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高い?低い?年齢別の平均給与額【2021年版】

同年代でも、性別や雇用形態、学歴、業種によって給料事情が違うもの。2021年発表、厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」の調査結果をもとに年齢別の平均給与を紹介します。

福一 由紀

執筆者:福一 由紀

ファイナンシャルプランナー / 仕事・給与ガイド

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年齢別の平均給与額をチェック!

興味はあるけど、なかなか知ることができないのが他人のお給料事情。業種や会社が違うと他の人がどれくらいの給料をもらっているのかが気になります。そこで、年齢別の平均給与額を厚生労働省が調査した「令和2年賃金構造基本統計調査」(2021年最新調査結果)をもとにみてみましょう。同年代でも、性別や雇用形態、学歴、業種などによってどのように変わるのでしょうか?
 

全年齢の平均給与額は約30万円・ピークは55~59歳で36万8600円

年齢・男女別の平均賃金(残業代などは含まない所定内給与)。男女で賃金の増え方が違う(単位:千円) 出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査(全国)」

年齢・男女別の平均賃金(残業代などは含まない所定内給与)。男女で賃金の増え方が違う(単位:千円) 出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査(全国)」


上の表は、年齢、男女別の平均給与(月額)の表です。この調査での給与は所定内給与で、時間外手当や休日出勤手当などは含まれていません。全体の平均は30万7700円。男性は33万8800円、女性25万1800円となっています。男性が女性より8万7000円ほど上回っています。
 
年齢別にみてみると、給与額のピークは55~59歳で36万8600円。20代は20万円台前半(20~24歳21万2000円、25~29歳24万4600円)ではじまり、30代になり20万円台後半から30万円台にやっと手が届き(30~34歳27万4400円、35~39歳30万5200円)、40代で30万円台前半になり(40~44歳32万9800円、45~49歳34万7400円)、50~54歳が36万8000円、55~59歳は36万8600円と50歳代でピークとなっています。60歳代になるとぐっと減り20万円台(60~64歳28万9300円、65~69歳25万7400円)となっています。
 

男女別給与額・55~59歳で15万円ほどの開きがある

男女別に給与のピークをみると、男性は55~59歳42万100円、女性は50~54歳27万4700円。男性・女性とも50歳代前半と後半の給与平均は数千円しか変化していません。つまり、男女差があることがみてとれます。例えば、55歳~59歳で比較してみると女性の27万1100円に対し、男性は42万100円。なんと、15万円ほどの差で、1.5倍ほどの開きがあります。
 

学歴別給与額・年齢が上がるにつれ学歴による賃金差が顕著に

学歴・年齢別の平均賃金(残業代などは含まない所定内給与)。学歴が高いほど賃金は高く、上昇額も高くなっている(単位:千円) 出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査(全国)」

学歴・年齢別の平均賃金(残業代などは含まない所定内給与)。学歴が高いほど賃金は高く、上昇額も高くなっている(単位:千円) 出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査(全国)」


上の表は学歴別の平均賃金です。大学卒は、20歳代20万円台、30歳代30万円台、40歳代30万円後半から40万円台、50歳代50万円台から40万円台後半と見事に50歳代までは年齢に比例して給料が右肩上がりになっています。60歳代前半になると37万円程度になりますが、平均と比べてもかなり高い水準であることがわかります。
 
さらに高額なのが大学院卒。前回までの調査結果は大学・大学院卒とまとめて発表されていましたが、今回から大学院卒のデータが新たに出ました。大学院卒は30歳代後半で40万円台に入り、40歳代後半では55万円、50歳代は60万円台と順調に上がっています。実際にいちばん高額なのが55~59歳の68万8900円で、大学卒の49万6700円となんと、約19万円もの差となっています。また、60歳以降も給料があまり下がらず、ほぼ60万円台をキープしており、大学院卒の給与がかなり安定していることがわかります。
 
