妊娠したけど、貯金が少ない!どうする?
手持ちのお金が少ないときの対処法
妊娠・出産費用はどのくらい?
1.妊婦健診等妊娠がわかり、母子手帳を取りに行くと、妊婦健診受診券(または補助券)を受け取れます。妊娠3か月から妊婦健診(健康保険適用外)を受けたとして健診1回につき実費だと約3000円から2万円以上(医療機関ごとに異なる)費用がかかります。
ただし、妊婦健診14回で受診券等を使えば、費用はかなり補助されます。妊婦健診補助券の回数、補助の合計額、補助の範囲は自治体ごとに異なりますが、補助の全国平均額は昨年より2170円アップして10万2097円(厚生労働省 「平成28年度妊婦健診における公費負担状況の調査」より)です。
2.入院通院費用、出産費用等
体調が悪くなり妊婦健診以外に医療機関に行くと1回ごとに診察代(健康保険適用、病状による)が自己負担3割です。合併症などで入院が長引いたら、出産費用に月約20万から30万円の入院費用が上乗せされます。
この場合、高額療養費を申請しましょう。事前に入院がわかっている場合は、限度額適用申請書を健保組合(または協会けんぽ)または市区町村役場に申請しておきましょう。
また、資金不足を感じる場合は、出産前に予約金が必要な医療機関はなるべく避けましょう。無痛分娩だと自然分娩費用に約1万円から約20万円上乗せされるので、医師が医療上必要と勧めてきた場合のみ対応した方がいいでしょう。
自然分娩(健康保険適用外)でも帝王切開(健康保険適用)でも出産費用は地域や医療機関により開きがありますが、約40万円から約75万円です。
ご近所の医療機関でもずいぶん出産費用や健診費用等に開きのある場合があります。妊娠が分かった時点で、電話で聞く、HPで調べる、人に聞くなどして、近所の病院の出産費用を必ず確認しておいた方がいいでしょう。
3.ママのマタニティー用品・子どもの生活用品
新品なら百貨店などで買うよりベビー用品専門店が安いでしょう。お金が足りなく感じる場合は、妊娠中余程フォーマルな用事で服が必要な時以外、百貨店では見ない方が無難かも知れません。
親戚やお友達のツテや幼稚園、保育園、子育て広場にマメに顔出しする、チラシを充分チェックして、バザーなどをフル活用するといいでしょう。周囲に妊娠中をアピール、なるべく「いらなくなったもの」を人から譲ってもらうよう、声掛けしてみましょう。無料もしくは数十円、数百円で手に入ることがあります。
4.帰省費用(里帰り出産の場合)
地域により出産費用平均が異なる面もあり、帰省先で出産すると費用が安く済むこともあります。
厚生労働省「平成26年度正常分娩の平均的な出産費用について」(中央値)によれば、都道府県別で平均的出産費用が安いのが鳥取県で39万8130円、高いのは東京都で58万6000円、全国平均は49万3400円でした。東京都と鳥取県では、出産費用の中央値が約20万円も違います。
出産後、現住所に戻ってきたとき、妊婦健診補助券の現金払い戻しができる自治体もありますので、市区町村役場へお問い合わせ下さい。
妊娠・出産でもらえるお金をチェック!
妊娠出産にはもらえるお金もあります。特に資金不足を感じる場合、ありがたいですね。もらえるお金(3と4は勤務継続の条件付き)を4つ挙げてみました。1.出産育児一時金が1児につき42万円(産科医療補償制度1万円6000円の保険料込)支給されます。
→多くの医療機関では、出産費用から出産育児一時金を差し引いた額が退院時の請求額です。上記の全国平均が出産費用なら7万3400円(49万3400円-42万)が出産の平均自己負担額になりますね。
2.親戚・友人・同僚などからの御祝い金・御祝い品等。
→出産後、赤ちゃんのお昼寝中に親族、友人等たくさんの人に宣伝してみましょう。いただいた後は半返しまたは1/3返しをおすすめします。
3.妊娠してもお勤めを続けている方や退職後の出産でも要件を満たしていれば、健康保険から出産手当金が支給されます(月給約25万円で産前産後の休業日数に応じて最高約54万円、25万円÷30×2/3×98日で計算)。
4.出産後もお勤めを続けている方は雇用保険から育児休業給付金が支給されます。
・月給約25万なら子どもが原則1歳に達するまで休業した場合、25万×67%×6か月プラス25万×50%×4か月=約150万円。
・認可保育所に預けられず1歳半まで休業すると、約150万円+25万×50%×6か月=約150万+75万=約225万円。
・1歳半でも認可保育所に空きがなく最長2歳まで休業すると、約225万+25万×50%×6か月=約225万+75万=300万円
→家計で資金不足を感じる場合は余程のことでなければ、退職は避けましょう。認可保育所に預けられない場合、最長2歳まで育児休業を取れるようになりました。勤め続ければ出産手当金や育児休業給付金など経済的にはお得です。
出産費用が足りないときに低金利の貸付制度・融資の利用を考えよう
上記のもらえるお金は早くても出産時、遅いものは出産後何か月か経ってからです。貯金だけで出産前に資金不足を感じたときに低金利で借りられるところをご紹介します。1.生活福祉資金制度
働けない状態で収入が見込まれないなどの場合は、福祉事務所へ生活保護申請になるのですが、「普通に働いているのだけれど、貯金がない、出産が心配。」な場合、地域のボランティア・センターに問い合わせてみましょう。
特に賃貸で毎月ぎりぎりで生活していると感じる場合、福祉資金の貸し付け(無利息または金利1.5%)を検討してくれる可能性もあります。1度の交渉であきらめずに「請求額が払えない」と思う都度、何回か相談してみましょう。
2.出産費用貸付制度
出産する医療機関が、直接支払制度や受け取り代理制度にもし未加入(少数ですが)なら、出産育児一時金が出るまでの間50万円以上の出費になることもあり得ます。
その場合、出産費用貸付制度があり、無利息で資金を貸してくれます。出産前に健康保険の方は協会けんぽまたは健康保険組合、国民健康保険の方は市区町村役場にお問い合わせ下さい。
3.中央労働金庫 福祉ローン
無利息ではないのですが、比較的低金利です。出産から小学校入学前までの育児費用を借りられる可能性があります。信用金庫にも中央労働金庫より少し高金利ですが、福祉ローンがあるところもあります。
公的機関など低金利の貸付は、審査から入金までに1か月ほどかかります。妊娠がわかった時点で早めに相談に行った方がいいでしょう。必ず大丈夫とは言い切れませんが、いくら借りられるか、他を当たった方がいいのか、併用を考えるか等早めに目安をつけられるからです。
「出産 お金 足りない」でネット検索すると、キャッシングローンが出てくることもありますので、手軽に借りないよう要注意です。
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