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話題の日本ワイン!悩んだ末のおすすめ3選

近年、「日本ワイン」の注目度が上がっています。日本で栽培されたブドウだけで造られている「純日本産」というだけでなく、やはり日本の料理には日本のワインが自然としっくりくる、からなのかもしれません。悩んだ末、おすすめの日本ワインを選んでみました。

名越 康子

執筆者:名越 康子

ワインガイド

注目の日本ワイン!国内ワイナリーも増加中

近年、日本で栽培されたブドウだけから造る「日本ワイン」の注目度が上がっています。“純粋な日本のものだから”、という魅力だけではなく、“日本で生まれ育った食材で作る料理には、日本のブドウで造るワインが自然としっくりくる”、からなのかもしれません。いいワイナリーもたくさんあるのですごく悩みましたが、いまおすすめしたい日本ワインをいくつか選んでみました!

ちなみに今、日本にワイナリーがどのぐらいあるかご存知でしょうか。2014年時点で178社ありました。大手の数は変わりませんが、最近毎年小さなワイナリーが新たに出来上がっていますから、2020年の東京オリンピック開催の頃にはもしかすると200社を越えているのではないでしょうか。でも、大半は本当に小さなワイナリーが占めています。

都道府県別に見てみると、圧倒的に多いのはワイン造りの歴史も長い山梨で58社。次に長野の18社、山形の11社と続きます。統計では北海道が9社ですが、既に10社を上回っているはずです。でも、ワイナリーが存在しない県もありますし、1県で5社未満のところが多いようです。

ですから「日本のワインが美味しくなった」という声もたくさん聞くのですが、「いいなぁ」と思っても既に売り切れ御免、ということもしばしばです。ともあれ、今入手可能なものの中からおすすめします。

日本の涼しい産地ならでは!「椀子ヴィンヤード シラー」 

「シャトー・メルシャン」は多くの銘柄を造っているので、何度か飲んだことがある人も多いのではないかと思います。

「椀子」と書いて「まりこ」と読むブドウ畑は、長野県にありとても標高が高い場所です。ここから生まれるシラー種で造る赤ワインが、ちょっと注目を浴びています。なぜならば、シラーといっても産地による気候条件で様々な顔を見せるのですが、椀子のシラーは涼しい産地特有の「胡椒の香り」がはっきりと感じられ、その香りの元となる成分についても科学的に証明されていて、ふんだんにあると確認できたからなのです。

これから日本のシラー種は、ますます期待が高まりそうです。
シャトー・メルシャン  椀子ヴィンヤード シラー 
椀子ヴィンヤード。左の男性がチーフワインメーカーの安藏氏

椀子ヴィンヤード。左の男性がチーフワインメーカーの安藏氏


小さくて面白いワイナリー発見!「CFAバックヤードワイナリー」

栃木県のラムネ屋さんが、その裏庭のガレージで造っているという「CFAバックヤードワイナリー」に、2016年初夏に行われた「日本ワインまつり」で出会いました。造っている増子父娘は、実は何軒もの日本のワイナリーの立ち上げに関わっている醸造家だったのです。

私が味見したのは「甲州」でしたが、こちらは残念ながら現在は在庫がないようです。でも、赤なら「マスカット・ベーリーA」がまだあるようです。中身だけではなくラベルにもこだわっています。是非手にとって味わってみてください。
CFA バックヤードワイナリー
CFAバックヤードワイナリー。たくさんの事柄が記されているこだわりのラベル

CFAバックヤードワイナリー。たくさんの事柄が記されているこだわりのラベル


がんばれ九州!いまこそ「九州ワイン」を楽しむチャンス!

私が九州のワイナリー取材に行ったのは、2014年の1月のことでした。九州といえば南国のイメージがありますから、一体どのような環境で皆さんワインを造っているのだろうか、と興味津々で出かけました。

最も大変だと感じたのは、宮崎の都農(つの)ワインを訪問した時のことです。まさに台風との戦いを毎年繰り返していると聞きました。多くのハンディを抱えていても、地元から愛されるワインを造り上げているチームワークを見てある種の感動を覚えました。この時に「地元愛」って本当に大切なのだと感じました。

通常はどのワイナリーも地元消費がほとんどなので、九州から外へ売る量がないほどだそうです。でも、今年の「日本ワインまつり」に駆けつけた九州のワイナリーの方に聞いたところ、2016年4月の地震以来、地元での消費が例年のようにはいかない、とのこと。

ならば、九州の外に居る人たちにとっては好機です。いつもは手に入りにくいワインを、ぜひ飲ませていただきましょう!

熊本ワインのフラッグシップ「菊鹿シャルドネ」がまだ少しあるようですよ。菊鹿の中でも単一区画ものの「五郎丸 シャルドネ」は、ラグビーの五郎丸選手が有名になってから更に入手困難のようですが。
熊本ワイン  菊鹿シャルドネ樽熟成
熊本ワインのボトル大集合!

熊本ワインのボトル大集合!


大分の安心院葡萄酒工房で、瓶内二次発酵で造っている本格派。シャルドネの綺麗な姿が映し出されていますよ。菊鹿シャルドネもこちらのスパークリングも、たくさんの賞を獲得しています。
安心院葡萄酒工房  スパークリングワイン
安心院葡萄酒工房で瓶内二次発酵している様子

安心院葡萄酒工房で瓶内二次発酵している様子


宮崎の都農ワインの人気No.1、ほんのり甘いキャンベルのロゼもちょっと甘めの日本の家庭料理にちょうどよいですが、こちらの辛口のロゼスパークリングも気軽に毎日の食卓にぴったりです。南国からの爽やかな風、という感じ。
都農ワイン  ホワイトマスカット・ベリーA スパークリングワイン
都農ワイン。ブドウの生育状況を細かに記した定点観測の巻物がある。こういった細かな仕事が気候のハンディを克服しているのです

都農ワイン。ブドウの生育状況を細かに記した定点観測の巻物がある。こういった細かな仕事が気候のハンディを克服しているのです


大分の久住ワイナリーは、標高の高い久住(くじゅう)高原にあります。夏はさぞかし気持ちのよい空間でしょう。メルロと山ブドウの交配種「くしふるの夢」から造られているここだけの赤ワインには、素朴さと力強さがあります。
久住ワイナリー  くしふるの夢 こちらはドライタイプとマイルドタイプがあります
久住ワイナリー。1月の画像なので少し寂しいですが、本当に高くて涼しい立地にあります

久住ワイナリー。1月の画像なので少し寂しいですが、本当に高くて涼しい立地にあります


いかがでしたでしょうか。是非これからはもっと「日本ワイン」を味わい、楽しんでいただきたいと思います。

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