ワイン/ワイン産地と生産者のレポート

情熱のブラジルワイン!おすすめ10選

リオ五輪の余韻が残るブラジル。思い出のお伴は、絶対にブラジルワインがおすすめ!長い歴史の中ではぐくまれたブラジルワインの奥深さを紹介しよう。

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド

第31回リオ五輪大会の余韻が残るブラジル。思い出のお伴は、ビールだろうか、ブラジル産の蒸留酒カシャッサで造る人気カクテル「カイピリーニャ」だろうか。

……いえいえ、絶対に今ならブラジルワインがおすすめなのだ! え、ブラジルにワインがあるのかって? もちろん、ありますとも! さっそく歴史とともにおすすめワインをご紹介しよう。

移民文化が生み出した多彩なブラジルワイン

16世紀、大航海時代。ポルトガル人がブドウ樹をこの新大陸の地に持ち込んだ(1532年)ことがワイン造りの起源。場所は現在のサンパウロ州。恵まれた気候風土のなかブドウ畑は徐々に広がり、その後17世紀にはスペインの修道会が、現在でも良質なワインを生むリオ・グランデ・ド・スル州でブドウ栽培を行い品質向上に努めたのだ。
ブドウ畑に囲まれるシャトー

ブドウ畑に囲まれるシャトー(Photo:Kenta Fujiki)

19世紀にはワインの本場、イタリア・ヴェネト州からの移民たちによって本格的なワイン造りが始められ、20世紀に入ると相次いで大規模ワイナリーが登場し近代設備で良質ワインをブラジルの食文化とともに広め、独自のワイン文化を生み出してきた。
ワインカラーのワイナリーがかわいい

ワインカラーのワイナリーがかわいい(Photo:Kenta Fujiki)

そう、実はブラジルワインの歴史は500年近い歴史があるのだ。おどろきでしょ。そのうえブラジルワインはとてもバラエティ豊か。その理由は、ヨーロッパのワイン伝統国から流入したさまざまな移民文化によって、多彩な品種と製法がこの地にもたらされたからだという。


四季のあるブラジルワインの産地

赤道直下のブラジルであっても美しい四季のある地域がある。それがワイン産地でもあるブラジル最南端、リオ・グランデ・ド・スル州。冬にはなんと雪も降り氷点下まで気温が下がるという。
朝夕の寒暖差がおいしいブドウを生み出す

朝夕の寒暖差がおいしいブドウを生み出す(Photo:Kenta Fujiki)

そのうえ広大なブラジルにはまだまだブドウ栽培に適した地域がある。たとえ地球温暖化が進んだとしても可能性を見いだせるのがブラジルなのだ。これからワイン産業の未来にとってポテンシャルの高い場所とみなされている。
ブドウの収穫は毎年2~3月

ブドウの収穫は毎年2~3月(Photo:Kenta Fujiki)

ちなみに、ブドウの収穫時期は2~3月にかけて。北半球ではブドウの収穫は9~10月だけど、南半球は全く逆の時期。たわわに実るブドウを眺めながらのワインツーリズムはじわじわと人気になっているとか。日本の冬にこの地を訪れるのもきっと楽しいに違いない。

さて、日本で飲めるブラジルワインのおすすめの2社から10銘柄を厳選してご紹介しよう。

創業140年のトップメーカー「カーサ・ヴァルドゥーガ」

カーサ・ヴァルドゥーガは、南米一の規模を誇るスパークリングのトップメーカー。

1875年、イタリア・トレントからブラジルに移民したヴァルドゥーガファミリーにより設立されたワイナリー。ブラジルワイン界のなかでもいち早くシャンパーニュ製法(瓶内二次発酵)のスパークリングを発売したさきがけでもあり、現在も南米最大のスパークリング製造量を誇っている。
カーサ・ヴァルドゥーガのワインツーリズムも人気

カーサ・ヴァルドゥーガのワインツーリズムも人気(Photo:Kenta Fujiki)

ジャーナリスト、パトリシア・シュルツ著の「死ぬまでに一度は行きたい世界の1000ヵ所 南北アメリカ編」にも掲載される場所にワイナリーがあり、同社ではワインツーリズムも手がけている。ちなみに、ブラジル国内では高級レストランやワイン専門のみの取り扱い。
左から、アルテ・トラディショナル・ブリュット、レオポルディナ・プレミアム・シャルドネ、ライーゼズ・プレミアム・カベルネソーヴィニヨン

左から、アルテ・トラディショナル・ブリュット、レオポルディナ・プレミアム・シャルドネ、ライーゼズ・プレミアム・カベルネソーヴィニヨン


1. アルテ・トラディショナル・ブリュット (小売価格:2,600円)
アルテ・トラディショナル・ブリュット

アルテ・トラディショナル・ブリュット

シャンパーニュ製法と12か月の熟成を経て造られたきめ細かい泡が特徴のスパークリング。品種は、自社畑のシャルドネ60%、ピノ・ノワール40%。Brazilian Sparkling Wine Competition2009年金賞、Concours Mondial de Bruxelles2009年特別金賞、ほかコンクール受賞も多数。

