『リトルマーメイド』出演者にインタビュー!

アンデルセンの童話「人魚姫」を原作とした、とびきりポジティブなディズニーの長編アニメを舞台化、2007年にブロードウェイに登場した『リトルマーメイド』。日本では13年に開幕、幅広い層の圧倒的な支持を得て現在、名古屋・福岡の二都市で上演中です。
『リトルマーメイド』(C)Disney

『リトルマーメイド』(C)Disney

主人公のピュアな情熱と行動力が清々しいストーリーに加え、「アンダー・ザ・シー」を始めとするアラン・メンケンによる名曲、ボブ・クローリーによる色鮮やかな美術など、様々な魅力溢れる作品ですが、キャストの皆さんはどんな思いを持って演じているでしょうか。主要キャラクター役の5人(齋藤舞さん、上川一哉さん、青山弥生さん、芝清道さん、荒川務さん)に役作りのエピソードや、本作の“ここが好き”ポイントをじっくりうかがいました。名古屋・福岡情報もうかがいましたので、他地方からいらっしゃる方はぜひ参考にしてくださいね!

【インタビュー目次】
  • アリエル役・齋藤舞さん(本頁)
  • エリック役・上川一哉さん(2頁
  • アースラ役・青山弥生さん(3頁
  • トリトン役・芝清道さん(4頁
  • セバスチャン、スカットル役・荒川務さん(5頁

【アリエル役・齋藤舞さんインタビュー】

観た人が明るい気持ちで翌朝を迎えられるよう
アリエルに心を添わせ、丁寧に演じています

  • アリエル=海の世界の王、トリトンの末娘。美しい歌声を持つ人魚で、好奇心旺盛。嵐で難破した船から放り出されたエリックを助け、彼に恋してしまう。
齋藤舞undefined07年に劇団四季研究所入所。『ふたりのロッテ』で初舞台を踏み、『ユタと不思議な仲間たち』ハラ子『キャッツ』ジェミマ『ライオンキング』ナラ『マンマ・ミーア!』ソフィ『アラジン』ジャスミン等を演じている。(C)Marino Matsushima

齋藤舞 07年に劇団四季研究所入所。『ふたりのロッテ』で初舞台を踏み、『ユタと不思議な仲間たち』ハラ子『キャッツ』ジェミマ『ライオンキング』ナラ『マンマ・ミーア!』ソフィ『アラジン』ジャスミン等を演じている。(C)Marino Matsushima

――齋藤さんは2017年にアリエル・デビューをされたのですね。

「初演開幕の直後ぐらいから、何度か劇団内の本作のオーディションを受けていたのですが、合格をいただいても他の出演作との兼ね合いで、なかなか稽古に入れませんでした。その後、稽古に参加して2月の末にデビューさせていただき、嬉しさもひとしおでした」

――齋藤さんのアリエルは元気で勢いがあり、夢に向かって猪突猛進する“アリエルらしさ”に満ちていますね。アニメーション版を御覧になったお子さんが観ても、全く違和感なく引き込まれてゆくと思います。
『リトルマーメイド」(C)Disney 撮影:堀勝志古

『リトルマーメイド」(C)Disney 撮影:堀勝志古

「アニメーション版と重なりたい部分もありますが、ただ“真似”をしているような演技には見えたくない、という葛藤もあります。なかなか表現するのが難しい部分もありますが、私が演じるアリエルがそのようにお客様に御覧いただけましたら嬉しいです」

――アリエルを演じるにあたって、どんなことを大切にしていますか?

「アリエルは夢と希望に溢れ、前に突き進む女の子で、私自身、とても彼女を尊敬しています。人間は厳しい現実を目の前にすると“私には無理だよ、できないよ”と考えがちですが、アリエルは決して諦めません。この舞台を観ていただいて、きらきらした希望を受け取っていただけるよう、特にアリエルのまっすぐな気持ちを大事に演じたいと思っています」

――人間界への憧れをもって頑張るアリエルですが、アースラとの取引で足を得た後、なかなか立って歩けなかったのを、スカットルたちに助けられて歩けるようになったり、“キス・ザ・ガール”でセバスチャンたちが素敵なムードを作ってくれたりと、実は周囲のキャラクターにも大いに助けられていますね。

