子宮奇形とは

子宮奇形は必ず治療しなければいけないものではありません

子宮奇形は必ず治療しなければいけないものではありません

子宮の形が本来と異なるものを全て「子宮奇形」と呼びます。正常な子宮は長ナスのような形をしていますが、子宮が途中で2つに分かれてハート型になっていたり、1つのはずが2つあったりすることがあります。

どのような形をしているかで、「弓状子宮」「中隔子宮」「単角子宮」「双角子宮」「重複子宮」「副角子宮」といった分類がなされます。もともと子宮は作られる過程で2つの管状の臓器がひとつになるのですが、その融合がうまくいかないとこのような奇形になります。融合がうまくいかない原因は不明で、一般女性の約1%にこのような奇形がみられます。


子宮奇形の症状

自覚症状はなく、超音波検査やお腹の手術を受けた時などに偶然見つかることがほとんど。子宮奇形は、不妊や流産・早産の原因となるので、不妊や流産で検査をした時に発見されるケースも少なくありません。

流産を繰り返す「不育症」の原因のひとつで、不育症の人の12~15%に何らかの子宮奇形が見つかったという報告もあります。ただ、子宮奇形のすべてが不育症の原因となるわけではなく、奇形の種類の中でも「中隔子宮」が最も不育症と関連しており、逆に「双角子宮」は不育症とはあまり関係ないと言われています。

子宮の出入り口も子宮本体も完全に2つある「双頸双角子宮」の患者様で、自然妊娠して特に流産にも早産にもならず、経腟分娩で普通にお産なさった方もいらっしゃいました。腟も2つに分かれている「重複子宮」の患者様は、自然妊娠して特に問題なく経過しましたが、産道が狭くて赤ちゃんが降りてこられず、最終的に帝王切開になりました。

いずれも不妊症や不育症に悩むことなく、妊娠中の経過は順調でしたので、子宮奇形があるからといって必ずしも何かトラブルにつながるわけではありません。ただ、他に特に原因はないのに不妊症であったり、流産を繰り返したりする場合は、子宮奇形がないかどうかを確認しておいた方がいいでしょう。

子宮奇形の診断は子宮卵管造影検査、超音波断層法、MRI、子宮鏡、腹腔鏡などを用いて総合的におこないます。一番簡単な検査は超音波検査ですが、弓状子宮や中隔子宮だと超音波検査だけでは十分に診断できないことがあります。MRIや子宮卵管造影検査を組み合わせることによって、より詳しく子宮の形を見ることができます。


子宮奇形の治療法

症状がなければ治療の必要はありませんが、不妊や流産の原因になっている時は手術で正常な形に整えます。手術の方法は、開腹での形成術、つまりお腹を開けて子宮の形を本来の形に整える方法や、腹腔鏡補助下に形成術を行う方法の他、最近では子宮鏡手術で中隔子宮の治療を行う方法も選択できるようになってきました。

子宮奇形があるからといって、必ずしも手術が必要なわけではありません。あくまで手術が妊娠率を上げたり流産率を下げたりする可能性が高いと考えられる時に手術を行います。形成術を行った場合、子宮の壁は通常の子宮よりも若干弱くなっている可能性があるので、お産は通常の経腟分娩ではなく帝王切開になります。
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