ドライなアタックにアフターには心地いいフルーティーさが。ブリュット過ぎない風味が特徴。乾杯にはもちろん、前菜料理とともに、またお寿司や天ぷらなどの和食とも素敵な相性。


2.カーサ・ヴァルドゥーガ レオポルディナ・プレミアム シャルド(小売価格:2,300円)

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カーサ・ヴァルドゥーガ レオポルディナ・プレミアム シャルド

厳選シャルドネ100%使用。ワイン名の「レオポルディナ」とは、オーストリア・ハプスブルク家から当時のポルトガル領ブラジルに嫁いだ王妃マリア・レオポルディナに由来している。王妃は1822年のブラジル独立に貢献し、「国民の守護天使」「国家の母」「独立の祖」と称賛されており、現代のブラジルでも気高い女性のシンボルとして描かれいる。

トロピカルフルーツのような濃厚な果実風味が特徴。軽めのコクには、クリームやバターを使った魚介料理と。また、ローストチキン、豚しゃぶなどのお肉料理ともイケる。日本のコンクールSakura Wine Award2014で銀賞受賞。

3. カーサ・ヴァルドゥーガ ライーゼス・プレミアム カベルネ・ソーヴィニヨン(小売価格:2,300円)
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カーサ・ヴァルドゥーガ ライーゼス・プレミアム カベルネ・ソーヴィニヨン(Photo:Kenta Fujiki)

完璧に熟す優良ブドウ産地として知られる「カンパーニャ」で栽培されたカベルネ・ソーヴィニヨン100%使用。フレンチオークで8ヶ月間熟成。「ライーゼズ」とはルーツの意味。

品のいい渋味はやっぱり肉料理と。脂の少ない赤身肉にはもう最高の相性。また、スパイスを利かせたハンバーグやバーベキューともおすすめ。

4. カーサ・ヴァルドゥーガ デュエット シャルドネ&リースリング(小売価格:1,800円)
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カーサ・ヴァルドゥーガ デュエット シャルドネ&リースリング

デュエットという名が示す通り、2つの品種のハーモニーを楽しむシリーズ。卓越したブレンド技術を誇るカーサ・ヴァルドゥーガならではの商品。この白ワインは、ふくよかな味わいのシャルドネとフレッシュさが特徴のリースリングのデュエットを楽しめるタイプ。シャルドネ50%、リースリング50%。

うんと冷やして最初の一杯に。シーフードサラダ、シーフードマリネ、シーフードパスタなど軽めの料理とカジュアルに。

5. カーサ・ヴァルドゥーガ デュエット ピノ・ノワール&シラーズ(小売価格:1,800円)

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カーサ・ヴァルドゥーガ デュエット ピノ・ノワール&シラーズ

2つの品種がデュエットを奏でるシリーズ。こちらはピノ・ノワール&シラーズ。一見珍しい組み合わせ。華やかさとスパイシーさが相まって、複雑なハーモニーを奏でるワイン。ピノ・ノワール50%、シラーズ50%。

冷やして飲みたい赤ワイン。韓国風焼き肉、スパイスたっぷりのエスニック風牛肉サラダ、バッファローチキンとも楽しい組み合わせ。

南米ベストワイナリーに選ばれた「ミオーロ」

ミオーロ社は、1897年、イタリアより移住したジュゼッペ・ミオーロが創設。1970年には彼の孫達の代となり、高品質なワイン用ブドウ品種を積極的に植栽したことにより、今日のような南米屈指のワイナリーに成長した。現在では、4代目が経営に携わり450haの自社畑を所有。創設から100年以上の歴史を持つブラジルを代表する家族経営のワイナリー。
トロピカルムード漂うミオーロのワイナリー

トロピカルムード漂うミオーロのワイナリー(Photo:Kenta Fujiki)

ワイン専門誌「スペクテイター」が行った世界18,000人の読者による人気投票では、「南米のベストワイナリー」に選ばれ、フランスで毎年開催される「世界スパークリングワインコンクール」では数々の賞を受賞している。
ミオーロのワイン。右からスパークリング、ソーヴィニヨンブラン、ピノノワール、セレソン・ピノグリージョ&リースリング、セレソン・カベルネ・ソーヴィニヨン

ミオーロのワイン。右からスパークリング、ソーヴィニヨンブラン、ピノノワール、セレソン・ピノグリージョ&リースリング、セレソン・カベルネ・ソーヴィニヨン


1. ミオーロ キュベ・トラディション ブリュット(小売価格:2,600円)
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ミオーロ キュベ・トラディション ブリュット

完熟したブドウをそのブドウ自体の重さで自然と流れ出た一番搾り、いわゆる「フリーランジュース」のみからから造られるため、淡くクリアで透明度の高い色合いと生き生きとした果実の風味が生きたフレッシュな味わいに仕上がっている。また、12ヶ月の瓶内熟成によりきめ細やかでクリーミーな泡も人気の秘密。50%シャルドネ、50%ピノ・ノワール。Concurso International de Vinhos do Brazil 2006金賞、Effervescents du monde2003銅賞受賞。

