婦人科検診の内容や服装、頻度などを知っておこう
クリニックや検診センターによっては、婦人科検診の冒頭で問診があるところも
婦人科検診の中でも、とくに内診は「怖い」「痛そう」というイメージが強いかもしれません。しかし、重大な病気を予防したり早期発見したりするには大事な検査。なるべくストレスなく検診を受けるコツをお伝えしたいと思います。
婦人科で受けられるのは主に「がん検診」
婦人科で受けられる検診は、女性特有のがん検診が中心です。具体的には次の3つが挙げられます。 触診による「乳がん」の検診が含まれていることもありますが、触診のみの検診はあまり意味がありません。乳がん検診は、マンモグラフィーまたは超音波検査が必要です。会社の健康診断など、検診センターで行う場合は、婦人科検診と乳がん検診を合わせたメニューで「女性検診」として行っている場合もあります。
婦人科検診では内診やエコー検査などを行う
一般的に「婦人科検診」と呼ばれるものは、「内診」「クスコ診」「細胞診」を行う検診です。検診のメニューによっては、経膣エコー検査(超音波検査)がセットになっていたりオプションで選べるようになっていたりします。●内診
膣の中に指を入れてお腹を上から押さえて子宮の大きさや可動性や「押した時の痛み」がないかどうか、また卵巣の腫れなどが触れないかを調べます。
●クスコ診
「クスコ」という検査器具を膣内に入れて内部を観察します。子宮の出口にポリープなどがないか、膣の壁に異常がないか、おりものに異常がないかを目で見て確認します。
●細胞診
子宮の出口側(頸部)や子宮のお部屋の中(内膜)の細胞をブラシなどでこすり取って、顕微鏡で調べる検査。子宮頸がんや子宮体がんの有無を調べます。通常の検診メニューに含まれている「子宮がん検診」は、子宮頸部の細胞診のみのことがほとんどです。
●経膣超音波検査(エコー検査)
細い超音波の機械を膣から入れ、子宮や卵巣を映し出す検査です。子宮の形や大きさ、卵巣の腫れの有無などを確認します。
子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮奇形・子宮内膜ポリープ・子宮内膜症・卵巣嚢腫・卵巣がんなど、超音波検査でチェックできる病気は多くあります。できれば検診時に一緒に受けておくことをおすすめします。
処女でも婦人科検診は受けられる?内診は痛い?
婦人科検診の内容で不安や疑問があれば、検査が始まる前に確認しておくと安心
まれに、緊張が強すぎたり膣の壁が固くなっていたりして、痛みを感じる方がいらっしゃいます。緊張してお尻を持ち上げてしまうと、内診が難しくなり、返って痛みを伴いやすくなってしまいます。できるだけお腹とお尻の力を抜いて、ため息をつくように口から「ふ~」っと息を吐くのが、内診時の痛みを軽減するコツです。
また、検査に用いるクスコにはサイズがあるので、痛みが心配な場合はあらかじめ医師に「小さめのクスコで検査をお願いします」と伝えるのもよいでしょう。
生理中は婦人科検診を避けるべき?
月経中に検診が行えないわけではありませんが、特に細胞診は出血がある時期は避けた方がベターです。細胞をこすり取る時に血液もたくさん混ざってしまうと、顕微鏡で見ても正確な検査が行えず、「再検査をしてください」という結果が返ってくることがあります。二度手間にならないためにも、検診はできるだけ月経の時期を避けて受けるようにしましょう。
また月経中だと、おりものの状態も正確に見ることができません。月経不順で検診の時期に月経が当たるかどうかが読みにくいなら、月経が来たらその10日後くらい、つまり月経直後に当たる時期に検診を入れておくと、出血中に当たるリスクが少なくなります。
婦人科検診にはどんな服装で行くといいか
よく、検診時の服装について聞かれますが、検診センターなどで受ける場合は専用の検診着に着替えるので何を着て行っても問題ありません。婦人科クリニックなどで検診を受ける場合は、ショーツの脱ぎ着がしやすいと楽なので、オーバーオールなどつなぎの服は避けたほうがいいでしょう。スカートなら、裾をたくし上げるだけでいいので、ショーツを脱いだ時の恥ずかしさが気になるという人はあまりタイトすぎないスカートにしておくと無難です。
検診後に出血することもある? 入浴は可能?
細胞診を受けた後は多少、出血する場合があります。たいていは1~2日で止まりますのであまり心配はありません。入浴については、子宮頸がんの検査だけなら検査当日でも可能です。子宮体がんの検査をした場合は、検査当日はシャワーのみにしておく必要があります。
なお、婦人科検診を受ける頻度は、基本的には年1回です。何も症状がなくても、1年に1回は検診を受けるようにしましょう。
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