なぜ貯蓄をしても老後が不安なのか
「老後資金」というと、多くの人が現役時代にせっせと貯蓄をし、定年までにたとえば4000万円、あるいは5000万円の資金を作り、それ以降は年金と貯蓄を少しずつ取り崩しながら、生活費を捻出するというイメージを持っていると思います。つまり、定年後は年金以外にキャッシュフローを得られないことが、老後の資金計画の前提になっているのです。
だから、いくら貯蓄額を増やしても、老後の不安感がなかなか払拭されません。しかも、いつ人生を終えるのかが分からないから、想定以上に長生きするリスクに備えて、貯めたお金を使わない。
結果的に、何のための資産形成か分からないまま、人生を終えてしまう。そんな人が多いのではないでしょうか。
老後にキャッシュを得る方法は2つ
こうした老後不安を解決する方法があります。それは、自分でキャッシュを得るノウハウを、身に付けることです。方法は何でもよいと思いますが、恐らく2つに集約されると思います。ひとつは働くこと。定年後、再就職してもよいでしょう。私の取材先の方は、金融機関を定年退職した後、自分で会社を立ち上げ、さまざまな方面でご活躍です。自分の身体を使って働き、キャッシュを得るのは、労働の基本であり、一番確実にキャッシュを手にできます。
もうひとつの方法は、資産運用です。老後の資産運用は、投資信託で長期にわたって積み立てていくのが王道ですが、「キャッシュを生み出す」という言葉の奥に、何となく、もう少し積極的に資産運用に関わってはどうかというニュアンスを感じるのは、私だけではないと思います。
言葉は悪いのですが、「日銭稼ぎ」です。
投資は若いうちにやってみて経験を積む
資産運用で日銭稼ぎといえば、トレードです。株式の個別銘柄でも、FX(外国為替証拠金取引)でもよいのですが、売買によって差益を確保できれば、キャッシュを得ることができます。投資信託の長期積立は、それこそ自分が今、いくら利益を得ているのかが分かりにくく、それが長期積立を続けるうえで有効なのですが、やはり日銭を稼いだという実感には欠けます。
もし、トレードのノウハウがある程度身に付いていれば、「いつでも自分はお金を得ることができる」という自信にもつながるでしょう。この自信があるのとないのとでは、定年後の生活が大きく違ってくると思います。
ただ、トレードのノウハウは一朝一夕で身に付くものではありません。もっと言えば、損をせずに身に付くものでもありません。なので、若いうちから少額資金で投資をし続け、幾度となく損をしながらも、少しずつトレードのノウハウを身に付けていくのが肝心なのです。
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