのような小さな部屋を確保する場合と、壁面を利用するプランが考えられます。壁面に設ける場合、造作でプランニングすることもできますし、システムキッチンの周辺収納ユニットなどを取り入れてもいいでしょう。

キッチンメーカーの収納ユニットには、幅や高さのバリエーションはもちろん、食品や食器などに合わせ、収納しやすい工夫が施された棚やラック、引き出しなどが揃っています。デットスペースになりやすいコーナー部分を利用したタイプなどもみられます。

家族構成やライフスタイルによって、プランニングは異なりますが、いずれの場合でも注意したいのは、食品を収納するスペースなので、何がどこにあるかが分かりやすく、取り出しやすい収納プランとすること。賞味期限や在庫などを管理しやすいようにしておくことが大切でしょう。

すっきりとしたカウンターが理想だが、実際は難しい?

undefinedキッチンとダイニングテーブルをつなげ、家具のような収納を設けたキッチン。undefined[リシェル PLAT]

 キッチンとダイニングテーブルをつなげ、家具のような収納を設けたキッチン。 [リシェル PLAT] LIXIL

最近、多くみられるキッチンプランは、リビング・ダイニングとひとつの空間に配されているもの。オープンなつくりで、キッチンが住まいの中心となるようなプランも増えてきています。開放的な対面キッチンやアイランド型などが人気ですが、キッチンカウンターがくつろぎの場から見えてしまうケースも多く、来客時はもとより、普段から、すっきりとさせておくことが必要になってきているようです。

しかし、なかなか美しさを保つことは難しいようで、アンケートでも、「料理が終わる度にキッチンは整理整頓を行い、カウンターの上には何も置かない状態にしたいと思いますか」という質問に、35.9%の人が「そうしたいがなかなかできない」と回答しています。水切りカゴや洗剤、スポンジなど、どうしても残ってしまうのは仕方のないことなのかもしれません。

しかし、カウンターの上に何も置かない状態にしている方で、収納量は十分であると答えた方は、42.9%と高い割合。収納プランの使い勝手がよければ、整理整頓もしやすい、ということなのでしょう。

美しいカウンターを保つためには、調理で用いる道具類をしまう定位置を決めること、出し入れしやすい収納方法とすることが基本。オープンなキッチンの場合は、ダイニングやリビングからの見え方などに配慮して、スポンジや洗剤の置き場をシンクに設けたり、対面カウンターを少し高めにするなどの工夫でもすっきりと見せることはできるでしょう。

家電製品の収納は、買い替えなども予想してプランを

undefinedレンジや炊飯器、ポットなどを収納。引き出して使えるので、作業がスムーズに。[リシェル PLATundefined隠せる家電収納]

 レンジや炊飯器、ポットなどを収納。引き出して使えるので、作業がスムーズに。[リシェル PLAT 隠せる家電収納] LIXIL

カウンターに置いて利用するものには、家電機器も挙げられます。フードプロセッサーやコーヒーメーカー、炊飯器、電子レンジ、トースター、湯沸かしポットなど、多くのアイテムを収納する場所も十分に検討しないと、キッチン空間が雑然としてしまうこともあるでしょう。

システムキッチンの「周辺ユニット」には、炊飯器やポット、電子レンジなどをすっきりと納めることができるスペースを確保したものが多くみられます。使うときには引き出すことができたり、蒸気を排出できるような工夫があるものなどもあるので、使い方に合わせプランニングを。また、将来的に買い替えの予定がある場合などは、大きさなど余裕を持たせておくことも大切です。

特に、オープンなLDKの場合、家電製品がくつろぎの場から見えないような工夫もしておきたいもの。使用しない時には扉を閉めることができるようにしておくのもひとつの方法でしょう。

家族構成やライフスタイル、食生活を考慮してプランニングを

キッチンの収納は、家族構成やライフスタイル、食生活によって適するプランも異なります。やみくもに多くの収納を確保しても、上手に利用できるようなプランでなければ、整理整頓をすることもできないでしょう。具体的に収納するモノやサイズを明確にするとともに、何をどこに収納すると使い勝手がいいのか、イメージしながら検討することが大切です。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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