不自由なコミュニケーションツール
任天堂のモバイル端末向けゲームアプリ参入第一弾は、Miiを使ったコミュニケーションアプリでした
さて、肝心の中身なんですが、MiitomoはゲームというよりはTwitterやFacebookなどのSNSに近い、というように評価をする人が数多くいます。これは正しい評価だと思いますが、一方で、TwitterやFacebookなんかのSNSと比較すると、むしろ任天堂らしいゲームの作法と、それによる面白さというのが浮かび上がります。
MiitomoはSNSとしてみるなら、あまりに不自由で、不便なツールです。しかし、その不自由なところが、人と人の間に新しい関係を作ります。Miitomoの詳細な紹介については既にたくさん記事にしているところがありますので、ゲーム業界ニュースでは、Miitomoの持つ構造が、使うユーザーに何をもたらすのか、という点についてお話していきたいと思います。
ネタふりコミュニケーション
Miiの仕組みは、Wiiから提供され、3DSやWii Uにも搭載されています
Miitomoでは、そのMiiを作り、これを自分の分身として家族や友達のMiiとコミュニケーションさせるというツールです。ポイントは、Miiが自分に質問をしてくるので、これに答えることで情報が発信される、という点です。自分で自由に思ったことを発信できない、と言い換えてもいいです。基本的にはMiiに聞かれたことを答えていきます。昨日の晩御飯なに食べた? 好きなテレビ番組は? 猫のどこが好き?
あるいは、誰かが答えたことに対してコメントをつけることはできます。「猫のどんなところが好きですか?」「便利な道具をたくさん出してくれるところ」「のび太さんのエッチ!」みたいに会話が進みます。
Miiを使った合成写真が作れたり、Miiの着せ替えができたりと、他にも色々機能はあるのですが、ゲームの大部分を占める要素は、Miiの質問を媒介としたコミュニケーションです。
自分からは発信できず、質問に答えていって会話が広がるというところが、他のSNSなどのツールとMiitomoが大きく違うところということなんですが、じゃあそれによって、どんなことが起こるのでしょうか?