乾杯のお酒として。生ガキなど新鮮な魚介類と。イカや小魚などのフリッター、ポンデ・ケージョなどもちもちスナックをおつまみに。

2. ミオーロ・リゼルバ ソーヴィニヨン・ブラン(小売価格:2,300円)
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ミオーロ・リゼルバ ソーヴィニヨン・ブラン

空飛ぶワインメーカーとして知られるワインコンサルタント、ミッシェル・ローラン氏と契約し生み出された、味わい、品質、知名度ナンバーワンのワイン。このリゼルバは、手摘みしたブドウをさらに選別台で選りすぐった無傷の完璧なブドウを使用。雑味がなくブドウそのものの凝縮した味わいが洗練度をもって熟成される。ソーヴィニヨン・ブラン種の個性である柑橘系のフレッシュフレーヴァーと極めつけにインパクトのある酸味を最大限に引き出した傑出の白ワイン。

天ぷら、から揚げなど揚げ物と一緒に最高の組み合わせ。心地い酸味が脂分をすっきりさせ、素材の旨味を引き立ててくれる。

3.ミオーロ・リゼルバ  ピノ・ノワール(小売価格:2,300円)
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ミオーロ・リゼルバ  ピノ・ノワール

故郷ブルゴーニュ以外では本領っ気が難しいといわれるピノ・ノワール。このリゼルバは、丁寧に手摘みしたブドウをさらに選別台で選りすぐり完璧な無傷果実のみを使用。雑味が完全に消えた洗練された味わいが生み出される。また、常に低温で管理される醸造中にはゆっくりと丁寧に櫂入れし(タンクをかき回す)、美しく輝きのあるルビーの色合いと滑らかなきめの細かいタンニンになるような配慮をしている。女性が審査をするSakura Wine Award2014では銀賞受賞。

ピノのジューシーさにはなんてったってトマトソースとの相性が抜群。パスタやピッツァ、魚でも肉でもトマト煮込みとは有無を言わさない美味しさを体験できるはず。

4. ミオーロ・セレソン ピノ・グリージョ&リースリング(小売価格:1,600円)
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ミオーロ・セレソン ピノ・グリージョ&リースリング

セレソンとは「代表する」の意味。このシリーズはブラジルワインのまさにセレソンとしてブラジル本国でも人気のワイン。ステンレスタンクで醸造され、淡く軽快な色合いで、完熟の洋ナシやアプリコットのようなフルーティーな香りが印象的。イタリア品種であるピノ・グリージョの特徴であるほろ苦さとリースリングの繊細な酸味がきれいに調和しているワイン。ピノグリージョ50%、リースリング50%。

最初の一杯やフレッシュなスライスオレンジやパイナップルとソーダでブラジリアン・サングリアなどいかが。

5. ミオーロ・セレソン カベルネ・ソーヴィニヨン&メルロー(小売価格:1,600円)
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ミオーロ・セレソン カベルネ・ソーヴィニヨン&メルロー

丁寧に手摘みされた完熟ブドウを使用し、オーク樽熟成とステンレスタンク熟成を1:9のバランスでブレンド。チェリーやクランベリーの香りにオークの落ち着いた香りがプラスされた柔らかな飲み口のワイン。赤ワインファンが日常的に楽しめるタイプ。カベルネ・ソーヴィニヨン50% 、メルロー50%。

これぞシュハスコ(シュラスコ)と一緒に飲みたいワイン。軽めのお肉から上質のお肉まで、牛肉、豚肉、鶏肉、ソーセージ、チーズまで幅広く受け止めてくれる許容量のある赤ワインだ。


ブラジルワインを飲めるお店&オンラインショップ

シュハスカリア キ・ボン
浅草にあるアットホームな雰囲気のブラジル料理店。実はここ南米で絶大な人気を誇るスポーツ用品のATHLETAが運営している。シュハスコ(シュラスコ)は常時12種類楽しめ、お肉だけじゃなくサラダバーにはバラエティ豊かな野菜料理が並び栄養バランスもばっちり。カップルからグループや貸し切りもOK。もちろんサンバダンサーズの予約も可能。ミオーロワインとともにわいわい楽しんで。
貸し切りパーティーも可能

貸し切りパーティーも可能


■ビアアワ オンラインショップ
カーサ・ヴァルドゥーガとミオーロが購入できるオンラインショップ。


今回のリオ五輪やサッカーでブラジルを知る人は多いだろう。でもブラジルはスポーツだけじゃない。長い歴史の中ではぐくまれたワインと食文化がある。今回のリオ五輪をきっかけに、ブラジルワインをぜひ体験していただきたい。その奥深さと洗練された味わいのとりこになることきっと請け合いだ。
ビバ!サンバ!
ビバ!ブラジル!
ビバ!ヴィーニョ・デ・ブラジル!

写真協力:藤木ケンタ(Kenta Fujiki)

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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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