大学院卒以外の賃金カーブもあわせてみてみましょう。大学院卒と高校卒が55~59歳、大学卒と高専・短大卒が50~54歳が賃金のピークとなっています。ピーク時の賃金は、大学卒は50万1600円に対して、高専・短大卒33万3200円、高校卒31万2800円と高卒と大学卒の差は20万円近くにもなっています。20歳代では賃金差は2~3万円程度です。年齢が上がるほど、学歴による賃金差がでてきています。
 

雇用別給与額・正社員と非正社員で50~54歳時に19万円近くの差

雇用形態・年齢別の平均賃金(残業代などは含まない所定内給与)。正社員とそれ以外の賃金差は平均で11万円ほどある(単位:千円) 出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査(全国)」

雇用形態・年齢別の平均賃金(残業代などは含まない所定内給与)。正社員とそれ以外の賃金差は平均で11万円ほどある(単位:千円) 出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査(全国)」


上の表は、雇用形態(正社員と正社員以外)別の平均賃金です。全体では正社員32万4200円、正社員以外21万4800円。賃金差は10万9400円にもなっています。特に差が大きいのが、男性の50~54歳。正社員43万1200円、正社員以外24万2600円と、賃金差は18万8600円。雇用形態でも大きな差がでています。
 
男女、学歴、雇用形態別の平均賃金でした。次に業種別の給与事情をご紹介します。
 

業種別給与額・全年齢平均トップは「電気・ガス」の40万2500円

 
産業・年齢別の平均賃金(残業代などは含まない所定内給与)。産業によって年齢別の平均賃金は大きく変わる(単位:千円)出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査(全国)」

産業・年齢別の平均賃金(残業代などは含まない所定内給与)。産業によって年齢別の平均賃金は大きく変わる(単位:千円)出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査(全国)」


上の表は、業種・年齢別の平均賃金です。その業種ごとに一番賃金が高いところに色を付けています。
 
全年齢で平均賃金が一番高かったのが電気・ガス・熱供給・水道業で40万2500円。続いて、学術研究・専門・技術サービス業38万8200円、情報通信業38万3000円、金融業・保険業37万4400円、教育・学習支援業37万300円となっています。対して、宿泊・飲食サービス業は25万500円、サービス業(他に分類されないもの)は26万4400円、生活関連サービス業・娯楽業は26万7700円と26万円程度の業種もあり、業種差は15万円以上ある場合もあります。
 

賃金ピークは「情報通信」55~59歳がトップ・54万4000円

業種と年齢別で一番高額だったのが、情報通信業の55~59歳で54万4000円。対して、賃金ピークが一番低額だったのが宿泊・飲食サービス業の50~54歳で28万4100円。2倍近くの賃金差がでています。
 
いずれの業種も、20~24歳の時は20万円程度で差は3万円ほどだったのが、50歳代になると2倍近くもの差がでています。
 

「電気・ガス」「学術研究」「教育・学習支援」も50歳代で賃金ピーク50万円前後に

情報通信業以外でも、賃金ピークが50万円前後となる業種があります。電気・ガス・熱供給・水道業は50~54歳で52万1300円、学術研究・専門・技術サービス業は50~54歳49万5700円、教育・学習支援業は55~59歳48万2400円となっています。これらの業種は全年齢平均でも高額となっていました。50歳前後でどれくらいの給与になるかが、全年齢平均の金額を大きく変えているようです。
 
60歳以降の給料で目立つのが、教育・学習支援業。他の業種は軒並み賃金ダウンをしていますが、教育・学習支援業はあまり金額が下がっていません。50歳代とほぼ同レベルの40万円台を維持しています。

業種によって、給料の上がり方、下がり方は違っています。また、金額そのものも大きな差が出ているところもあります。この金額は残業代などが含まれていない数字ですが、ご自身の給与と比べて、これからの賃金を予想してみてはいかがでしょうか?

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