A Midsummer Night’s Dream 夏の夜の夢

6月10日~14日=あうるすぽっと
『A Midsummer Night's Dream夏の世の夢』撮影:日高仁

『A Midsummer Night's Dream夏の夜の夢』撮影:日高仁

【見どころ】

今年創立40年を迎えたミュージカルカンパニー イッツフォーリーズは、意欲的な創作もさることながら、特に女優陣の美しい歌声に定評のある劇団。6月には『見上げてごらん夜の星を』など、記念公演が目白押しです。その中でも、創立者のいずみたくさんが若き日に書き上げたシェイクスピア劇『夏の夜の夢』ミュージカル版は、50年前の作品とは思えない、インパクトのある楽曲が魅力。人間の業の深さを音楽で表現した本作に、今回は実力派の劇団員に加えて川本昭彦さん(『Heads UP!』)らが客演します。“群舞を面白く見せられる”振付家として白羽の矢が立ったスズキ拓朗さん(コンドルズ)の振付にも期待・大!

【観劇ミニ・レポート】
『A Midsummer Night's Dream夏の世の夢』撮影:日高仁

『A Midsummer Night's Dream 夏の夜の夢』撮影:日高仁

大音量のロック・サウンドが場内をつんざき、ノリのいいロック・ミュージカル?と思っていると、戯曲に忠実に、台詞劇が展開。そこに折々、いずみたくの親しみやすいナンバーが差し挟まれてゆきます。狂言の背景をアレンジしたようなセットに、着物風の襟の衣裳。古典であり“現代”、西洋であり和風でもある。様々な要素が意図的に混ざり合った「キッチュ」な舞台が、今回の「夏の世の夢」です。(演出・河田園子さん)
『A Midsummer Night's Dream夏の世の夢』撮影:日高仁

『A Midsummer Night's Dream 夏の夜の夢』撮影:日高仁

その中でも特に際立つのが、妖精たちのダンス。パフォーマンス・グループ「コンドルズ」のスズキ拓朗さんが振り付けた、コンテンポラリーとヒップホップをブレンドしたようなダンスを10人の妖精たちがきびきび、生き生きと踊るシーンは、言葉の洪水のようなシェイクスピア劇世界に、フレッシュな存在感を放ちます。
『A Midsummer Night's Dream夏の世の夢』撮影:日高仁

『A Midsummer Night's Dream 夏の夜の夢』撮影:日高仁

作品の最後に歌われるのは、ファミリーミュージカル風の簡明な旋律の「人間讃歌」。62年の生涯で15000もの曲を残したいずみたくならではの、洗練を重ねたさりげない、やさしいメロディによって、“舞台人の祈り”が歌われ、すっと心に染み入ります。文学座をはじめとする新劇の俳優陣も大挙客演し、シェイクスピア劇としての“コク”も十分。劇団創立40年記念にふさわしい、意欲的な舞台です。
 




※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。