光熱費や快適性に関わる:換気法

どうなっているか分かりにくい部分としては、「換気方法」があります。マンションの換気方法には第一種換気法または第三種換気法が用いられます。建設コストは「第一種換気法>第三種換気法」となりますが、採用する換気法によって快適性など暮らしの質やその後の光熱費にもかかわる部分なので、見た目の価格に取らわれずここはしっかり吟味していただきたい部分です。

第一種換気法と第三種換気法

第一種換気法は、給気も排気も機械で制御する方法です。計画的な換気ができ、熱交換型を採用してあれば省エネ効果も高く、より快適な居住性を得ることができます。高級以上のマンションでの採用が多い換気法です。
第一種換気法と第三種換気法

第一種換気法と第三種換気法


一方の第三種換気法は、壁についている給気口から直接外気を取り込み、排気は換気扇など機械で行います。問題点は、夏場はせっかく冷房した室内に給気口から暖かい外気を直接取り込むこと、冬場は反対に暖めた室内に給気口から冷たい外気が直接入ってくることです。

そのため、給気口の近くにいると風がスース―通って不快に感じたり、エネルギーロスが大きく室温が一定しないデメリットがあります。今のところ一般的に広く採用されているのはこの第三種換気法で、格安物件もほぼこちらの換気法となっていると思います。

反対に、このようなわかりにくい部分でもきちんと対応しているマンションは、さすがだな、と感じる部分でもあります。

大切だけどコストダウンされやすい:窓

価格が手ごろな物件でもっとも気を付けなければならない部分は「窓」です。今ではマンションでも複層ガラスやそれに遮熱や断熱の機能を付加したLow-Eガラスの窓が普及していますが、いまだ単板ガラス(たんばんがらす)を採用している物件も見かけます。
新築マンションを買って冬に窓に結露がびっしり発生したら、残念ながら窓でコストダウンした可能性が高いです

新築マンションを買って冬に窓に結露がびっしり発生したら、残念ながら窓でコストダウンした可能性が高いです


単板ガラスは一枚のガラスだけでできており、一昔前の住まいではこの単板ガラスが一般的ではありましたが、断熱性・省エネ性の観点や結露の発生など問題も多いことから、これから購入するのであればできるだけ単板ガラス採用の物件は避けたほうがよいでしょう。

モデルルームを見ていても、「このマンション手ごろな価格だな」という物件はこの窓の部分でコストダウンをしている場合が多いです。必ずチェックしていただきたいと思います。

外壁タイルのコーナーや天端(てんば)はどうなっている?

もうひとつの見極め方法ですが、マンションの外廊下やバルコニーの外壁や手すりがタイル仕上げの場合、手すりの天端(てんば)(=上端)は何で仕上げてあるか見てみてください。

もし、同じタイルが張ってあれば比較的グレードが高いマンションで、天端だけが吹き付け仕上げになっていれば、そのマンションはコストを抑えているマンションです。天端に使用する90度に曲がったタイルを役物(やくもの)タイルと言いますが、この役物タイルは価格が高いため、手すりの天端や角などで役物タイルが必要な部分に、替わりに吹き付けを行うことでコスト削減をしているのです。

バルコニーの天端を吹き付けタイルにしている例(イメージ)

バルコニーの天端を吹き付けタイルにしている例(イメージ)


この手法は比較的多くの物件で取り入れられており、吹き付け材の色によってはアクセントになったり、デザインの一部となっていたり、特に違和感なく溶け込んでいるものも多くあります。住まいそのものの性能や品質になんらかの影響を与える部分ではないこと、かつ見た目が特に気にならないようであれば、そのコストダウンした分が価格に反映されているのであれば、よしとするという考え方もありでしょう。

そのコストダウンは許容できる?できない?

お得感のあるマンションは魅力的ではありますが、健康な暮らしを営むために最低限必要な部分や、居住性や資産価値まで左右するような大切な部分まで、カットしてしまうような物件はお勧めできません。

もし、他に比べ安価な物件を見つけたら、どのような部分でコストを削減しているのか、それは自分にとって許容の範囲内のことなのかを、しっかり見極めて購入を決めていただきたいと思います。


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