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不動産実務の新基準!不動産流通実務検定“スコア”

宅地建物取引主任者資格が2015年より「宅地建物取引士(宅建士)」として、いわゆる「士業」の仲間入りを果たしたことが注目を集めている不動産資格業界ですが、同年に新しく注目の新資格が誕生したことも見逃せない話題です。その名も「不動産流通実務検定“スコア”」。その詳細を紹介していきましょう。

鈴木 秀明

執筆者:鈴木 秀明

資格ガイド

幅広い知識が必要となる不動産取引。客観的に、その力を把握するには……

幅広い知識が必要となる不動産取引。客観的に、その力を把握するには……

宅地建物取引主任者資格が2015年より「宅地建物取引士(宅建士)」として、いわゆる「士業」の仲間入りを果たしたことが注目を集めている不動産資格業界ですが、同年に新しく注目の検定が誕生したことも見逃せない話題です。

その名も「不動産流通実務検定“スコア”」。主催は公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)。「不動産コンサルティング技能試験」の実施団体としても知られ、不動産業界の教育研修や調査研究を幅広く手がけています。

不動産流通実務検定“スコア”とは?

不動産流通実務検定“スコア”は、安心・安全な不動産取引に必要な「実務知識」「行動規範」「実践応用力」の習熟度を測る不動産流通業務の新しい指標として、2015年に誕生しました。

検定結果は合否ではなく愛称どおり、スコアで出されます。1000点満点の得点と、8カテゴリーの科目別正答率によって、不動産流通実務に関する実力が判定されるというもので、自分自身の全国順位も判明。

ちなみに以下の画像は、私が実際受検した際の結果です。幅広い分野からかなり歯ごたえのある問題が出題されるため、しっかり対策をしておかないと正直高得点を取るのは難しそうだと感じました。
試験の結果は合否ではなくスコアで出される

受検結果は合否ではなくスコアで出される

不動産業界の代表的な資格といえば前述の「宅建士」が挙げられますが、宅建士試験の内容は宅建業法や民法、借地借家法などがメインであり、法律分野以外はそこまで深く掘り下げて取り扱っているわけではありません。

一方、不動産流通実務検定“スコア”では法律分野に加えて、価格査定・建築・税金・相続といった、不動産に関連する領域の実務知識を幅広く取り扱う内容となっています。

実際受検してみると、宅建士の試験と比べて、現場で活かせる実務知識の問いが多いように感じました。現場で活きる不動産流通実務の力を測ることができる意義ある検定だと思います。

不動産流通実務検定“スコア”のメリットは?

受検者のメリットとして、自分自身の実力を客観的に知ることができるということがまず挙げられます。不動産業界に関わる幅広い領域から出題され、分野ごとに正答率が出ますし、マイページには受検履歴も残るため、今後のスキルアップの指針にもなるでしょう。
自分自身の強み・弱みを明確に把握できる

自分自身の強み・弱みを明確に把握できる

不動産流通業界では、「600点以上のスコアを持つ人材は高く評価する」という大手企業も出てきており(三井不動産リアルティ・東急リバブル・東京建物不動産販売など)、社員の育成や実力把握にも活用されているようです。将来「不動産業界のTOEIC」といえる存在として定着する日も、そう遠くないかもしれません。

不動産流通実務検定“スコア”の内容は?

インターネットに接続できる環境があれば自宅からでも受検可能で、150分間に100問の問題を解きます。ただし、出題のパターンは様々なバリエーションがあり、二肢択一のシンプルなものから「該当するものをすべて選べ」という高難度のものまで様々。配点も各問題で一定ではなく、適宜ウエイト付けがなされています。ただし、記述式の問題は出題されません。

出題範囲は大きく「メイン科目(概ね45問)」「準メイン科目(概ね45問)」「周辺科目(概ね10問)」の3つに分かれています。

メイン科目は「重要事項説明」「取引の安全確保」の2科目からなり、不動産取引業務の根幹となる実務知識や対応力を問う内容となっています。宅建士試験の知識だけではカバーしきれない、専門的・実務的な内容も多分に含まれています。不動産流通実務の現場で働く人にとって、このような実業務で使える知識は絶えずアップデートし続けていく必要があるでしょう。

準メイン科目は「価格査定」「賃貸実務」「借地借家」「建築」「不動産に関する税金」「相続」の6科目。いずれも不動産流通実務において理解が欠かせない領域です。すべてを修得するのはなかなか大変そうですが、基本的な知識だけでもぜひ一通り押さえておきたい分野です。

周辺科目は「競売」「不動産の信託」「不動産の証券化」「海外不動産」の4科目。出題数はさほど多くはないのですが、かなり専門的な周辺知識が問われます。こうした周辺知識を広く身につけておくことで、クライアントに提案できる内容に深みや幅を持たせることができるでしょう。

なお、前述の「8カテゴリーの科目別正答率」については、「重要事項説明」「取引の安全確保」「価格査定」「賃貸実務・借地借家」「建築」「税金」「相続」「周辺科目」の8つのカテゴリーにつき算出されます。理解が弱い分野の把握に役立ちますね。

不動産流通実務検定“スコア”の対策はどうすればいい?

不動産流通実務検定“スコア”は取り扱う範囲が膨大なこともあり、すべてがカバーできるような教材・参考書は今のところまだありません。ただ、主催団体である不動産流通推進センターから様々な刊行物講座(「学習にあたって」を参照)がリリースされているので、ぜひ活用したいところ。

過去問は公表されていませんが、受検者には100問の解説が公開されるため、次回の受検で役立てることができます。継続して受検することで、自分の成長度合いの把握にも活用できますよ。

最後に……10年後、20年後、さらに先、不動産業界で生き残っていくために必要な不動産流通の実務知識を身につける手段として、この検定をぜひ有効活用してほしいと思っています。

不動産流通実務検定“スコア”の受検情報

  • 受検資格 特に制限なし
  • 受検料 3,000円
  • 受検地 インターネットに接続できればどこからでも受検可能
  • 受検日程 6月、11月
  • 受検申込 受検日の2ヶ月~半月前頃
  • 受検内容 不動産取引実務、価格査定、建築、税金、相続、競売、証券化 など
  • 合格基準 スコア制
  • 合格率 スコア制
  • WEB 不動産流通実務検定“スコア”
【2016年度の受検日程】
第3回
  • 申込期間 2016年4月25日(月)~2016年6月10日(金)
  • 受検日 2016年6月20日(月)~2016年6月22日(水)
※上記情報は2016年4月11日時点のものとなります。最新情報は不動産流通実務検定“スコア”公式サイトにてご確認ください

取材協力:公益財団法人 不動産流通推進センター

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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