住宅ローンを返済できなくなったらどうする?

 「破たん」とはどういう状態をいうのでしょうか。辞書で調べてみると「物事が、修復しようがないほど、うまく行かなくなること」だそうです。それでは、住宅ローンが払えない(返せない)状態は人生が破たんした状態でしょうか。住宅ローンが返せなくなっても、人生の終わりではありません。「住宅ローンが返せない事態」が即ち「破たん」ではありません。

住宅ローン返せるのだろうか?

住宅ローンを返せるのだろうか?不安になった時の考え方



あなたが守るべきはマイホームではありません

あなたが守るべきはマイホームでは無く、あなたの家族です。住宅ローンを「死んで返す」という愚かな行為だけは絶対にしないでください。住宅ローンで、家族の笑顔を奪ってはいけません。

ガイドには自殺した人のご葬儀に参列した経験があります。棺桶の中に横たわるお父さんの前で崩れ落ちるように泣きじゃくる小学1年生くらいの男の子のことを、今でも思い出すことがあります。そして目頭が熱くなります。この子はこれから先、大好きなお父さんに抱きしめてもらう事も、手を繋ぐことも二度とないのです。もう二度と。

自殺は残された家族から笑顔を奪い去ります。この子はマイホームよりもお父さんに残って欲しかったに違いありません。

住宅ローン返済困難状況に応じた対策法

住宅ローンを返す為に、住宅ローンよりも高い金利のローンを借りることは絶対にしないでください。借金返済の為の高利借金は、借金地獄への入り口です。住宅ローンの返済が厳しいと感じた時、あなたが置かれた状況に応じて、次のような対策を取ることが可能です。是非、順番に読んで参考にしてください。

  1. 一度も返済遅れが無い場合
  2. 年齢的に住宅ローンの借り換えが難しい場合
  3. 今借りている銀行に相談
  4. 売却を否定しない
  5. 大きな誤解
  6. 絶対にしてはいけないこと
  7. 最後に

(1)一度も返済遅れが無い場合

まだ一度も返済に遅れたことが無い人は、まずは、住宅ローンの借り換えを検討しましょう。現在借りている銀行に相談に行くのはまだ早い状況です。住宅ローンの借り換えには、最初にローンを組んだ時と同様に「諸費用」が掛かりますが、その諸費用も合わせて、住宅ローンとして融資してもらえる金融機関が増えています。

住宅ローンの借り換えは、借り換え先の金融機関にとって、あなたへの融資は「新規融資」です。仮に「融資期間の延長希望をしたローン申込み」であっても、金融機関にとってあなたはお客様です。ただし、ここで注意が必要なのは、住宅ローンはもとより、自動車ローンやカードローン、携帯電話の支払いなど、分割支払いの返済に遅れが無い事が求められます。今の家を買う時に住宅ローンを組んだ時を思い出して下さい。同様の審査が待っています。

(2)年齢的に住宅ローンの借り換えが難しい場合

まだ一度も返済に遅れたことが無いものの、年齢的に住宅ローンの借り換えが難しい場合には、リバースモーゲージへの借り換えを検討しましょう。住宅ローンの残債をリバースモーゲージに借り換える方法です。

ただし、リバースモーゲージは、取り扱っている金融機関がまだそれほど多くなく、そして、融資のハードルは決して低くはありません。一戸建てにお住まいで、土地の評価が1000万円以上出るのであれば、検討の価値があります。(マンションでも築年数が浅く、銀行が担保価値ありと判断すれば、融資のテーブルに乗る可能性はあります。)
 

(3)今借りている銀行に相談

住宅ローンの借り換え、リバースモーゲージへの借り換えが難しい場合は、返済計画の変更(リスケジュール「リスケ」といいます)の相談を、住宅ローンを借りている銀行に相談して下さい。「返済期間の延長」もしくは「一定期間は元金の返済を据え置く(一定期間は利息の支払いだけにする)」等、ある程度応じてくれるでしょう。

ただし、現在借りている銀行に「リスケ」相談に行くと、あなたの債務者区分(銀行内の格付け)が引き下げられ、現在借りている金利の優遇が無くなるかも知れません。

例えば、基準金利(2.475%)、優遇金利(1.475%)の住宅ローンを借りていた場合、これまで支払っていた金利は1.0%(2.475%ー1.475%=1.0%)でした。しかしながら、リスケを理由に優遇金利が無くなれば、あなたが支払うローン金利は2.475%(2.475%ー0.0%=2.475%)となってしまう可能性があります。

