作り方の手軽さも魅力? デトックスウォーターとは
さまざまな果物や野菜を入れて作るデトックスウォーター。手軽に作れてダイエット効果もあると言われ、人気です。実際に効果はあるのでしょうか?
さらにこのデトックスウォーター、使用する果物や野菜などによって、便秘解消、脂肪燃焼、美肌、ダイエット、むくみ解消に効果があると、美容効果の面でも脚光を浴びています。このような効果は本当に期待できるのでしょうか?
デトックスウォーターの効果はどの程度期待できる?
デトックスウォーターは果物や野菜に含まれる水溶性の栄養素が水に溶け込むため、デトックス効果があるとされています。この方法は、日本人が昔から好んできた「茶」によく似ています。茶は茶葉が持つ成分を湯に溶け出させますので、ビタミン類は若干、壊れてしまっているかもしれませんが、原理としては近いでしょう。一つの例として、茶葉そのものと、その浸出液であるお茶の栄養素を、『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』の数字で比較してみます。煎茶は10gを430mlの湯に入れて煎じた結果の100ml分ですので、比率としては100mlなら2.3gの煎茶を煎じたことになります。抹茶は2gくらいを60mlの湯で点てるそうなので、100ml飲むのであれば3gくらい。そこで、この量で比較した表を示します。
いかがでしょうか? ビタミンCのように期待通りお茶に抽出できているものもありますが、水溶性の食物繊維などは測定すらされていません。あっても微量だと考えられているためだと思います。
茶葉とお茶の関係と同じく、デトックスウォーターも然り。果物や野菜に含まれている栄養素がすべて水に溶け出すかと言われると、「分からない」と答えるしかありません。そうなると、期待されている効果が得られるかと言われるとこれも科学的な裏付けははっきりしないわけで、「分からない」と答えるしかなさそうです。
とはいえ、味のない普通の水は飲みづらいと思っている人にとっては、果物や野菜のフレーバーがつくことで、水分補給がしやすくなることは確かでしょう。過度に美容効果や栄養素を期待して飲むというよりは、美味しいから飲むというような嗜好品としてとらえるのがよいように思います。
デトックスウォーターの注意点は? 残留農薬、妊娠中など
デトックスウォーターを作るにあたって、「皮つきの果物」を使うことによる残留農薬の影響を気にする人も多いようです。残留農薬等に関しては、輸入をする際に人体に影響がない量であるかどうかのチェックが厳しく行われています。そのため、基本的には問題ないと考えてかまいません。しかし、害虫を駆除するための農薬ですから気になる人もいると思います。その場合、皮をむいて使うか、農薬を使わずに育てた商品を使うのがよいでしょう。また、妊産婦が飲んでも大丈夫か心配する人もいるようです。結論から言えば、妊産婦が飲んでも特に問題はないでしょう。もともとの原材料は水と果物や野菜です。特に身体に悪い成分が入っているわけではありません。安心して召し上がってください。
ただし、心配事が1つだけあります。デトックスウォーターは水に果物等の生ものを入れて数時間放置して作ります。加熱をする工程がありませんので、加熱による殺菌をすることができません。衛生にはしっかり気をつけて作るようにして下さい。とくに、これからの暑いシーズンは冷蔵庫内でも野菜や果物が傷みやすくなっています。デトックスウォーターのように加工した果物はさらに傷みやすい状態です。飲みきれないからと室温に放置したり、冷蔵庫で保管するとしても何日も保存したりすることは避けてください。
デトックスウォーターを作るなら、水? 炭酸水?
デトックスウォーターを作るときの水は何を使えばよいか?というのも、よく聞かれる疑問です。これは「美味しければどの水を使ってもいい」と思います。水と炭酸水だけでなく、炭酸の入っていない水にも硬水と軟水があります。入れる材料との相性や好みに応じて、いろいろ試してみると面白いのではないでしょうか。
デトックスウォーターはいつ飲むのが効果的か
デトックスウォーターと言っても、要は「水」です。「水が飲みたい」と思うタイミングであれば、いつ飲んでも大丈夫です。健康・美容の効果を意識した水を飲むタイミングでいうと、- 朝起きてすぐ
- お風呂に入る前
- お風呂から出たとき
- 就寝前
他にも、水は一気にコップ何杯も飲むよりも、少しずつ飲むほうがよいと思います。デスクワークであれば机の脇に置いておき、一口ずつ飲む、休憩時間に飲むなど、お茶やコーヒーと同様に飲んでください。
見た目に涼しげなデトックスウォーターを上手に使って楽しく水分補給をして、暑い夏を乗り切りましょう!