「そうなんですよね、周りのキャラクターがすごくアリエルを愛して、応援してくれるのは、ちょっと羨ましいです(笑)。でも、それもアリエルが本気だからこそ。夢に向かってまっすぐのアリエルを見て、周りも助けずにはいられないのかもしれません」

――アリエルと言えば、フライングで表現する“泳ぎ”が見どころの一つですが、かなりのテクニックを要するように見えます。特に水平に近い体勢で泳ぎながら歌っていらっしゃるときは、どこに重心を置いているのでしょうか。

「確かに、普通は地に足をついてお芝居をするところを、足が浮いた状態で台詞も歌もこなすのは初めてのことで、はじめはとても難しかったです。泳いで(フライングをして)いるときは全身の筋肉でバランスを取りつつ、腰に装着した器具にしっかり乗って、重心を置いていますね。45度に傾いた状態で、(泳ぎを表現するのに)うねりながら歌うことにはなかなか慣れませんでしたが、アリエルを演じる上で泳ぎはとても大切なので、バランスボールやバレエのレッスンで使うバーに乗って、フライングをイメージしながら筋力トレーニングをしてきました。私だけでなく、アリエルにキャスティングされた俳優はみんなそうだと思います」

――本作について、齋藤さんが特にお好きなポイントは?
『リトルマーメイド」(C)Disney 撮影:堀勝志古

『リトルマーメイド』(C)Disney 撮影:堀勝志古

「アリエルの場面でしたら、“パート・オブ・ユア・ワールド(リプライズ)”のところですね。(溺れた)エリックを助けた後、何て素敵な人なのと言って、自分はこの人の世界に絶対行くと決心するくだりが、私は大好きなんです。それまでは人間界に“行きたい”と思っているだけだったのが、この人の世界に“行くんだ”という強い決意に変わる。恋に落ちた瞬間って、そういう感じなのかな、と思いますね。

もう一つ、自分が出演する前から大好きだったのが、(お城の料理人である)シェフ・ルイが迷い込んできたセバスチャンにこてんぱんにやられてしまうシーン。大人でも、つい子供に帰って大喜びしてしまいます(笑)」

――今日、出演されていたシェフ・ルイ役の方(光山優哉さん)は特に“レ・ポワソン”での包丁づかいが猟奇的でした(笑)。

「魚を愛しすぎてああなってしまうのが、怖いけどチャーミングですよね。もしアリエルが出くわしていたら、相当怖がるだろうなと思いますけど(笑)」

――アリエルを演じ始めて10か月が経ちましたが、今後アリエルというお役をどう深めていきたいですか?

「10か月、早いですね(笑)。はじめはとにかく必死で、周りも見えていない部分もありましたが、やはりアリエルと言えばお子様を含め、多くの女性にとって“憧れのディズニー・プリンセス”だと思いますし、皆さんの夢を壊さないよう、責任を持って演じていけたらと思っています。アリエルの希望や夢を大事に、自分もアリエルに寄り添っていけたら。ハッピーな部分だけでなく、落ち込むときは落ち込む、怒るときは怒る。その一つ一つを、アリエルの気持ちに沿わせて丁寧に演じていくことで、きっとお客様にもきちんとお届けできるかなと思っています」

――お客さんにどんなものを持って帰ってほしいと思いますか?

「御覧になった方が、私もやってみよう、一歩踏み出してみようと思ってくださったり、次の日、明るい気持ちで朝を迎えられるような、そんな気持ちになっていただけたら嬉しいです」

――現在、『リトルマーメイド』は名古屋と福岡の二都市で上演中です。観光も兼ねて観に来られる方もたくさんいらっしゃると思いますが、ぜひお勧めしたいものはありますか?

「私は個人的に水族館好きで、地方公演の合間にあちこち訪れるのが楽しみなんです。特に『リトルマーメイド』に出演している今は役作りの参考にもしていて、魚のひれの動きや泳ぎ方を見ていると、こうやって水圧を感じてるんだなぁとわかって、勉強になりますね。福岡では「マリンワールド海の中道」、名古屋ではイルカのショーが有名な「名古屋港水族館」に行きましたが、どちらもとても楽しめました。よろしかったらぜひ行ってみてください」

*次頁でエリック役・上川一哉さんのインタビューを掲載しています。