また、この「リスケ」をした後で、他の銀行に「住宅ローンの借り換え」相談に行った場合、あなたは優良顧客ではなく「リスケを受けた顧客」と判断される為、住宅ローン借り換えの審査に通らなくなる可能性が高くなります。だからこそ、住宅ローン見直しの優先順位は「住宅ローン借り換え」を優先すべきなのです。

(4)売却を否定しない

住宅ローンの返済が難しいと感じたら、売却を完全否定しないことも大切です。あなたが守るべきは「家族」であって、「マイホーム」ではありません。最終的に、借金を返しきれなければ、これまで毎月返済してきたお金、そして、この先頑張って、なんとか返し続けるお金、このすべてがムダになる可能性があるのです。

もし、1日でも早く借金と決別する決断ができたのなら、その分、1日でも早く、生活再建に着手できます。売却した場合の時価と現在のローン残高を把握しておくことはとても大切です。

(5)大きな誤解

家を売る時に「ローン残高より高い価格でなければ、家を売ることはできない」と考えていませんか。「売却資金でローンを完済できないと、銀行は抵当権を抹消してくれない」と思っていませんか。確かに、普通には売れないかもしれません。しかしながら、これは大きな誤解です。自宅の売却時価がローン残債より低くても、金融機関との話し合い次第で家を売ることはできるのです。この売却方法を「任意売却」というのですが、銀行とあなた以外の第三者には、一般的な不動産売却との違いは分かりません。

「任意売却」は金融機関(債権者)との交渉がある為、任意売却に長けた不動産業者に相談することをお勧めします。それでも、各ご家庭の事情で「今は売れない」というタイミングもあると思います。そのような時は銀行に相談しに行き、「リスケ」相談を重ねます。もしくは、「任意売却」「リスケ」のほかには、次の手段もあります。これらの単語も是非、知っておいてください。

  • 競売
  • 個人版民事再生法、住宅ローン特則
  • 自己破産
 

●競売の特徴
・裁判所がすべて行うので、債務者の負担が少ない
・任意売却に比べて時間が掛かる(時間が掛かるのはデメリットだけではありません)

●個人再生手続きの特徴
・「小規模個人再生」や「給与所得者等再生」を利用した債務整理
・住宅ローン特則を使えば、自宅は売却せずに、住宅ローンとその他の債務とを分けて再生計画を立て、住宅ローン以外の債務が総額5000万円以下であれば、減額された債務を3~5年かけて分割返済して完済する(住宅ローンは減額されない)

●自己破産の特徴
・給与の差し押さえを止めることができる
・借金に追われている精神的苦痛から解放される

※個人再生や自己破産は、弁護士や司法書士に相談をお願いします。

(6)絶対にしてはいけないこと

絶対にしてはいけないこと。それは、自ら命を絶ち、保険金でローンを返済することです。繰り返します。死んでローンを返すという事は絶対にしないでください。あなたが守るべきは「家族の笑顔」です。家族の笑顔を守るために、すべきことを考えて下さい。

(7)最後に

「住宅ローン相談」とWEBサイトに記載しているファイナンシャル・プランナー(FP)などの専門家は、次のような相談を受け付けています。ご相談内容によっては、その専門家の知恵と知識そして法的な立ち位置から、あなたに最適と思われる専門家(弁護士・司法書士・不動産売買仲介業者など)を紹介してくれると思います。一人で悩まずに、相談のメールを一本入れてみて下さい。

【住宅ローン相談】
・住宅購入時の住宅ローン相談
・返済中の住宅ローン繰上げ返済相談
・返済中の住宅ローン借り換え相談
・返済困難時の住宅ローン債務整理相談

(参考文献としてガイドおすすめの本)
「『住宅ローンが払えない!』と思ったら読む本」 PHP研究所 高橋愛子著
「住宅ローン返済苦しくなったら読む本」 金曜日 保田行雄著
「住宅ローンで死ぬな!」 WAVE出版 田崎達磨著
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。