龍真咲の新人時代

『DRAGON NIGHT!!』

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

龍さんがまだ下級生の頃、バウホール公演を観て驚きました。なんて存在感の強い生徒さんなのだろう……と。「この人は、やがて間違いなくトップスターになる!」……そう確信したものでした。

その時受けた感覚……堂々とした押しの強さにキラキラとしたスターのオーラは、どんどん大きくなりました。2006年、ショー形式のバウワークショップ『Young Bloods!!』で主演。2007年、『パリの空よりも高く』新人公演で初主演。2009年、バウホール公演『二人の貴公子』を、明日海りおさんとW主演します。

龍真咲の魅力と実力を広く伝えたのが、ロックミュージカル『HAMLET!!』。赤い衣装に身を包んだ登場シーンから目が離せませんでした。迫力と危なげな色気、抜群の歌唱力と滑舌の良さ、ひと言ごとに心動かす台詞。とてつもない、新しいシェークスピア劇を作り上げました。

月組の三番手、やがて二番手のポジションとなり、本公演でも大役を与えられていきます。
『エリザベート―愛と死の輪舞―』のルキーニ、『THE SCARLET PIMPERNEL』のショーヴランとアルマンなどで、歌唱力の高さや、的確で開放的な演技を改めて感じました。

龍真咲 月組トップスターへ

愛希れいかさんを相手役に迎え、月組トップスターに就任したのは2012年でした。

トップスターお披露目公演は『ロミオとジュリエット』。長年、同志として、またライバルとしてお互いを高め合ってきた現・花組トップスター明日海りおさんが、二番手ではなく、準トップスターというポジションで、主役ロミオも、龍さんと明日海さんの役替わりとなりました。ファンの方々には、複雑な想いもあったでしょう。しかしそれにより、本来なら出会えなかったであろう、とても魅力的なティボルトも観ることができたのです。

『ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-』

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

ロミオ役では、持ち前のキラキラ感に、少し大人びた雰囲気で、繊細で美しいロミオを誕生させました。伝説に残る「僕は怖い」は、ただただ素晴らしいのひと言。凄みに色気のあるティボルトでは「本当の俺じゃない」「今日こそその日」を聴かせ、冷たいナイフのような狂気と苦悩を熱演。ロミオ、ティボルトと、立場は違えども、それぞれの揺れ動く青年の内面を巧みに表現しました。

次の本公演『ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-』でも、オスカルとアンドレの二役を演じました。どちらも、一つ一つの動きがまさに劇画から抜け出したよう。中でも、オスカルの見せ場である、アンドレと結ばれる場面からアンドレの死、バスティーユ攻撃、自身の死へと続く各名場面は絶品! 男性を率いる近衛隊の隊長であるオスカルと、恋もする可愛い女性としてのオスカル。ともすれば、二人の人間を演じているように見えてしまう難しい役ですが、一貫して一人のオスカルを、なめらかに演じぬきました。