宝塚ファン/宝塚歌劇の舞台とバックステージ

スタッフの稽古期間中―演出家編

稽古期間中のスタッフ……今回は「演出家」。稽古はどんな風に進んで行く? そして舞台に立つタカラジェンヌたちをどう料理するのでしょうか…?

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

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一般の舞台、映画、TVなどでは、脚本家と演出家が別々な場合が多いですよね。しかし宝塚の場合、脚本家と演出家は同一。脚本を書いた人間が自ら演出も手がけます。ですからここでも「演出家」と一口に呼んでしまいます。

宝塚の演出家は、そのほとんどが座付きの演出家。それを大きく二つに……芝居とショーに分けてみましょう。
まず、芝居の演出家編。

稽古初日の集合日には、まず“本読み”が行なわれます。
作品のあらすじ、意図や時代背景、流れなどについてを演出家は話し、それを出演者である生徒が感じるためのもの。ですからこの段階では、感情面や動きについての演出はしません。

その後、第一場から順番に、立ち稽古を始めます。
台詞がまだ入っていない(覚えていない)生徒は台本を手にしたままですが、動きを付けてゆきます。

「下手から出てきて……」「その台詞の間は椅子を使いましょうか……」「上手に引っ込んで……」「ここで、この花を相手に差し出して……」
そうした指示を、場面ごとに演出してゆきます。

あまり事細かに動きを指示するわけではありません。大まかな部分、芝居の段取りとして決めておかなければならない部分だけ。

台詞が入り全場面の段取りを把握してゆくにつれて、生徒たちは感情を入れて動くようになります。ここが、演出家の腕の見せ所かもしれません。

実際舞台で演じるのは生徒本人。だからと言って、自分の思いのままに芝居をしてしまったら、演出家のイメージから外れてしまうこともあるでしょう。
度重なる立ち稽古の中、「今日はこうやってみよう。」と生徒たちがぶつけてくるものを、それが良いものであればOKを出し、間違った方向に進んでいればNGを出し…。

そうやって立ち稽古を進めてゆく間にも、振付や歌稽古は平行して行われ、ダンスや歌もどんどん立ち稽古に入れてゆきます。
ダンスや歌が入ってくると、またそれで芝居の動きや感情が変わってくるのはもちろんのこと。
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